見出し画像

デイサービスの人員基準をわかりやすく解説します

今回は、"人員基準"についてです。
 
では早速いきましょう。

人員基準

デイサービスには、管理者・生活相談員・機能訓練指導員・看護職員・介護職員が必要です。
 
介護職員については、利用者数により配置する人数が変わります。
 
介護職員の人員配置についてはこちらのNOTEを参考にしてください。
 
それ以外の職種は基本的には1 人置くことで基準を満たすことができます。
 
しかし、

  • 兼務ができるか

  • サービス提供時間中にずっといる必要があるのか

  • 常勤でなければいけないのか

などは職種によって基準が異なります。
 
具体的にはこんな配置です。

事業所ごと

  • 管理者1人 同一敷地内なら兼務OK !

  • 生活相談員 1人

  • 機能訓練指導員 1人 1日中いる必要なし

 
単位ごと

  • 看護職員1人 バイタルチエック時だけにいればOKの場合もあり

  • 介護職員1人+α  常に1人は いないとダメ!利用者数によって必要な人数が変わる

ここで"単位"についてご説明します。

通所介護の「単位」とは:
通所介護の「単位」とは、 「一緒にサービスを行っている」ことです。
例えば "午前"と"午後"です。
午前から午後にかけて、同じ利用者が同じ時間帯に一緒にサービスを行っていれば1単位。
午前で利用者が帰り、午後はまた新しい利用者がきてサービスを実施するところは2単位ということになります。
「単位」は事業者の指定を受ける段階で届け出るものです。次のような場合は1単位として扱われません。

例①:午前と午後で分けて、異なる利用者に対して通所介護を提供するような場合
例②:1階と2階にフロアを分けて通所介護を提供するなど、同時に一定の距離を置いた2つの場所で行われ、サービスの提供が一体的に行われているとはいえな い場合

 

それでは順番に、具体的にお伝えしていきます。

1,看護師

サービス提供日ごとに、事業所でバイタルチェックなどの看護関係業務を行う時間帯に、看護職員1人の専従配置が必要です。
 
それ以外の時間帯は、次の3つのいずれかのように通所介護事業所と密接かつ適切に連携できる場合は専従しないとすることができます。

  1. 同じ事業所で機能訓練指導員等の兼務をしている

  2. 同じ事業者が運営する他の事業所に従事していて、連携ができている

  3. 病院、診療所、訪問看護ステーションの看護職員が、事業所の利用者の健康状態の確認を行う協定書等を結ぶなど、サービス提供時間帯を通じて連携ができている

基本的にはこのような感じですが、地域密着型通所介護で利用定員10人以下の場合は基準が緩和されます。
 
利用定員が10人以下の場合(地域密着型通所介護):
利用定員が10人以下の場合は、人員基準が緩和されます。
 
単位ごとに、看護職員又は介護職員を常時1人以上配置するだけでOkです。
 
この場合、通所介護の単位ごとに提供している時間帯において、下記の計算式を満たすように配置します。
 
専従の看護職員又は介護職員が勤務している時間数の合計÷提供単位時間数≧1
 
介護職員が配置されていれば、看護職員の配置はいりません。

2,生活相談員

事業所ごとに、下記の計算式を満たすように専従で配置します。

サービス提供日ごとに確保すべき勤務延時間≧サービスを提供している時間数

この時間だけ守れば、常時いなくてもOkです。
 
例えば生活相談員が2人いる場合、午前中に生活相談員2人配置にしておくと、午後からはいなくても差し支えありません。
 
サービス提供時間が7時間の場合は、生活相談員2人が3時間半ずつ午前中勤務していると、午後からは配置しなくても要件を満たしていることになります。
 
生活相談員の資格は、下記のいずれかを満たす必要があります。

①社会福祉主事の任用資格がある者

  • 大学等で社会福祉に関する科目を修めて卒業した

  • 都道府県知事が指定する養成機関又は講習会の課程の修了者(中央福祉学院が実施する施設長研修修了者等)

  • 社会福祉士

  • 厚生労働大臣の指定する社会福祉事業従事者試験に合格した者

  • 精神保健福祉士等

  • 上記と同等以上の能力がある者

社会福祉主事の任用資格がある者と同等以上の能力がある者

  • 介護福祉士

  • 介護支援専門員

  • 介護保険施設や通所系サービス事業所で2年以上の実務経験

※都道府県によって異なります。

3,機能訓練指導員

事業所ごとに機能訓練指導員を1人以上配置する必要があります。
 
機能訓練指導員の資格とは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師の資格をいます。
 
はり師及びきゅう師については、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で6ケ月以上機能訓練指導に従事した経験を有する者に限ります。

4,管理者

管理者は、常勤専従の者を1人配置します。
 
管理上支障がない場合は、次の職務に従事することができます。

  • 通所介護事業所の他の職務(通所介護の従事者として勤務)

  • 同じ敷地内にある他の事業所、施設等の職務(管理業務を行う)

 注意すべきなのは、離れている事業所との兼務はできません。
 
基本的に兼務する職務が事業所の管理業務と同時並行的に行うことができない場合は、 兼務不可となります。

人員基準編まとめ

人員基準編をまとめると下記のようになります。
 
これらのポイントを定期的に見直しましょう。
 
1,看護職員:

  • 単位ごとにバイタルチェック時など看護業務を行う時間に、看護師又は准看護師を専従で1人以上配置しているか

2,生活相談員:

  • 事業所ごとに、専従の生活相談員を次の計算式を満たすように配置されているか

  • 専従の看護職員又は介護職員が勤務している時間数の合計÷提供単位時間数≧1

  • 生活相談員の資格は適切か

3,機能訓練指導員:

  • 事業所ごとに機能訓練指導員を1人以上配置しているか

  • 機能訓練指導員の資格は適切か

4,管理者:

  • 事業所ごとに管理者を常勤専従で1人配置しているか

  • 兼務している場合は、管理上支障が'ない範囲か

おわりに

いかがだったでしょうか。
 
今回は、実地指導に備えるために、デイサービスの"計画書類の整備"をご紹介しました。
 
介護保険の基準は「知らなかった…」では済まされません。
 
虚偽・偽装は指定取消しにつながリます。
 
これを機に、もう一度確認してみてはいかがでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?