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心に残る言葉 #1

同じ言葉をかけられても
ス〜ッと耳から抜けてしまう人と
心に残る人がいます。
違いは何かと言えば、それまでの関わり具合と
”人と成り”が尊敬に値するか否か、
好意的に見ているか、
いつも何かもやっとしてしまうか...etc...
そんなところにあるんじゃないかと思います。

息子が小2の春のこと。
アニメの『サムライ7』をみて
「キュウゾウかっこいい」と絶賛していた息子に
「剣道やってみる?」と声をかけました。
すると、2つ返事で「やる!」「行く!」と。
   
ちょうど市の少年剣道教室(無料)のお知らせを
見つけたので、早速見学に行きました。
当時は、結構な人数が参加している剣道教室で、
しかも中学生になったOBも一緒に参加していて
その子たちが県大会に出場する実力者だったので、
初めて聞く竹刀が面に当たる音、踏み込んだ足音、
腹の底から出る大きな声を聞いた息子は、
”かっこいい” と ”怖い” の狭間で
すっかり怖気付いて
「帰ってから通うかどうか決める」って囁いたから
これは...無理かな...と思いました。
   
本人がやりたくない習い事はさせないと決めてたので、
後でじっくり話を聞いてみようと思っていたら、
練習終わりに、先生が息子を近くに呼び、
カバンから手ぬぐいを出して
「これをお兄ちゃん達みたいに頭につけてやろう!」
とプレゼントしてくださいました。
頭をなでながら
「来週から一緒に剣道やろうな」と言われて
思い切り笑顔でウンとうなづく息子。
え?(^^;;
           
”見に来ただけ” から ”来週から剣道やります”に
スイッチが入った瞬間でした(^^)

     

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この時の先生のオン年はなんと80オーバー。 
先生の声かけはいつも息子の耳と心にしっかり届きます。

(稽古が始まる前、休憩時間、帰り支度の時は穏やかに...)
休まないで来るんだよ。
道場に入る時・出る時はきちんとおじぎをするんだよ。
毎週通えるのは、お母さんお父さんが送ってくれるからだよ。
【継続・礼儀・感謝】
   
(稽古中は厳しく)  
腹から声を出せっ!!
"始めっ"と言われたらすぐに打てる状態にするんだ!!
のんびり「さぁ〜どうしようかなぁ〜」なんて考えてちゃダメだ!!
本気でやれっ!!
気をぬくなっ!!
間合いが大事!!
【本気・気合い・間合い・真剣・肝・強気・度胸】

礼節の教え、心、技
先生から掛けてもらった言葉の数々は、
息子の心の届き、今も根っこにあるはず。
(付き添っていた親にとっても宝物の言葉です)
  
基本をしっかり身につけておけば
卑怯な手なんて使わなくても勝てるんだ

そう教えてくれた先生は、90歳手前で
素早く歩くこともままならないにも関わらず、
相対すれば、「打つ場所がない(息子談)」と
言うほどの隙のなさでした。
      
いただいた手ぬぐいは、
もうボロボロになってしまったけれど、
先生との思い出とともに、
今も引き出しの中に大事にしまってあります。

 
   

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