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映画『Winny』

久々に映画館に行った。
よかった。。。よかったよ。。。

ネタバレ有り感想なので、劇場鑑賞後、よかったらお読みください。
コメントであなたの感想も聞けるとうれしいです!

・血肉の通ったヒューマンドラマ

単なる違法ソフト事件、くらいの認識だったのが完全に変わったな。
そもそも、事件の顛末を自分で調べたり、アベプラで壇さんのお話を聞いたりして、認識が変わってはいた。
世界に誇れる日本発の技術と技術者が、大きな力に潰されかけた話なんだなって。

でもやっぱり、事実を知り、関わる人の思いや行動にまで触れると、違うな。
心の納得度が違う。

キャラクターが丁寧に描かれていて、それぞれの立場や意図や思いが交錯している様も、よく伝わってきた。
時代の色も正確に再現されていましたね。
uploadされた曲の中にワダツミの木があったり、windowsのバージョンが当時のものだったり(デザイン的に、XPか2000のはず)。

・金子勇に悔しくなり、金子勇に救われた

2年半戦った結末は「有罪」、さらに7年かけて「無罪」、1年半後には命尽きる。
流れは知っていたけれど、やはりあまりにも無念でならない。悔しい。
だけど、ラスト、実際の金子さんの映像による締めくくりを見て、ほんの少しだけ救われた。
彼の半生に泣いて、悔しくなったけれども、最後は彼の明るさと純粋な探究心から来る社会貢献意志に救われた。

「Winnyは私の表現なんです」
私は、すべての人間はアーティストであると考えている。
彼から表現の術を奪ったすべてを恨みたい私の気持ちは、
未来を向く彼の姿勢をもって昇華された気がする。
ありがとう。

・役者の皆さま、よかった

特に金子さん、壇さん、秋田先生。「尋問とはライブです」うふふふ。
金子さんの、純粋で夢中で利他的で明るいキャラクターには、何度だって触れたくなりますね。
壇さんは、映画を見る前にかご本人のお話を聞いて馴染みがあったことも大きいかな。
ブログをやっていらっしゃるんだね。これは彼にしか書けないなあ。温かい、正義の人。

秋田先生を演じた吹越さんオススメの本気になるな。口喧嘩つよくなれそう。
実践! 刑事証人尋問技術 part2: 事例から学ぶ尋問のダイヤモンドルール (GENJIN刑事弁護シリーズ)

吹越さんインタビューよりもう一つ。
「シーン74の証人尋問も、実際の裁判記録を元に構成しています。なのに、まるで映画の台本みたいな流れでした、笑」
人が真剣に生きていると、ドラマになってしまうものなんだね。

ちなみに、いっけいさん演じる北村、本当に人として気持ち悪くて腹がたった!!笑
物語の核の引き締めに一役買っていましたなあ。
ご本人としては、不当逮捕の怖さを肌で感じたそう。
一方で、先述のような法廷でのドラマティックな掛け合いにスリルを感じたり、プログラミングに夢中になる金子さんとエンタメ界に身をおくご自身を重ね合わせたりもしたらしい。

全員のインタビューを読んで一部抜粋したけれど、各役者さんから十人十色のメッセージが発されていて、
感性ゆさぶる良い現場だったんだろうなあと想像した。にやける。

・愛媛県警裏金事件も史実なのか。。。

20年近くたっているけれど、いまだにとかげのしっぽ事件なのかな。改善されていたらうれしいけども。
車でつけられているかのような感覚、記者会見後に窓ガラスを割られたこと。演出というより本当にあったんだろうな。
Winny事件と同じく、仙波さんも、ご自身の信念や、志高くも立場の弱い若者のために闘っていた。


・金子さんの遺志はプログラムの中に

当時で言うP2Pという技術が、今のブロックチェーンにつながっているという認識で合っているかな?
課題もあると聞くけど、著作権者に利益がいきやすい仕組みだもんね。金子さんの思い描いていた世界がいま実現していますよ。
更に発展していくのだろうな。楽しみだ。

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