人を投げる、人生を生きる
それは稽古の帰り道、
一人歩く夜道を誰かが背後から近づいていた。
いつもわかるのである。
そんな時は振り向いてはいけない。
そして、足元に目を向ければ黒い影が落ちていた。
今の若い稽古生たちに言っても自分の七、八の力を出すという事が難しいようである。
まずは自分の十の力を知らなければならない。
相手を投げるために十の力は使わない。
十ある力の七や八を使って人を投げるのだが、まずは自分の十の力を知らなければならないのである。
要は余力を残しておきたいのである。
そして、力は腕