眠れない人は不眠症なのか?
眠れない悩みを抱える人が,みな不眠症なわけではありません。
病院に行って相談すべきか,薬を飲んだ方がよいのだろうかと悩んでいる場合は,不眠症の基準を満たすかどうかを考えると参考になるでしょう。
不眠症とは
不眠症と診断するためには,「眠れない症状」があることに加えて,眠れないために「翌日の生活に支障がある」状態を言います。
番外編として
睡眠薬がないと眠れないと思う
と考えて睡眠薬を止められない人も不眠症と呼びます。実際には止めても眠れるのかもしれませんが,止めたら眠れないと思っていること自体が問題となっています。
睡眠薬に依存している状態ですが,多くの人は「依存している」とは思っていません。「薬を飲めば眠れるのだから大丈夫」くらいの軽い気持ちで考えています。これは一歩先の課題となりますので,今回はここまでにしておきます。
続いて,「眠れない症状」と「翌日の生活に支障がある」状態をもう少し具体的に考えてみましょう。
眠れない症状とは
「眠れない症状」にもいくつかのタイプがあります。
なかなか寝付けない
一度眠ってもたびたび目が覚めて寝付けない
起きようと思っている時間よりも早く目が覚めて寝付けない
といった3種類に分類することが多いのですが,
夜中に目が覚めるけれどすぐに寝付ける
朝早く目が覚めるけれど二度寝している
というのは,あまり問題となりません。
年齢とともに夜中に何度か目が覚めるようになるもので,年齢には誰も逆らえません。年齢とともに睡眠は変化していくという事実を認識して目標を定めるとよいでしょう。
翌日に支障はあるのか
「翌日の生活に支障がある」かどうかについては,注目していない人が多いと思います。
眠れていた時期に比べて,眠れた日に比べて,昼間に疲れやだるさを感じて生活に支障が出ているかどうかを考えてみましょう。
明日の仕事に支障があるような気がするから,眠れないと困る
という場合は,まだ不眠症の一歩手前ということです。
眠れない症状が長く続けば,いずれ不眠症になってしまう可能性はあります。その点で一歩手前で気づくことは大切です。
下記の症状に心当たりがある方は,不眠症の一歩手前かもしれません。
ぐっすり長く眠らないとダメだと思っている
眠れないかもしれないと不安に思う
眠ろうと思えば思うほど目が冴えてしまう
* * *
これを読んで,眠れない悩みが不眠症という状態になっていると感じる方は,一度病院で相談してみてもよいでしょう。
その一歩手前かもしれないという場合は,薬による治療は必要ない場合が多いのですが,もちろん病院でアドバイスを受けることもできます。
ここで薬が必要ないというのは,睡眠薬が必要ないというだけでなく,睡眠改善薬といった市販の薬に手を出す必要もありません。
正しい睡眠の知識を身につけて,睡眠に関わる生活習慣を見直していくことで,眠れない悩みは解決に向かっていくはずです。不眠症の一歩手前にいる方に,これからも正しい知識をお届けできればと思っています。
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