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Windows パソコンの最低スペックは?

文部科学省のサイト内に、以下のようなページが存在していて、各種の文書が掲載されています。

来年度から本格化する「GIGA第1期」に導入されたパソコンの更新を、「GIGA第2期」どのように行うのかがまとめられているものです。
ページのタイトルにあるように、いわゆる「基金」によって補助が行われる義務教育段階の学校の端末が対象になりますが、高等学校で導入される端末にもこれらの文書の内容が影響されてくるもの、と思います。

特に、以下の文書で規定されている最低スペックが興味深い。


文部科学省の想定する端末の最低スペック

「GIGA第1期」と同様に、3OS についてそれぞれのスペックが記載されています。

参考:「GIGA第1期」の最低スペック

ちなみに、「GIGA第1期」の最低スペックは、以下のような感じでした。4年前の時点では、最低スペックとは表現されておらず、「標準仕様」と称されていました。

Microsoft Windows端末

OS と CPU が変更になっているのは経年によるものとして、メインメモリについて、以下のような注釈が付されているものの、4GB → 8GB に変更になっています。

2 「2.3.ストレージ及びメモリ」(p.5)に記載のとおり、想定される活用場面において、十分な空きが必要である点に留意すること。
3  脚注2に同じ。
4  活用実態に応じ、メモリの選択と合わせて適切なスペックのCPUやストレージを選択すること。

GIGAスクール構想の実現 学習者用コンピュータ最低スペック基準(令和6年1月30日) - p.4

以下のような補足があるとはいえ、

※ブラウザ上での活用(Microsoft 365 Web版等)が前提かつ活用実態上支障が無い と判断した場合には4GBのメモリも許容する。

GIGAスクール構想の実現 学習者用コンピュータ最低スペック基準(令和6年1月30日) - p.4

これは言い換えるなら、「ブラウザ以外の用途で利用するのであれば、メインメモリは 4GB では不適切」という感じ。「Windows 11 の仕様とシステム要件 | Microsoft」によれば、Windows 11 のシステム要件としては 4GB ではあるものの、文部科学省としては実質の推奨スペックとして 8GB を指定したという感じなのでしょう。

Microsoft Windows端末の最低スペック(一部)
Microsoft Windows端末の「GIGA第1期」の標準仕様(一部)

Google Chromebook

CPU が Windows と同様に変更になっているくらいで、あまり変化がありません。

Google Chromebook の最低スペック(一部)
Google Chromebook の「GIGA第1期」の標準仕様(一部)

iPad

iPad の最低ストレージが変更になっていることもあって、ストレージ容量が 32GB → 64GB となっています。

「外部接続端子」の説明として

Lightningコネクタ又はUSB2.0以上の規格であってUSB Type-C PD(Power Delivery)に対応したポートを1つ以上有していること

GIGAスクール構想の実現 学習者用コンピュータ最低スペック基準(令和6年1月30日) - p.6

と書かれているのは、ちょっと気になる。現時点では併売されている iPad 第9世代を許容するのかしないのか、微妙な感じ。

iPad の最低スペック(一部)
iPad の「GIGA第1期」の標準仕様(一部)

この最低スペックから思うこと?

昨秋、Microsoft が ↓ のようなニュースリリースを出しています。

いろいろ書いてあるものの、↓ の「GIGA Basic パソコン」「GIGA Advanced パソコン」の二種類を定義付けたことが案内されています。

「GIGA Basic パソコン」「GIGA Advanced パソコン」の二種類を定義
※上記 URL の一部をスクリーンショットしたもの

この辺りは、各種のニュースサイトでも扱われ、↓ のように記事にされています。

Microsoft は ↑ の記事では、以下のように説明されているように、

 GIGA Basic パソコンは、メモリが4GB/ストレージが64GBと、現行のGIGAスクール構想における最小要件を満たす構成になる。常にインターネットに接続して、クラウドサービスを使って学習を進めていく学校であれば、これで必要十分であるという判断だ。

「GIGA Basic パソコン」と「GIGA Advanced パソコン」って何? 日本マイクロソフトが描く“アフターGIGA”への取り組み(2/2 ページ) - ITmedia PC USER

と「GIGA Basic パソコン」をブランディングしたにもかかわらず、文部科学省はこの仕様のパソコンを仕様からは除外したのです。何だかキナ臭いですね…

わたし自身が一昨年 7月の時点でパソコンを購入するときでも、メインメモリは 8GB ではなく 16GB にしました。わたしが購入するパソコンと、最低スペックと称されるスペックは違うのかもしれませんが、現状の Windows パソコンで 4GB というのは、スムーズに動作するとは言い難いスペックだと思います。

そんな低スペックのパソコンを使っていたら、苦行みたいなもので、パソコンを使いたいと思わなくなってしまうような気がします。😖

文部科学省の注意書きを覆してまで、4GB な Windows パソコンを導入する学校や自治体は多くないと思います。そうなると、必然的に前回(GIGA第1期)よりも高価な端末になってしまうわけで、Windows パソコンを使っていたところは、更新を機に Windows をやめてしまうところもあるように思います…

さて、どうなるか? 来年度の下期には状況が見えてくるでしょう… 

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