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片付けの心理学〜いる理由を見つける天才たち〜

今回のモヨウ替えのレシピはお片付けについて。
「物を捨てられない!」というあらゆる人が(?)悩むこの問題はなぜ起こるのか? 「いらない物を選ぶんじゃない。いる物を選ぶんだ!」の精神でお片付けを進めてみましょう!

「なんでこんなに物が捨てられないんだろう」と、言うのはお片付けに悩む多くの人達共通の悩み。
「お片付けをする」=「物を捨てる」であると言っても過言ではないかもしれません。 

「捨てられないワタシはなんてダメなんだ」とすっかりヘコんでしまっている方もたくさん見てきました。とは言え、僕も物を捨てることに対する躊躇は結構ある方。 

まだ使えるし、とか何かに使えるんじゃないか、なんてのはまだましで、「なんだか解らないけど、今はまだ捨てちゃいけない気がする!」なんて書類もあったりします。もはや、理由も解らないのに捨てちゃいけないなんておかしな話です。
でも、それにはちゃんと心理学的に理由があるのです。 


人は絶対に損をしたくない!

人は物に対して「損失回避」「保有効果」と言う2つの気持ちが働きます。

「損失回避」とは「人は損をすることが、得をするよりも実は怖い!」と言う心理のこと。アメリカの心理学者ダニエル・カーネマンの実験によって明らかになっています。 

例えば有名な実験の一つでコイントスの実験があります。
「”コインを投げて表が出たら5万円もらえるけど、裏が出たら4万円払う”と言うゲームに参加しますか?」と質問すると、明らかに得の方が大きな金額がもらえる設定になっているにも関わらず多くの人は参加しないとの結果。それは、損をするほうが得をするよりも怖いからなのだとか。

そして「保有効果」とは「自分の持っている物の価値を本来の物の価値よりも高く感じてしまい、手放せなくなってしまう心理」。 

例えばこんな方がいました。20個くらいストックしてあった小さなガラスのゼリーカップ。高級ゼリーを頂いた時の入れ物だそうです。

「いつかプリンとか作る時に使おうと思って」と仰っていましたがよく聞いてみると「子どもが生まれてからプリンなんて作っていない」とのこと。お子さんもすでに5歳です。もし、作る機会が訪れたとしても新しいカップを買うか、再利用したにしても20個は作らないですよね。 

「まだ使えるんじゃないか」と言う気持ちになってしまうのが、この保有効果の怖いところです。 


いる理由を見つける”天才”になっていないか!?

さて、これらの心理が強く働くと人は「いる理由を見つける天才」になります。 

ある方はサイズアウトした息子さんの洋服を大量にストックしていました。理由を尋ねると「最近、いとこが結婚して。そのうち子どもが生まれるかもしれないし、その子が男の子だったらきっとこの洋服もよろこんでもらえるんじゃないかと思って」と一生懸命説明してくれました。 

でも、そのいとこにお子さんが生まれるかどうかもわからないし、ましてや男の子かどうかなんてもっとわかりません。しかもそんな何年も先に何年も前に使っていた中古の子ども服、大喜びでもらうでしょうか??

そんないつ来るかどうかもわからない未来を思うのは、本当にそのために取っているのではないのです。
その方が考えていたのは「捨てられない理由」です。理由さえあれば、それを捨てなくて済むから。

捨てるという作業をいかに怖がっているかが伝わってきました。

お片付けで物を取捨選択する上では「いらない物」を選んではいけません。いまお話ししたようについつい「いらなくない理由」に思いを巡らしてしまいがちだからです。そうではなく「絶対にいる物」を選ぶようにしましょう。そして「いらない物」についてアレコレと「いる理由」を考え始めたら、きっとそれは「いらない物」なのです。 

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今日も、見に来てくれてありがとうございました。
とはいえ、ついついいらない物も取っておいちゃうんだから、業が深いものです。
こうした気持ちを知って、自分に変化をうながしたことでぼくは、これまでは捨てられなかった物が半分くらい捨てられるようになったりしました。
「これって、本当に必要なんじゃなくて『捨てたくない』って思ってるだけなんだろうな」って思って一歩を踏み出してみる。
それだけで、思いの外気持ちもスッキリするもんです。
ぜひ、明日もまた見に来て下さい。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました! スキ・フォロー・シェアなどしてもらえたらとっても嬉しいです。 ぜひまた見に来てください!!