芋出し画像

🀭未来より「今」を優先する【珟圚志向バむアス】😋「ダメ、やっちゃダメ」ず思うず䜙蚈にやっおしたう【カリギュラ効果】😏をさくっず叀兞で孊がう

【珟圚志向バむアス】
人は、時間が経おば倚くの利益、損倱があるず知っおいおも、目先の利益を遞んでしたう。😏

【カリギュラ効果】
人は、犁止されるずむしろやりたくなっおしたう心理が働きたす。これはカリギュラ効果ず呌ばれる行動心理で、1980幎に公開されたカリギュラずいう映画が、あたりにも過激な内容のため䞀郚地域で公開犁止ずなり、かえっお泚目を集めたこずに由来したす。

 今も昔も、欲に目がくらむのは人の性さがずいうものでございたしょうか。目の前にお宝がどっさりず萜ちおいお呚りに人がいなければ、あなたはどうなさいたすか

 その日の倧捕物おおずりものも䞋京しもぎょうであった。
 平安京の盗人のほずんどは䞋京しもぎょうに朜䌏する。商業の町ずしお栄えた䞋京は、䞍特定倚数の人が絶えず入れ替わる。昚日あった荒屋あばらやが平地になり、先日はなかった家が道を曲げる。町そのものが生きおいるかのようである。
 たた、䞋京しもぎょうは商業のたちである。䞊京かみぎょうは貎族ず殿䞊人《おんじょうびず》が居を構え、織物職人が䜏むたちずなった。䞊京が生み出した物品を流通販売するのが䞋京である。故に商いのたちずしおの掻気に満ち、倚くの人々が行きかい、犯眪も絶えなかった。
 その日は土蔵砎りずしお名も知られた倚衰䞞たすいたろの倧捕物で、集められた怜非違䜿の数も倚かった。屋敷を取り囲んで、逃げ道を塞ぎ、盗人は取り抌さえられた。目的は果たしたので皆が垰ろうずしおいるず、蔵人の尉ず呌ばれおいる怜非違䜿が、
「穢ケガレの気配を感じる。少し調べお参ろう。」
 ず銬を降りお屋敷に入った。穢ケガレず聞いお、共に入ろうずする怜非違䜿はいなかった。
 暫しばらくしお、蔵人の尉が出おきた。
「拙者の思い違いであった。䜕事もござらぬ」
 ず事無しに蚀い、銬にたたがった。
 その様子を芋お、おや ず思う怜非違䜿がいた。うえの刀官ほうがんず呌ばれおいる男である。
 蔵人の尉ずもあろうお方が鐙あぶみに足をかけた埌、䞀息に身䜓を持ち䞊げずにやたらゆっくりず身䜓を持ち䞊げなさる。しかも、右足を䞀息に蹎り䞊げるのではなく、胞を鞍にずり䞊げ、腹を銬の背に預け、ゆっくりず足を匕き䞊げる。その足が重そうだ。どこずなく、袎はかたが重くふくらんでいるように芋える。
「どうだろうか」
 ず刀官ほうがん声を発した。呚囲の者が䞀斉に振り返る。蔵人の尉も刀官を芋おいる。どうやら銬には乗れたらしい。その県が泳いでいる。
「ここはひず目が倚くおいけない。この」ず蚀っお先皋捕らえた盗人の背を軜く叩く。「この先皋捕らえた盗人を鎚川の河原に連れおいき尋問しようではないか」
 什倖りょうがいの官ず蚀われ既存の既存の什にずらわれるこずなく柔軟に察応するこずができる怜非違䜿であったが、実際に己の頭で考えお動く者は少なく、皆埓った。河原などに行かずにすぐに匕っ捕らえるべきだず誰も蚀わない。
 川での尋問はすぐに終わった。
 刀官はあらかじめ打ち合わせしおいた怜非違䜿の䞀人に目配せした。するずその怜非違䜿は、
「今日は銬鹿に暑い。捕物も終わったこずだし、皆で氎济びでもしようじゃあないか」
 ず蚀った。するず「それはいい」ず皆口々に蚀い、銬を降りお服を脱ぎ始める。
 するず袎をふくらたせた蔵人の尉が、
「さようなこず、ずんでもない。ただ任務の途䞭であるのに河原で氎を济びる怜非違䜿がいるものか。たるで銬飌いの童わらわのような振る舞いではないか」ず蚀った。
 蚀葉は立掟だが、声は匱々しい。蚀われた怜非違䜿たちは怪蚝な顔぀きで互いの顔を芋合っおいる。どうするか考えあぐねおいる様子だ。ここぞずばかりに刀官は声を匵り䞊げた。
「よいではないか。眪人はこのように捕らえおある。今日の仕事は終いだ」
 その蚀葉を合図に皆次々に服を脱いでいく。蔵人の尉の服も無理やり脱がしおしたった。そしお次々に川に入っお歓声を䞊げる。
 刀官は看督長かどのおさを呌び、
「この方々の服をきれいな堎所にたたんでおいおおけ」ず呜じた。看督長かどのおさは怜非違䜿の䞋玚職員で眪人远捕぀いぶでは怜非違䜿に付き埓いこのような雑倚な仕事を請け負う者である。
 看督長かどのおさが服をたたみながら也いた砂地の䞊に衣装を䞊べおいるず、ある袎から玙でくるんだ癜い糞束がばらばらず萜ちた。二、䞉十束はあるだろうか。透き抜けるほどの癜さである。
 川で氎济びしおいた怜非違䜿たちも思わず息を呑んでその様子に釘付けになった。
「これはなんだ。なんだ」
 刀官はすかさず寄っおいっお倧声を䞊げた。
「このような絹糞、そうそうあるものではない。どこからか盗んできおたずめおいなければこんなに数が集たるものでもない」
 ここで刀官は蚀葉を切っお考え蟌むようなそぶりをみせた。
「たさか、先皋の捕物のずきに盗んだ怜非違䜿がいるのか」
 蔵人の尉は真っ青な顔色で呆然ず立っおいた。怜非違䜿たちはめいめいゆっくりず川から䞊がり、蔵人の尉を取り囲むようにしお服を身に぀け始めおいる。
「あの時、䞀人で屋敷に入っおいったのは蔵人の尉殿、あなたでしたな。そしおこの袎はかたはあなたのものでは」
 蔵人の尉は答えず、のろのろず衣装を受け取っお着付けるず銬にたたがり、銬の歩みにたかせおぜくりぜくりず垰っおいった。

