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訪問介護の接遇マニュアル【研修資料としても使える内容】

こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。

【訪問介護の接遇研修マニュアル】を記事にしました。

☑ 筆者(とも)

記事を書いている僕は、作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。

日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、介護職に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。

「接遇マニュアル」の整備や、「接遇研修」定期研修の実施は、利用者さんの生活に入っていく訪問介護において必須です。

介護職員一人ひとりの接遇の良し悪しが事業所全体の評価にも直結します。

この記事では、訪問介護職員に必要な接遇スキルの基本中の基本をお伝えしています。

ぜひ、参考にしてみてください。


4600文字程度のボリュームとなっています。

では早速、見ていきましょう。

身だしなみ

なんといってもまずは「身だしなみ」です。

特に訪問介護事業所は、私服で訪問介護を行っている所も多く見受けられます。

服装・身だしなみを整えることには、2つの意味があります。

服装と身だしなみを整える意味

① あなたを知らない人は、服装と身だしなみよって第一印象を決めます。② あなた自身を引き締めます。

初対面の場合、あなたの身だしなみで相手は接し方を変えてきます。

だらしない人、接しやすそうな人、賢そうな人など、その人の服装・身だしなみが語っているからです。

そして相手に先入観が入ってしまうと、その後の関係性に大きく影響が及びます。

また、身だしなみを整えることは、自分自身を引き締めます。

だらしない恰好をしていると気分までだらしなくなります。

逆に「仕事は身だしなみを整えるもの」という意識で業務に入ると、気分も引き締まり、動作もキビキビし、仕事がスムーズにこなせるようになります。

つまり、服装・身だしなみがその人の考え方、行動を変えてしまいます。

【介護現場の身だしなみ6箇条】

① 清潔感
② 安全
③ 他人に不快感を与えない
④ 控えめ
⑤ 上品
⑥ 合理的で動きやすい

これらを意識し、身だしなみを確認します。

介護の仕事では、「オシャレ」はあまり必要ありません。

オシャレを意識したようなアクセサリーは、利用者さんの安全性を考えると外した方がよいです。

「どの程度のアクセサリーならよいのか」は事業所によって異なりますので、上司に確認する必要があります。

それでは、部位ごとの身だしなみや服装について記載していきます。

  • 明るすぎない色(黒や茶の自然な髪色)

  • 前髪は眉毛にかからない程度の長さ

  • フケや抜け毛、 寝ぐせに注意し、 清潔を保つ

  • 長い髪はまとめて束ねる

  • 髪留めや髪を結ぶゴムなどはシンプルなものを使う

ひげ

  • ひげはきれいに剃る

  • ひげは残す場合は整えて、清潔感を残す

化粧

  • 化粧はナチュラルメイクで、派手すぎない

  • 口紅、チーク、アイシャドウなどは濃い色を避ける

顔周り

  • 眉毛は自然な形にする

  • 鼻毛は処理する

  • コンタクトレンズは無色透明なタイプを使用する

  • つけまつげ、まつげエクステは華美なものをつけない

アクセサリー

  • イヤリング、ブレスレット、ネックレス類をつけない

  • 結婚指輪以外の指輪を着けない

  • ピアスは極力小さくシンプルなもの

  • 腕時計は鉄の物は避ける(つけないほうが良い、介助中は外す)

  • やすりで爪先を滑らかにする

  • ネイルアートやつけ爪をしない(足は良い)

  • 爪は短く切りそろえ、汚れなく清潔に保つ

  • 靴のかかとを踏まない

  • 汚れや穴あきなど、清潔感のない靴は履かない

  • 滑りにくい、清潔な靴を履く(スニーカー等)

  • スリッパは不可

香水や柔軟剤

  • 香水はついけない

  • 柔軟剤はにおいの濃すぎるものは避ける

服装(上)

  • 首・袖周りの汚れに注意

  • 袖をまくり上げたままにしない

  • ボタンをきちんと留める

  • 下着が透けないように注意する

  • 汚れやほつれ、しわのない清潔なものを着用

  • 服を崩してきていない

服装(下)

  • 汚れやほつれ、しわのない清潔なものを着用

  • 裾をまくり上げたままにしない

  • 入浴介助以外で、短パンなど肌が露出する服の着用はNG

  • ポケットに入れるものは最小限に

  • 下着が見えないように注意する

  • 穴が開いていたり、汚れている靴下は履かない

その他

  • 汗をかいたら、こまめに吹く

  • ポケットに入れるものは最小現に(介助の邪魔になったり、危険がないかチェック)

  • 入浴、歯磨きを欠かさず、体臭に配慮する

  • タバコを吸吸う場合、衣服ににおいが付かないように意識する

コミュニケーションスキル

介護職員にとってコミュニケーションスキルは重要です。

コミュニケーションスキルによってサービスの質の向上や、利用者満足度の向上にもつながります。

コミュニケーションスキルは次の4つに分けることができます。

4つのコミュニケーションスキル

① 敬意をもって話す
② 話すときの立ち位置
③ 相手に合わせた声の大きさ
④ 聞き上手になる

それぞれ具体的に解説します。

① 敬意をもって話す

話をするときは利用者さんへの敬意を忘れてはいけません。

丁寧な言葉遣いを心がけましょう。

信頼関係ができてくると崩したコミュニケーションをとる場合もあります。

ただし「親しき中にも礼儀あり」です。

行き過ぎたコミュニケーションは慎みましょう。

タメ口、子ども扱い、ニックネー厶で呼ぶなどの行為絶対にしてはいけません。

もし利用者さん自身がよくても、それを聞いているご家族の方が不快に思います。

常に敬意を払い、丁寧な言葉で話しましょう。

【例】

食事介助の場面
×「ゆっくり食べてよ」
〇「ゆっくり召し上がってください」

浴槽に入る場面
×「熱い?」
〇「お湯加減はいかがですか?」

排便確認
×「ウンチ出た?」
〇「今日、お通じはありましたか?」

トイレを促す場面で
×「帰る前にトイレに行っとこうよ」
〇「もうすぐお帰りの時間ですが、お手洗いは済まされましたか?」

② 話すときの立ち位置

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