家と家のつながりとバランス
「ちょっとお訪ねしたいのですが」
と、年配のお客様。
結婚式に着る着物についてのご相談でした。
要約すると
・孫が結婚式
・相手のお母さんは黒留袖を着る
・娘は黒留袖を持っていないので訪問着でもいいか
着物=礼装...って思っている人もいるけれど、
まだまだ格を重んじている人の方が大多数なので、
式と名の付く場所に着て行く時は、恥をかかない
着物選びが大切です。
黒留袖は、既婚女性の第一礼装。
家紋が付いている一番格が高い着物。
対して、
訪問着は、礼装だけれど紋が付いていない分、
格が下がります。
新郎新婦の横に、両家のご両親が立ったとき、
かたや黒留袖の母、かたや訪問着の母...では
バランスが取れないと思います。
やはりそこは家vs家、格vs格を平等に、今後も
どちらかの言いなりにならないよう、仲良く
やって行けるように、両家とも黒留袖で揃えた方が
いいとアドバイスしました。
結婚も昔ほど家と家のつながりを重視していなくて
若い二人であれこれ決めて、式もあっさりと
カジュアルに済ませることも増えているけれど、
やっぱりこの先ずっと『両家』に関わっていくこと
なので、たかが着物されど着物です。
嫁に出す側、迎える側、婿を取る側、出す側、
それぞれ事情は異なるけれど、どちらかが優位に
立つというよりは、両家で
『仲良く二人を見守って行きましょう』
という関係がいいですよね。