見出し画像

美術館は敷居が高い?

#01:アート/みうらじゅん マイ遺品展
イラストやエッセイなどマルチに活動するみうらじゅんさん。彼の一風変わったコレクションや作品を集めた展覧会を観て感じたことを、書き留めます。

開催場所は京都大山崎にある大山崎山荘美術館。(天下分け目の)天王山の麓に建つ別荘を仕立て直した趣のある美術館です。近くにはサントリー山崎蒸溜所があり、西国(山崎)街道の宿場町として栄えた名残を垣間見ることもできます。

さて、展覧会と聞くととても敷居が高いと感じますね。「芸術なんてわからないし、気取った美術館に行くならシネコンの方が気楽でいいや」とそんな声が聞こえてきます。確かに! でもこの展覧会に限っては「見てから言ってよ」と反論させてください。


ぜひとも巡回展を行ってほしい

みんなが楽しめる展覧会
子供の頃、誰の家にもひとつはあったチープな土産物や人によっては全く無価値の物の数々。そんな一見するとくだらないモノを独自の視点で切り取り、分類したコレクションの数々。

それらを食い入るように見る人たちは若者からおじさんにおばさん、そして小さな子供たちまで様々。「あったあったコレ! 昔、わが家にもあったよ」と笑いながら語るお父さん。うんうんと隣でうなずく奥様。そしてキラキラした眼差しでのぞきこむ子供たち。彼にとっては生まれて初めて見る物ばかりなのでしょう。

どのカテゴリーにも収まらない楽しい展覧会

面白ければいいじゃん
この展覧会では「アートって何? 芸術はこうあるべきもの 美術館は敷居が高い」といったこれまでの概念は君の勝手な思い込みだよ、と軽やかに諭してくれます。

私にとってデザインとアートの垣根を超えた表現や必要ないと思われているものに価値を見出す視点は、創作活動においてとても重要なこと。その意味でとても感銘をうけた展覧会でした 。


美術館をふくめ街そのものを味わう

まるごと楽しんじゃう
冒頭でこの美術館の近くにサントリーの蒸溜所があると書きました。私は年に数度、この美術館を訪れた後に少し足を延ばし蒸溜所まで歩きます。そこでは希少なウイスキーのテイスティングが楽しめるのです。

芸術作品建築物としての美術館、その街がもつロケーションの魅力、さらにはまでもひっくるめて楽しんでしまう。なんだかとても贅沢ですね。どうでしょう、少し美術館の敷居が低くなった気がしませんか?


insta. https://www.instagram.com/tommys_graphic/


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?