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【途中からネタバレ】友人はすやすや寝て、私は気が散って「ジョジョ・ラビット」が全然泣けなくて。

私も友人も映画は大好きなんですよ!本当に!今回だってわくわくしながら、「タイカ・ワイティティの作品だよ!しかもアカデミー賞にもきっとノミネートされるよ!」ってワックワクしながら見に行ったんですよ。

まず、モノ申す!
今回の「ジョジョ・ラビット」は試写会で見たんですけどね。
日経ホールだったんです、場所。日経ウーマノミクス会員なので、試写会応募したら当たったのね。

日経ホールさん、、、試写会するのにはあまりにもスクリーンが小さくねぇかい?!!!
友人と私は目が悪くて、でもけっこうギリギリで会場に入ったので、なんか後ろの方の席にしたんですよ。で、映画始まってみたらさ、スクリーンがめちゃくちゃ遠い。字幕読むのも一苦労。

まぁあんまり集中できてなかったってのもあるよ。

しかも、だ。なぜか日経ホールのスタッフが脅してきたのさ。
私は上映前にトイレに行きたかった。少なくとも私が会場に入ってから司会者が簡単に作品紹介をするまで5分は絶対にあった。トイレはすぐ近くにあったのだ。だが、トイレに行こうとしたら日経ホールのスタッフが私を引き留め、「本編が始まったら、ホールには入れません!」「じゃぁ本編がいつ開始になるか教えてください。」「まもなくとしか聞いていません」「じゃぁ、トイレ行ってる間に始まったらどうするんですか?」「中には本編終了後までお入りいただけません」と言う。

周りにもっとたくさんのトイレに行きたい人がいたなら、まぁ混乱するから困るだろう。けど、そこには私一人しかいない。一人くらいどうにかなるだろうよ。
「え、じゃぁ、どうしたらいいんですか?トイレいけなくて漏らしたらいいんですか?」「私たちは本編が始まったら中に人を入れるなといわれています」と、私がトイレにいくことをひたすら引き留める。この時間で確実に私はおしっこできましたから!!無駄 of 無駄!!!!!

仕方ないのでぷんすかしながら席に戻り友人に話したら「その時間でさ、絶対トイレいけたよね。」って。で、数分待ってから始まったので、絶対トイレには行けた。というか、誰かがホールのトイレを監視してるわけでもないので、何いってんの?って感じ。
とにかく「上映中もトイレにいくのはいいけど、行ったら最後トイレからホールには戻れません」でした。
でもね、上映前のアナウンスでもそんな話してなかったからね。

日経さんよ、映画上映中にトイレ行きたくなってトイレ行ったら戻れないっていうクソみたいなルール作るんじゃなくて、柔軟に対応しろよ。こっちは生理現象なんだからさ。

てなわけで、「スクリーンが小さくてよく見えない」「トイレに行きたかった」という条件の元にみた「ジョジョ・ラビット」の感想だよ。あはは。

ネタバレ、っつーかなんで全然何にも感じられなかったかを、こっから書くから「ジョジョ・ラビットは素晴らしいの!プンスカプンスカ」って分かり合えるわけない人や「まだ見てないんだから!プンスカプンスカ」って人はそっとここから立ち去っておくれよ。



とりあえずまぁ予告編を張っておく。






こっからネタバレね。


まず、友人は半分くらい寝てました。
いや、わかる。前半のあのなんかほのぼのした日々は眠い。スカヨハは子供が標的にならぬよう、ジョジョがナチスLOVE!でも否定しない。スカヨハとジョジョの2人がいる空間では戦争が起こっていないかのように、和やかだった。ストーリーの中で緊張感があったのは最後の30分くらいかな。

ジョジョはかわいい。あとポチャ系の友人もかわいいし、彼が淡々と戦争のある日常を受け入れ順応しているのが、戦争の怖いところだなとは思った。疑うこともなく、受け入れているのが怖かった。紙でできた軍服なんぞあるのか知らんけど。

そして大人たちは子供のことなんぞや、ただの駒の一つ、バカな子供としか思っていないのが怖かった。スカヨハやキャプテンは違ったけどね。

アラサーの皆さん。

この作品にブレンドされてる作品がわかるでしょう?

