なんてことのない休日だけど、かけがえのない一日。

お花畑に行ったら、お花の絵を描くねん。

少し前から娘が楽しみにしていた休日の過ごし方。
家族で大きな公園に出かけるなんて数ヶ月ぶり。こんな当たり前のことが贅沢だったんだなって思った。

朝からお弁当をつくって、車に乗って小旅行。
ここしばらくは、身体じゃなくて心が慌ただしかったんだと車に乗り込んだ瞬間にさとった。
これから出かけるというのに、カチッと副交感神経がオンになる。行きの運転は妻にお願いしたからかもしれない。

リラックスしながら、外を眺める。

京都から奈良へ。

完全に日常が戻ったとは言いきれない。いや、もう元の日常なんてものに戻ることはないのかもしれない。ウィズコロナだとか、アフターコロナだとか言われるけどただ新しい日常が積み重なっていくだけ。
もともと、日常は後戻りなんかしたことはなかったんだ。

お腹が空いたと、娘が早くもお弁当を食べはじめた。嬉しそうにソーセージを頬張りながら、何かをしゃべっている。口のまわりをベトベトにしながら、ほっぺいっぱいに詰め込みながら、彼女は真剣に何かを訴えていた。

どうやらポテチが食べたいみたいだ。

これは、戻ってきた日常じゃない。新しく育まれた日常だ。

なんてことのない休日だけど、かけがえのない一日。

お花畑に行ったら、お花の絵を描くねん。

嬉しそうに娘がぼくを見上げる。
新しい日常が、今日もまたのんびりと育まれていく。

では、また明日。