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2023年観劇まとめ

先日のアヴちゃん聖誕祭の興奮が抜けきっていませんが、2023年すべての観劇が終わりましたので、まとめたいと思います。

【観劇記録】
観劇回数 計44回(昨年比+14回)
ミュージカル 11作品11回
演劇 7作品7回
歌舞伎 22回(1公演1回カウント)
ライブ 4回

コロナが落ち着いたこともあり、ミュージカルと歌舞伎が昨年のほぼ倍に。ただチケット代が高騰したことで、コロナ前までは行きませんでした。

【2023年総合ベスト】
作品:新作歌舞伎「刀剣乱舞 月刀剣縁桐」
演出:ミュージカル「ラグタイム」
俳優:上白石萌音(ミュージカル「ジェーン・エア」)

2023年「心から楽しんだ!」と言える作品は、とうらぶ歌舞伎でした。

「これは歌舞伎か否か」という議論は一旦置いておき、シンプルに1つの舞台作品としてとても面白かった!原作の世界観を尊重しながら、義太夫や本水、舞踊などの古典歌舞伎の手法をストーリーに即して効果的に使われていたことも良かった。新作歌舞伎が乱立し、「盛り上がるから宙乗り/本水」と感じさせるものもある中、花形役者が中心の座組で、新作歌舞伎の面白さを改めて感じさせる舞台でした。

演出はミュージカル「ラグタイム」の藤田俊太郎さん。

日本人には馴染みが薄い、人種問題を視覚的に表現。物語の肝を押さえて、個々のシーンで見せたいキャラを美しく魅せていたと感じました。

ミュージカル「ジェーン・エア」で主役を務めた上白石萌音さんは、凛とした佇まいが印象的でした。また演技と歌がシームレスで、最初から最後までジェーンが取る選択を固唾を飲んで見守ってしまいました。


【各ジャンルのベスト】
ミュージカルは今年も様々な新作が上演されました。今年は特に子役が活躍する新作が多く、個人的には「スクール・オブ・ロック」のラストで子役たちが見せた爆発的なエネルギーにはパワーをもらいました。
舞台を彩る衣装・美術の観点では、「チャーリーとチョコレート工場」での増田セバスチャンさんによるポップでキュートな世界観が印象に残ってます。日本のミュージカルではなかなか見ないテイストで、可愛かったです。
最後に「バンズ・ヴィジット」で、驚きの歌のうまさを見せたこがけんさん、またどこかの舞台で観たい。(スウィーニーはちょっと苦手…)

ストレートプレイ・その他の演劇では、「エンジェルス・イン・アメリカ」「木ノ下歌舞伎」「ある馬の物語」と、観客の想像力をガンガン刺激してくる作品が多かったです。特に「エンジェルス・イン・アメリカ」は大長編ながら、オーディションで選ばれた役者のレベルが高く、最後まで観入ってしまいました。

今年の歌舞伎は、レベルの高い新作歌舞伎が多く生み出されました。総合ベストの「刀剣乱舞」のみならず、観客の郷愁を誘った「ファイナルファンタジーX」、古典演出をふんだんに取り入れた「流白浪燦星」と、2次元の歌舞伎化が目立ち、歌舞伎の懐の深さを感じさせました。またこれらの先駆けの一端でもある「超歌舞伎」がついに歌舞伎座に登場。屈指のアバンギャルドだった超歌舞伎が、多くの人に愛され、大きな熱狂を生み出したことに感慨を覚えました。
それと同時に新作歌舞伎のベースとなる、古典歌舞伎の力強さを多くの舞台で体感しました。花形役者の渾身を魅せた「白浪五人男」「三人吉三」、にざたまのむせ返るような色香に酔った「源氏店」、堂々たるパワーと残していく者たちへの愛情に震えた、小倉での「碇知盛」…。国立劇場の最後を飾った「妹背山婦女庭訓」では、川を隔てて久我之助と雛鳥の行く末を同時に見せる演出を初めて鑑賞。「観客だけが両家の状況をリアルタイムで把握している」という残酷な見せ方に対して、本作の演出を作った人を恨みたくなると同時に、春に舞い散る桜と重ね合わせた美しさに見惚れてしまいました。
最後に、今年はとくに多くのお弟子さんが役付きで注目されました。今度の松竹座の公演のように、各作品を支えるお弟子さんの役をもっと公開してくれると嬉しいです。

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