「物を捨てる」んじゃなくて「余白と交換」する。
なぜ、物を捨てることにこんなにも抵抗感があるんだろう。
使えるのに使わなかったって罪悪感みたいなのもあるし、物に対してもなんだか悪いことをした気がする。
▷ 「捨てろ捨てろ」って言うけどさ
捨てるのだってお金もかかる。
捨てるのだって労力がかかる。
捨てたほうがいいのは、なんとなくわかっているけど、物が減っていくことへの不安もある。
本当に捨ててしまっても困らない? 必要な時になかったら後悔しない?
「捨てる」ことにばかり目が向いていたら、そりゃ損した気持ちになって、不安な気持ちになってしまうのも無理はない。
▷ 「空間」と交換しているんだ
「物を捨てる代わりに手に入るものはなんだろう?」と考えてみる。
気持ちの面でも色々あるかもしれないけど、一番目に見えて手に入るのは「空間」。
みんな「空間」を手に入れるためにたくさんのお金を費やしている。
土地、家はもちろんですが、収納家具だってそうです。
収納家具は、そのままじゃ何にも置けない高い所とかに物をしまえるようにするために買います。つまり、収納空間をつくるために置いている。
他にも、トランクルームを利用している人もいるかもしれません。
いま大人気の物の保管サービスだって、空間を買っているようなものです。
空間って高額なんです。
また、空間ってその利便性によって価値が変わります。
都心の一等地は高額だけど、誰も行けないような山奥の土地は格安だったりする。
物の収納って意味での一等地ってどこだろう。
もちろん、自宅。
なぜなら、いつでもすぐに出し入れができるし、セキュリティだって(一応)バッチリ安心だから。
物を捨てるっていうことは、この一等地と物を交換しているってことです。
物を捨てるのは、「空間」と交換すること。
でも、それだけじゃない。
▷ 「空間」じゃなくて「余白」
ようするに「空間」ってことではあるけれど、家の中に生まれる空間には、ただの空間以上の価値があると考えています。
空間って、空けておくとなんだかもったいない気がして、そこにまた物を詰め込みたくなる。
それって、結局同じことの繰り返し。堂々巡りです。
だから「空間」じゃなくて「余白」と考える。
空間は、空いているスペースそのものだけど、「余白」は「空いていることに意味があるスペース」。
▷ 「余白」は動線
動線ってつまりは「人が動くスペース」のこと。
たとえば、人がひとり歩くために必要な幅は約60センチと言われています。 椅子と壁の間に60センチの隙間を開ければ、それが人が通るための「動線」となるのです。
たとえば未就学くらいの小さなお子さんのオモチャ収納。
カラーボックスにピッタリサイズのケースが収まっているよりも、一回り小さいくらいの方が出し入れしやすい。
たとえば押入れやクロゼットの中。
キツキツに洋服が引っ掛けてあったり、ダンボールや収納ケースが詰め込まれていると選びたい洋服を選びにくいものです。
ところが、隙間があると見通しもよく、取り出しやすくなる。 「ちょっとスカスカだな」と思ってしまっても、そのくらいがじつは動線的には取り出しやすいベストかもしれません。
手が差し込める、スッと取り出せる、隙間をそういう動線として活用してみるとあながち無駄でもないと思えませんか。
▷ 余白はデザイン
そしてもうひとつ。
余白とはメリハリのことでもあります。
部屋の壁、四面すべてにポスターや写真を飾り付けしたらどうしてもゴチャゴチャとしてしまう。
だから飾り付けする壁面は1面に絞って、あとは余白にしておく。そうすることで、メリハリが生まれ、部屋が引き締まって見えます。
これをインテリアでは「フォーカルポイントをつくる」なんて言いますが、ポイントとなる壁面を飾り付けること以上に、それ以外の周りをいかにスッキリさせるかが大事。
収納も同じです。 引き出しや扉のある収納など、隠す物はいいですがオープン収納や本棚など中が見える物はやっぱりメリハリが大事。 全部のスペースをぎっちり使わないと入り切らないのなら余白はありませんが、もしも整理を進めて棚がひとつ、ふたつ空いたなら。
そこに、物をしまうのではなくて写真を飾ったり、花を飾ったり、ちょっとしたディスプレイスペースにするのもあり。 それだけで、部屋全体がまるで息継ぎできるようにスッキリした印象になります。
▷ 物を捨てるんじゃない。余白と交換するんだ
物を捨てるとなると、その捨てられていく物ばかりに目も気持ちも向いてしまいます。
でも、そうではなくてその代わりに手に入れた「余白」にも目を向けて欲しいのです。
なぜならそれが、物と引き換えに手に入れた一番の価値だから。
では、また明日。
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