見出し画像

敬語がむちゃくちゃだと意味が通じないことを、電話対応サービスマンに伝えたい件

メディアやコンテンツのプロデュースと地域・企業の「メディア化」を支援するトミタプロデュース株式会社の富田剛史です。LIB Lab(ローカル・インディ・ビジネス・ラボ)の主催もしています。

今回は、ちょっとボヤキ投稿です・・・

敬語がむちゃくちゃでイラッとする電話対応にあたりませんか?

最近、ネットマーケとかネット環境系の会社からの営業電話が増えました。逆にこちらにもニーズがあるから連絡することも多い。メールより電話が早いので。

でね。こんなこと言うとオヤジの小言みたいで嫌われそうですが・・・そんな電話のやり取りで、「敬語」がむちゃくちゃなことに、イラッとすることありませんか?

別に日本の伝統がどうのこうの…ということが言いたいわけじゃなくて、日本語の構造的に、敬語が間違ってると何の話か分からなくなるのです。


何にでも「様」と「…のほう」を付ける人

まず、その会社の電話対応マンは、何にでも「様」をつけてしゃべってました。

こちらの社名に「様」をつけるくらいならいいです。その人は、自社以外のあらゆる名称に「様」をつけるのです。

「御社様の場合ですと、グーグル様やFacebook様、Twitter様、LINE様、Instagram様のほうなどで・・・」

うーん、聴きにくいけど、そのあたりまではまだ我慢しましょう。

「御社様のホームページ様は、ワードプレス様のほうでどうのこうの・・・、Instagram様とワードプレス様の連携のほうをどうのこうの・・・」

これをすごい早口で話している。もはや「話芸」。

でも、「様」と「…のほう」が気になって話しがちっともアタマに入ってきません。笑


日本語は謙譲語と尊敬語でポジションが分かるから意味が通じる言語です

また、別の会社では、「何々される」「おります」「おられます」などの使い方がむちゃくちゃで意味がよく分からないことがありました。・・・というか、これは一般によくありますよね。

日本語の「謙譲語」と「尊敬語」というのは確かに難しいのです。

しかし、主語や目的語を省略することが多い日本語で、どうして意味が通じるのかというと、大きなポイントは「謙譲語」と「尊敬語」にあります。逆にいうと、「謙譲語」と「尊敬語」を間違うと、一体誰がいったことなのか、誰にいったことなのかが分からなくなってしまうんですね。

話者がつかう謙譲語と尊敬語によって、その人との上下関係が自然に分かるから、誰の行動のことをいっているのかが分かる。その際に、自分とお客という2者関係なら簡単ですが、自分の会社の上司や仲間、さらには関係会社のサービスなどが出てくるとだんだん複雑になってくる。

普通の日本語を使う社会人なら、自社や自社の提携先などのことは、「何々しておりまして…」とお客には謙譲語で話しますが、それが「何々されててですね〜…」だと誰の話しなのか分かりませんよね。

「される」だと敬語ではないただの受動態の可能性もあって、その人自身がされたことなのか、その人が本来使う必要のない誰かの行動に敬語をつかっているのか、それともこちらの行動のことを言っているのか・・・いろいろ考えられるわけです。

一度間違って思い込むと、ものすごくすれ違った会話になっていきます。


社内用語や業界用語を、さも普通に早口でいう電話対応

敬語ではありませんが、その組織だけの独特の言い回しや、その業界の専門用語を早口でさらっといわれることも、電話での意思疎通を難しくします。

いま、自宅で導入しようとしている、某Sony系の光回線を提供会社の電話対応で、こちらが「マンション管理会社に電話してほしい」と要望したところ

「関係部署には伝えますがお約束はできかねます。理由としては、こちらに・・・・とX◎▽□○が来ておりますので、そのような形になります」

「え?ごめんなさい、「理由」の部分が聞き取れなかったのでもう一度…」

すると明らかに不快という態度で、「ですから、どうのこうの・・・」と理由を説明してくれましたが、僕は単に「理由」の言葉が聞き取れなかったといったまでなのです。

確認すると「・・・・と『申し送り』が来ておりますので、」でした。彼がいう『申し送り』とは、カスタマDBに入っている別部門からの対応伝聞記録ということらしい。

字で見れば分かりますよ。しかし、そんな社内用語を電話で、しかも「来ております」なんて言葉付きで早口でいわれても想像もつきません。要するに、「以前の、うちの対応部署担当者のメモで<・・・・>と書いてあるので電話しないと思う」といいたいようです。

それもどうかと思いますけど、まあそういう約束なら…と「では、管理会社に伝えるので連絡先を教えて欲しい」と伝えると、今度は

「電話番号の◎△✕がございませんので、お伝えできません。」

また聴き取れない。
答えは「電話番号の手持ちがない」でした。なんじゃそりゃ。


「口から耳へ、伝わりやすい言葉や表現」はますます大事になるはず

オジサンが社会人になった頃は、電話は仕事の日常ツールだったし、専門部隊のカスタマセンターはお客さんが混乱しないように、勘違いが起きないように、業界語や同世代にしか分からぬ言葉を使わないように、とにかく訓練されました。

いまは、「電話で話す」ことの経験が極端に少ないのでしょう。
しかし今またオーラルコミュニケーション・・・つまり音声で何かを伝えることが増えています。それは今後ますます増えることでしょう。動画でもLIVEでも、口から耳に情報を伝えていくメディアです。

僕は長らくラジオの世界で仕事をしましたので、耳から伝える言葉の選択について随分いろいろ考えたし、番組やCMをたくさん作ってきました。

デジタル時代、DXうんぬん・・・と一見関係無いように思うかもしれませんが、「日本語の構造と敬語の関係」や「耳にしたときに伝わりやすい言葉と伝わらない言葉」などを意識することは、非常に大事なのではないかと思います。

具体的なノウハウについては、また別の機会に書きましょう。

毎週水曜日朝9時から、昔のラジオ仲間でもある近藤洋子さんとGood Morning Miraiという無料オンライン番組の発信もしています。ご興味あればこちらでもお会いしましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?