そう、「ライフ・イズ・ビューティフル」ですよ。
大人は子供にこの戦争の辛い現実を教えたくなかった。人生は美しいんだよ教えたかった。これはきっとドイツ人にもユダヤ人にも共通していることなんじゃないかな。

「ライフ・イズ・ビューティフル」がユダヤ人(ユダヤ系イタリア人ね)が、子供に見せたくなかった戦争の真実だとすると、「ジョジョ・ラビット」はドイツ人が子供には見せたくなかった戦争の真実なのだと思った。

「ライフ・イズ・ビューティフル」の最後で、お父さんは子供を守るために最後の最後までおどけて楽しげに見せた。これはゲームなんだよ、と。

「ジョジョ・ラビット」では、キャプテンがドイツ人の子であるジョジョを守るために嘘をついて、「この子はユダヤ人の子だ!あっちへいけ」と騒ぎ立て、彼を守った。

子供っていうのはいつでも守るべき存在で、未来を担う存在。大人はその子供たちの未来のためにあるよなぁと思ったけど、この点での表現の「既視感」があったとはいえる。

あと、屋根裏に隠されていた子。この子は「アンネの日記」の記憶を上書きするような存在だったなと思った。
私たちの知っている「アンネの日記」は途中までしか書かれていない。彼女はきっと見つかって殺されてしまったのだろうって思ってる。
その悲しい記憶を上書きするかのような存在だった。

人魚姫がディズニーの手に掛かれば切ない話ではなく、王子様と結婚できるハッピーエンドになるように、タイカ・ワイティティの手に掛かれば母親の死を中和するハッピーな存在、唯一の救いとして彼女が描かれる。

あと、ひとつだけなんかすっきりしなかったんだけどさ、スカヨハあっさり死にすぎじゃね?!!!!
でもそこもね、きっと「大人が子供に見せたくない戦争の真実」っていうのをタイカ・ワイティティの魔法によって、見えなくされてる。
あんだけ美しい女性が反ナチ活動なんてしてたらね(自粛する)

タイカ・ワイティティはとてもよい作品をつくる監督だなって思う。まじで「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」は名作で、本当何度でも見たいし、何見てんだ?!って意味が分かんなくなるけど、素晴らしかった。いや本当、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」に匹敵する作品だったと思うよ。まじで。タイカ・ワイティティはいい人なんだろうなって思ったw

どうしてもちょっと理解できなかった点。

・舞台がドイツなのに英語
・ヒトラーがイマジナリーフレンドでもいいんだけど、笑っていいのか非常に悩んだ。(笑っちゃうんだけど罪悪感が)
・ユダヤ人、ドイツ人はどんな気持ちでみているのか?を考えたら複雑

ドイツが舞台なのに英語だし、アメリカみたいにキッズ向けキャンプやってるし、これはこの舞台自体がイマジナリーなのでは?夢落ちなのでは?ってずっと思ってたのに、落ちがなかった。

ジョジョの恋心が、少女を救うわけだけど、少女の頭の良さとキャプテンの本心からの見逃しもあって、二人は生き延びる。
本当さ、キャプテンはさ、子供たちが好きだったんじゃないの?!
子供たちが好きだから守るためにキャンプやってたんじゃないの?
って思ってしまう。あの人はまじで本心はすっごい優しい飲んだくれなんだよな。。。

ジョジョとあの女の子があのあとどうなったかは分からない。二人とも未成年だろうし孤児だし。どうにかして生活するのだろうけど、ドイツに残るのか?本当にパリに行くのか?
結末は踊ってハッピーエンドって感じだったけど、おばちゃん、あの二人が幸せになるところまで見たかった。安心できないというか、不安なまま終わってしまって、老婆心のおいてけぼりをくらったw

それぞれのキャラクターの描き方はとてもよくて、個性が際立っていて、演技もとても好きなのだけれど、扱っているテーマの重さに対しての、タイカ・ワイティティらしい軽さがどうもミスマッチしているような気がしてしまって、うーんって感じ。

戦争を描くものとして、なんか重みにかけるというか。。。
子供の目線で見た戦争(あえてすべてが語られない。見せられないようなひどいシーンはすべて隠されている)っていう書き方なのかもしれないんだけど、それが説明不足に感じてしまうし、実際はもっと苦しい、もっと悲しいことが起きていたはずなので、それを見ずして「ナチス時代の戦争映画を見た」と言えるのか?と思ってしまう。つらい局面も目にして、残忍な行為を目撃するからこそ、繰り返さないという決意ができると私は思うのです。平和は美しい、自分にとって都合のよいものだけを見ることではないんです。

ジョジョは見なかったのだろうけど、あのときお母さんはどんな表情で死んでいた?ジョジョのお父さんやお姉さんはどのように命を落としたのか?
最後にキャプテンはどうやって殺された?どんな表情で死んでいたのか?

