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自分の可能性を生かすも殺すも自分次第。「明日は、いずこの空の下」感想note

敬愛する作家の上橋菜穂子さんの旅にまつわるエッセイを読んだ。

短めの旅エッセイ詰め合わせのこの本は、高校生の頃に行った人生で初めての海外旅の話や、フィールドワークで訪れた国のこと、お母様との海外旅行の記憶など、いろんな国に行って彼女が見たもの感じたものが鮮やかに描かれている。

夢中になって貪り読んでしまうほど面白い物語を書く上橋さんは、作家であると同時に文化人類学者でもある。学者という言葉には、どうもしゃちこばったというか、肩の力がグッと入ったような印象を受けるもの。でも、この本にかかれている英語が苦手だった過去の話や、車の運転にまつわる失敗談などのおかげで、親近感がふわんとわいてきた。 

誰だって、第一印象と親しくなってから知る性格が違って当然だし、ひとりの人の中にもいろんな面がある。ポジティブなときもネガティブなときもあれば、緻密に計画をたてて行動するキャラの人が行き当たりばったりに1日を過ごすことだってある。

このところ、自分自身の内側の多様性を認められていなかったなぁ。可能性はいつだって無限にあっていいのに、勝手に自分の能力を過小評価したり、キャラじゃないって抑え込んだりしていた。もっと自分のことを信頼して、少しでも興味がわいたことは取り組んでみたり、失敗上等!という気持ちでチャレンジしてみようかな、なんてそんなことを思わせてくれた本でした。

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