感動体験を届けるためのLayerX流スプリントレビュー
こんにちは、バクラク事業部でソフトウェアエンジニアをしております@Tomoakiです。スクラムマスターのようなことも少しやっています。最近は朝のジムの前に文明堂のどら焼きを食べるのがルーティーンです。
先日、代表の福島より、LayerXが大事にしている行動指針についてまとめた「LayerX羅針盤」 が公開されました。
「LayerX羅針盤」のp25にあるように、LayerXではお客様に"Wow"、"感動体験"を届けることに誇りを持ち、魔法のような体験を当たり前に提供することを日々心がけております。
本日はお客様に"Wow"や"感動体験"を届ける上で欠かせない、バクラク事業部発足初期から続くスプリントレビュー(通称:レビュー会)について紹介したいと思います。
TL; DR
LayerXのスプリントレビューは、従来のスプリントレビューの役割に加え、新しい機能やコンテンツを紹介する場、"Wow"や"感動体験"を社内で分かち合う場となっている
レビュー会を通じて実装をやり切る力、プロダクトの仕様理解、プロダクト価値の実感が生まれ、お客様に"Wow"や"感動体験"を届ける上で重要な役割を果たしている
カジュアル面談しませんか
そもそもスプリントレビューとは?
スプリントレビューとはそもそもなんでしょうか。スクラムリファレンスガイドを見てましょう。
要するに、スプリント計画で開発すると決めたタスクの成果物に対してフィードバックをもらう時間であると同時に、今後の開発優先度を決めるために現状の進捗を把握する時間のようです。
また、参加するメンバーはスクラムを構成するチームメンバー(スクラム開発チーム、プロダクトオーナー、スクラムマスター)に加え、顧客やエンドユーザーなど外部のステークホルダーも呼んで実施できると、出来上がってきたプロダクトに対しての感想やフィードバックが直接もらえる良い機会となるようです。
テキストベースのレポートではなく、必ず動くプロダクトを見せるというのも重要なポイントですね。
LayerX流レビュー会
LayerXでは毎週金曜日の夕方に30minのスプリントレビュー(通称:レビュー会)をオンラインで実施しています。
レビュー会は1週間の中で最も盛り上がるミーティングで、新しく入ったメンバーからは「こんなに拍手喝采になるミーティングは人生で見たことない」という感想を頂くほどです。
トライアル入社で1dayだけご一緒する選考中の候補者さんからも圧倒的に評判が良いのが、このレビュー会です。
内容は、スクラムリファレンスガイドで定義されたものを踏襲しつつも少し工夫を加えています。
以下、特徴とそのメリットを紹介します。
事業部全体で実施し、新機能の紹介も兼ねる
スクラム開発にかかわるメンバーだけでなく、あらゆるチーム、職種のメンバーが参加します。発表する側も一つのスクラムではなく、プロダクトごとに存在するスクラムチーム全部まとめて実施します。(プロダクトは大きく4つあり、さらに専門領域のOCRチームを合わせるので合計5つスクラムチーム分の発表があります)
スクラムリファレンスガイドで定義されたスプリントレビューのようにお客様も交えてスプリントレビューができれば最高ですが、SaaSとして多くのお客様にご利用いただいてる場合、都度お客様をお呼びして毎週スプリントレビューを実施するというのはあまり現実的ではありません。(新機能の仕様検討の段階では徹底的にお客様にヒアリングを行い最適な設計を考えます)
そこで、お客様と日々直接向き合っているセールス・カスタマーサクセスや関連プロダクトの開発をしているメンバーを交えてスプリントレビューを実施することで生きた感想やフィードバックを得ることができるというメリットがあります。
それだけではありません。事業部全体で実施することで、開発者以外のメンバーにも新機能がデモを通じていち早く伝えることが可能になります。本来のスプリントレビューの要素に、新機能紹介の要素がアドオンされる感じです。
不明点があれば質問もチャット欄にバシバシ書かれ、それに対する回答も即座に行われるので組織全体のプロダクトへの理解が深まります。
タスクではなく機能やアウトカムベースで発表
従来のスプリントレビューはプロジェクトバックログの中のタスクに紐付けてデモをすることが想定されますが、LayerXのスプリントレビューは新機能紹介の要素がアドオンされているため、発表は機能・アウトカムベースで行います。