それを見届けられないフラストレーションがあるんです。

私は戦争映画をよく見る方ですが、やはり「プライベート・ライアン」の冒頭の映像のようなリアルさが必要だと思ってます。腕が取れた兵士がその腕をもって、歩いている。今となりにいて喋っていた友人がしゃべらないなとおもってみたら、頭を銃弾が貫通してこと切れていた。

そういうのが戦争だと思うのです。

私は戦時下にいたことのない日本人です。敗戦国の日本に生まれた人間です。日本は第二次世界大戦ではドイツ側でしたね。ジョジョの映画の中でも「日本人はひょろっとしてて頼りないよな」みたいなセリフがあったと思います。
私たちは敗戦国の人間ではありますが、あの第二次世界大戦ではドイツ側の人間であったことを忘れてはならないと私は思ってます。
だからこそ、見たことがないからこそ、その負の面も目を開いてじっと見つけて覚えておこうと私は思うのです。

ディズニーのリトルマーメイドは好きだけど、人魚姫のストーリーの良さは純粋がゆえに、自分の恋を守りたいがゆえに、海に身を投げてしまう人魚姫の切なさ。それは日本人にはとても共感できるものですが、アメリカではウケがわるいのでしょう。。。

戦争映画としては、描き方がふわっとしすぎだよなって感じでした。

実は映画のあとに、サヘル・ローズさんのトークショーがありまして!いや本当、サヘルさんと私同じ年齢なんですが、体験が本当に全然違うので、サヘルさんとサヘルさんのお母様には幸せになってもらいたいなって心の底から思いました。

8歳で公園暮らし。私はそのころ、家でぬくぬくと、セーラームーン見てたわけですよ。かわいい赤ちゃんの妹の面倒とかみながら。お菓子とか食べながら。給食のおばちゃんがサヘルさんとお母さんの生活をサポートしてくれるまで、公園で暮らしてたっていう話が、本当にびっくりした。

戦争で親を亡くすことはとても悲しいことだと思います。ジョジョがどれだけ心細かったか、サヘルさんがどれだけ悲しかったか。私たちは想像することしかできなくて、実際にその痛みを感じることはできないんですからね。

だからこそ、戦争の恐ろしさっていうのは、オブラートに包まずに、はっきりと描いてほしいなって思ったのです。

以上!終わり!
あ、最後に「子供たちの未来のため」に宣伝させてね。

私が支援している「プラン」は、子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために世界70カ国以上で活動する国際NGOです。

なぜ貧困がそこにあるのか?それを遡ると何十年の前の紛争だったり、戦争が理由だったりします。
どの国に生まれたって、夢を見て、夢を抱いて、かなえてほしいなって思って、ずっと支援し続けてるNGOです。

先日もアメリカがイランを攻撃したり、イランは民間機を誤まって撃墜させてしまったりしました。
まだISISの問題も収拾がついていません。アメリカは無人機で自分たちの国の兵士が死ぬことなく、敵地で攻撃を仕掛けます。ときどき、全然関係ない人を巻き込んでしまって人が死ぬます。

Amazonプライムのドラマ「ジャック・ライアン」のシーズン1では、無人機での殺害によって子のいる父親を殺してしまったアメリカ兵が出てきます。子はおじいちゃんと2人でけなげに暮らしてるんですよね。

これは何も映画やドラマだけのことではなく、今、実際に起きていることでもあります。

わたしたちは目を背けないで目撃者になりましょう。
それが平和を作る第一歩です。ではまた!

2月になった映画いっぱい見る予定~!

あ、トイレ?
サヘルさんのトークショーがあまりにも濃い内容すぎて、トークショー終わるまで我慢したよwwww

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