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タンザニアの廃墟に隠れた世界遺産

タンザニアのほりともです。

アフリカの観光地と言えば、動物の王国「サファリ」のツアーが最初に思い浮かぶのではないでしょうか。

実はタンザニアには「遺跡」もあるのです。先日、さっそく行ってみました。

『世界遺産の遺跡』という立派な肩書きからはちょっとかけ離れた雰囲気のアフリカの遺跡、ぜひ一緒に体験してみてください。

キルワ遺跡って?

キルワ遺跡は、タンザニア南部に浮かぶ島にポツンと残っているイスラム教徒の遺跡で、かつて交易の拠点として栄えた場所。

イギリスの詩人ジョン・ミルトンの『失楽園』にも、実はこの島が登場しています。

ここに、12世紀に建てられた大モスクやクブワ宮殿などが残されているんです。

小舟でいざ!

小さな船で遺跡のある島へ移動

キルワの町から車で10分ほど行ったところにある小さな港から、地元の人たちが使う小型舟に乗って旅は始まります。

世界遺産の見学と勇んで出かけましたが、ガイドさんについて集まったツアー客は私たち家族だけ。

ボートに10分ほど揺られると、キルア島が見えてきます。

島に上陸すると、草がぼうぼうに生えたエリアが見えます。地元の人たちがあちこち歩いており、遺跡見学というよりも、村を訪れたという感覚。

ガイドさんについて5分ほど歩くと、立派なドアの大きな要塞が見えました。ここは、奴隷貿易の最盛期だった12世紀~15世紀頃、奴隷の一時保管所としても使用されていたそうで、とても小さな部屋に奴隷が100人ほどつめこまれていたとのこと。

奴隷が保管されていたこともある要塞

その後は、遺跡で一番のメインどころのモスク。とてもきれいで、その荘厳さに圧倒されます。一方で、天井や壁の崩壊も進んでいるそうで、補修工事などが必要だとの説明があります。

華麗な姿を彷彿とさせるモスク遺跡

次に訪れた宮殿では、今は壁しか残っていない2階の部屋に通じていた階段の一部が残っており、当時の様子を彷彿とさせる。


スルタンが住んでいた宮殿

いわゆる「王」であるスルタンの使用するトイレは秘密の場所にあったそうで、「トイレに行かないスルタン」を宮殿の使用人たちは「神様」のように恐れていたという興味深いエピソードもあった。

住民と共生している豪華な遺跡

印象的なことは、世界遺産であるのに、観光客は私たちだけ。観光地によくあるレストランやお土産屋さんなど皆無。その代わり、この漁村の住民が遺跡と共生している風景がとても印象的でした。

観光客もこの泥沼をハダシで歩いて舟に乗る

遺跡を巡って歩いていると、イスラムの学校で子供たちが授業を受けていたり、3人の先生が200人の学生を教えているという小学校を通ったり、釣り用の網を塗っている漁師たちが作業をしていたり、子供がにわとりをおいかけまわしている風景が広がります。

舟を待つ地元の人たち。漁村らしく釣り網を織っている人も

また、ボートの乗り降り時には、地元の人たちと同じように靴を脱いで、ぬかるんだ泥のエリアを足を泥だらけにして歩き、すべらないようにしながらボートに乗ります。そのため靴ではなく、サンダルで訪問するのをお勧めします。

まとめ

タンザニアの遺跡。私が今まで訪問した遺跡とは一味違ったものでした。廃墟にたたずむ遺跡自体はもちろんだが、何世紀も前の建物が、地元の住民と今も共生しており、過度に観光地化されていないところが、とても印象的でした。

10年後にまた訪れたら、レストランができて、お土産物屋さんができて、今とはまた違う景色になっているのかなと想像しました。

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