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正論はときに人を傷つける

こんにちは。
鷹取智子(たかとりともこ)です。


研修講師として企業向けにコミュニケーション研修などを提供、
調剤薬局にいた経験を活かし、医療機関での接遇コンサルティング
にも関わっています。
また、個人向けには「自分をごきげんにする心と身体の整えメソッド」講座
を実施しています。


あなたは自分の中での考えや答えを信じ、こだわるタイプですか?
それとも答えは1つではないと思い、柔軟な対応ができるタイプですか?


自分の軸がありこだわりを持っている。芯が通っていてかっこ良い感じがしますよね。


私もそう信じ、若い頃は自分の考えを持って主張していました。正義感もあったため、曲がっていることは大嫌いで許せませんでした。


学校では正解があったかもしれません。でもね、社会に出ると正解なんてないですよね。


CA時代、私がまだ20代の頃のこと。


仕事がよくできる後輩がいました。1つ後輩ですが、彼女の知識の多さや仕事に対するこだわりをリスペクトしていました。ですが、ある日事件は起きました。


ファーストクラスを担当した後輩は、一緒にサービスをしていたチーフパーサーと、サービスの方法について揉めたのです。


サービス内容についてのお互いの主張は、本当に大したことないものでした。ある食事のサービスの際、胡椒を一緒に提供するのか、あるいは七味唐辛子を一緒に提供するのかという内容です。


私からしたら、「両方提供し、お客さまがお好きな方を使われたら良いのでは?」と。


結局、チーフパーサーが責任者だと言うこともあり、上司の主張に合わせたサービスを実施することに。


ですが、後日談がありまして・・・


後輩は納得がいかなかったようで、サービスマニュアルを探し当てて、チーフパーサーにそれを見せて自分が正しいと主張したのです。


結果、チーフパーサーは彼女の主張を認めましたが、後輩のコミュニケーションスタイルに不満を感じ「鷹取さん、申し訳ないんだけどちょっと聞いてもらえるかな?」と後輩への気持ちをゆっくりと謙虚な話し方で、ポツリポツリと打ち明けました。


チーフパーサーは人間的にも尊敬でき、不平不満は言わないタイプですが、さすがにイヤな思いをしたそうです。そして残念な気持ちになったと。


「あ~、正論は時に人を傷つけるんだな。大したことないのであれば、柔軟に対応することも大事。それに伝え方を気をつけないと、信頼関係を一気に壊してしまうよね・・・」


私も気をつけようと、気持ちを引き締めるキッカケとなりました。


今は年齢的に経験を重ね、視野も広がり柔軟に発想したり、色々な考えや答えがあると思い、他者の意見もしっかりと耳を傾けます。


ですが、20代の私は自分の考えが正しい、と正論を振りかざすことがあったから。


物事を決めつけたり、白黒ハッキリしていて自分の正しさにこだわる人は周りと衝突しやすいですし、その人自身もイライラしてストレスが溜まりやすくなります。


何より仕事って何が正しくて正解!と主張し戦うものではなく、お互い尊重し合い歩み寄り合いながら、コミュニケーションを取っていく中で協力していくことですよね。


チームの共通の目標のために、力を合わせて一緒に歩んでいく。課題があれば一緒に考え、解決していく。


決して「何が正しい、誰が正しい」を決めるものではないのです。みんなそれは分かっているけど、視野が狭くなると自分が見えなくなる。だから自分を客観視することが求められます。


仕事に夢中になると、ついつい見えなくなることもあるので、常に気を引き締めていきたいと思います。





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