機能の紹介だけでなく、なぜその機能が必要なのか、どういうお客様でニーズがあったかなど開発の背景となる情報も一緒にシェアすることでよりその機能への理解が深まります。
開発者自身が機能をデモ
LayerXではフロントエンドとバックエンドで開発を分担するということはほとんどなく、機能単位で担当を持つことが多いです。なので、開発者自身が機能をまるっとデモします。エンジニア以外のメンバーからは、誰がどの機能を開発したかわかるので、開発者への理解とリスペクトが高まります。
開発者もレビュー会までに実装をやり切るというモチベーションが生まれ、生産性が上がりますし、いろんな角度から感想やフィードバックをもらえる貴重な機会となります。
また、セールスメンバーが参加しているため、「この機能があれば〇〇様のとこにもう一回アプローチできる!」みたいな熱い感謝がもらえるのも、エンジニア目線だと従来のスプリントレビューでは味わえない胸熱な瞬間になります。
時間の都合上開発者ではなく、PMがスイスイ機能を紹介していくこともあります。このあたりは適宜調整します。
"Wow"や"感動体験"を社内で分かち合う
基本的にオンラインで実施しますので感想やフィードバックをチャット欄に書きます。オフラインだとどんなにすごい機能でも、「お〜」くらいの歓声しか上がらなそうですが、チャット欄があれば瞬間的にいろんな感想が飛び交います。
毎週何らかの大きなアップデートがあるため、コメント欄は大いに沸き、コメントが流れるのが早すぎて某ニコニコ動画みたいな状態に毎週なってます。
個人的にはこの熱狂的とも言える盛り上がりが一番大事だと思っています。お客様に"Wow"や"感動体験"を届けるにはまず、それを届ける側の自分達がそれを実感している必要があります。
この盛り上がりを産むためにも、テキストベースのレポートではなく、必ず動くプロダクトを見せるというのも重要です。LayerXでは動くものこそ正義とされ、デモ駆動開発なんて呼んだりしてます。
アプリケーションだけでなく、あらゆる「プロダクト」を紹介
エンジニアが開発したアプリケーションだけでなく、デザイナーの成果物や、はたまた営業やオンボーディング用のコンテンツ・社内の業務効率化なども「プロダクト」として位置付けられ、成果を共有しています。
気をつけるポイント
タイムマネジメントと録画
全体で実施するメリットは紹介しましたがデメリットもあります。まず、参加人数が多ければ多いほど、そのリソースを割いていることになります。100人が30分のミーティングに参加すれば50時間分の稼働に相当します。タイムマネジメントは厳格に行います。
また、全員のスケジュールを合わせるのはほぼ不可能です。録画して、都合が合わず参加できなかった方も後から見れるようにしておきます。
内容の精査
時間に制約があるので、伝えたい情報の優先度づけをして、時間に収まらないものは削ります。
専門性が極めて高い領域の開発を行うチームは全員に向けて成果物をわかりやすく共有するのは困難なので、それらは各々のチームでスプリントレビューを別途実施もしています。
まとめ
LayerXのスプリントレビューは、従来のスプリントレビューの役割に加え、事業部全体で実施することで新しい「プロダクト」の紹介の場としても位置づけられ、さらに、"Wow"、 "感動体験"を社内で分かち合う場となっています。
お客様に"Wow"や"感動体験"に届けるためには、ヒアリングを重ね徹底的に考え抜かれた最高の仕様だけでは不十分です。
実装をやり切る力、機能を必要としているお客様に正しく伝えるためのプロダクト理解、そしてプロダクトの持つ"Wow"や"感動体験"を十分に実感していることも不可欠です。
レビュー会はこのようにして、お客様に"Wow"や"感動体験"に届ける上で重要な役割を果たしていると思います。
おわりに
LayerXではお客様に"Wow"や"感動体験"を届けるために日々「プロダクト」を磨き込んでおります。
LayerXに少しでも興味がありましたら、ぜひカジュアルにお話ししましょう!
1dayだけのトライアル入社も実施しておりますのでお気軽にご連絡ください!レビュー会で一緒に感動体験を分かち合いましょう!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?