短い歌の話

くゆる煙が朱色に染まる / 28:00のコンビニの前

電柱から飛び立つ鳩 / 振り向く僕とそこにいる不在

粘性を帯びた空気の底にいる / 深夜3時のネカフェの死体

散らばめられた安定剤 / 糖衣の優しさだけが悲しい

君の腕の五線譜でつくるうた / 血は流される / 誰の心に

真綿なんかじゃなかったね / ささくれだった麻紐の痕

もうすでに壊れてるから壊れない / 僕を壊した君を壊した

雨だから / 雨だから / 雨 / 雨だから / 雨

この行は空白だからあけといて /   

痛いのは一瞬だから我慢して / 多分もうあと36年

赤い風船 / 白い首筋 / 僕から遠く離れて欲しい

やまないで / 頭を垂れる / もう一度 / その枕木に明日がはりつく

またいつか会えたらいいね / 13月のあの夏の日に

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