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起業して3年。ろくに飯も食えなかったんだ。

「今日で仕事辞めます」
12年前。フリーランスだったぼくは、営業先にそう宣言してまわった。NPOを起業するためだった。

起業してすぐに稼げるあてだってなかったんだから、べつにわざわざ「辞める宣言」なんてしなくてもよさそうだけど、「起業に集中する」という妻との約束だった。

それから3年。ほとんど売上を上げられず毎月のように家賃を払えるかどうか、切羽詰まっていた。

いまいちピンとくるサービスが決まらず、苦手で胃が痛くなる講演の仕事だけ年数回請け負う。後は一生懸命助成金の申請をしていた。

「助成金で食ってる」

フリーランス時代にわりと稼いでいたという自負は、ボロボロと崩れてしまった。

不妊治療も開始し、お金の問題はますます切羽詰まっていった。

3年後。いきなり売上が上がった、なんてことは残念ながらなくて。
TVで取り上げてもらったり、新聞や雑誌に掲載してもらってもまだ、アルバイトをしていた。

このままじゃ、もうダメなかな。
そんな危機を毎月なんとかしのいでいた。

色々試して、そのほとんどすべてが失敗して。
大活躍する起業同期たちを尻目に、不甲斐なさは募っていった。

サービスはちっとも売れなかった。
取材されても、ちっともブレイクなんかしなかった。
「これこそが!」っていうブレイクスルーポイントなんて、この12年間一度もない。

それでも、小さな積み重ねはなくなってなんかいなかった。
一歩にも満たない小さな段差を毎年毎年踏みしめていたら、いつの間にか食うに困らなくなっていた。家賃の心配をしなくても大丈夫になっていた。

営業をしなくても、年数十回の講演依頼が入るようになったし、大きな企業とのタイアップ企画も問い合わせが入るようになった。
著書も出版することができたし、自信を持って、これはいいサービスだよ! と胸をはれるサービスも提供できるようになった。

大きなブレイクはなかったけど、いつの間にかちゃんと生きられるようになっていた。

独立して辛いのは、売上が上がらないことだ。
それは、金銭的な辛さはもちろんのこと「自分なんて誰からも必要とされていないんだ」という社会からの否定感を強く感じるから。

本当はそんなことないのに「売上=社会からの必要度」と感じてしまうのだ。

社会から不必要と思われることほど、辛く苦しいことはない。

「こんな人たちの役に立ちたい」

その強い思いが武器になる。
そのために必要なことを一生懸命学ぶようになるし、その知識と経験は新しいサービスと言う形で役立つことができるようになる。

どれだけシンドくても、諦めずにぼくを支えてくれたのは、

「ただいま」って帰りたくなる家庭が少しでも増えたらいいな、という想いだったんだと、12年経ったいま、あらためて思うのです。

では、また明日。


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