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一足お先に。さようなら幼稚園。

普段泣かない娘が、車の中でしくしくと泣き出した。

「先生のこと、思い出しちゃった」

助手席に座りながらつぶやく娘の顔は、後部座席に座っていたぼくからは見えない。でも、6歳の娘にとってこれは、きっとはじめての「さみしい」という感情なのだろう。

今日は、幼稚園最後の登園日。
明日には京都から東京へと引越しをするわが家は、一足先に卒園する。

3年間、車で往復し続けた坂道も、大きな風車のある園庭も、大好きな先生も、大切なお友達も。今日でお別れ。

「幼稚園終わっちゃうのいやだ」

朝起きるなり、そう言いながら妻に泣きついた娘。

「さみしい気持ちは、パパとママが全部受け止めるから今日は思いっきり楽しんできな」

妻がそう言うと、

「わかった!!!」

と笑顔でうなずき、元気いっぱいに起き出した。

今日は一日、思いっきり遊び回って、楽しんだんだろうな。
お迎えに行くと、変なガニ股ポーズをしながらふざけまわっていた。

園長先生、担任の先生、保育の先生。みんなに順番に抱っこされて。
お友達に「ばいばい!」とタッチしてもらって。

娘の愛されている姿に、胸が打たれる。

幼稚園に行きたくないと、泣きじゃくっていた時期もあった。
コロナで行きたくても行けない時期もあった。
大好きで、いつまで経っても帰りたくないって、お迎えに行く度に文句を言ってた。

この幼稚園に入るために、3年前、東京から移住までしてきて、本当によかった。

親が一生懸命育てなくたって、子どもはたくさんの人に育ててもらっている。
ぼくなんて、ただただ娘を見守っていたに過ぎない。

ただただ楽しく一緒に暮らしていただけ。
娘はいつの間にか、大きく成長していた。

先生たちとのさよならの瞬間は元気いっぱいで、笑顔いっぱいだったけど。
車に乗ってから、さみしさが溢れてきたんだろうな。
成長したからこそ感じるようになった、お別れのさみしさ。

さみしくて泣くことができる、というのは子どもの成長の証だと思ったら、さみしくて、悲しいのに、嬉しくてたまらなかった。

「こういうときは、思いっきり泣いたらいいよ」

運転席から妻がそう声をかけた。

娘は、思いっきり泣いていた。


では、また明日。

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