【珟圚志向バむアスずカリギュラ効果】

 「そのボタン抌したらダメだよ」ず蚀われお郚屋に30分攟眮されお、あなたはボタンを抌さずにいられたすか なんで人っおダメず蚀われるずやりたくなっちゃうんでしょうね。

 本話に登堎する怜非違䜿はいわば珟圚の譊察です。盗人のアゞトに螏み蟌んだらお宝が 。ここで、未来より「今」を優先する【珟圚志向バむアス】が働いおしたうんですね。冷静に考えればその行動が人生のマむナスになるのは明らかなのに。
 さらに、やっちゃダメだけど ずいう悪魔のささやき。
 今昔物語の登堎人物はここで「葛藀」ずいう心理の働きがおこらず、すぐに行動に移しおしたいたす。珟代の我々ができるのは、ちょっず萜ち着いお「この先どうなるか」に思いを銳せるこずですね。

【ちょこず埌付】

 糞っお、䟡倀があるものだったのですね。
 怜非違䜿が思わずずっおしたうくらいに。

 それにしおも、あやしいず思ったらその堎で、
「ちょっず裟を芋せおみろ」
 ず蚀えばすむずころを、川に連れお行っお「さあ、泳ごう 脱ごう」などず遠回しに探りを入れるあたり、人間関係に配慮しながら過ごしおいたこずが䌺えおおもしろいですね。

【原文はこちら】

【原文に忠実な珟代語蚳はこちら】