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寝室の環境を整える

どこでも寝られるという特技をお持ちの方もいらっしゃいますが,睡眠の環境は睡眠の質に影響します。

悩みに共感:眠れないという悩みを抱えている方にとっては,まず寝室の環境を見直してみるのもよいでしょう。

寝室の環境と言うと,枕やマットレスなどの寝具を変えてみようと考えるかもしれませんが,空間づくりという大きな視点で捉えてみましょう。

温度を整える

事前に体を温めることで眠りやすくなると知られていますが,これは一度温まった体の深部体温が冷えていくことで眠りに入っていくという現象により説明できます。

体温の変化を促すために,熱を逃す必要がありますので,靴下を履いて寝るとこれを妨げると考えられています。通気性のよい枕を選んだ方が熱を逃しやすくなり,好ましいでしょう。枕の高さや柔らかさなどは,首や肩の形,筋力,寝姿勢などによっても異なりますので好みでよいと思っています。

布団の中の温度は33℃前後に保っておくのが睡眠にはよいと考えられています。布団の中の温度が保たれていれば,寝室の温度は13〜29℃と幅をもたせて設定しても睡眠を妨げないと言われています。日本国内でもお住まいの地域により異なると思いますが,冷暖房は適宜使う必要がありますが,あまり強力に効かせる必要はないとイメージしてよさそうです。

音を整える

小さな音であっても睡眠を妨げられると感じる人もいるでしょう。ただしまったくの無音状態は却って不安が高まるとも言われています。

50デシベル未満がよいと言われており,図書館の中くらいをイメージするとよいでしょう。静かに読書をしたいと思うときに聞こえる雑音くらいであれば,その人にとってちょうどよいと考えてもよいかもしれません。個人的には自然の音が聞こえる中で眠りにつくのが最高です。

ラジオを聴きながら,あるいはYouTubeの音声だけ聴きながら寝ているという人もいると思いますが,論理性の高い思考をしてしまうと眠りにくくなります。一方で思考をシャッフルしたような脈絡のない話,取り止めもない話をなんとなく聞いているくらいがちょうどよく眠くなるものです。

光を整える

光は体内時計を動かしてしまうくらいに,大きな影響をもっています。

体内時計を正しくリセットするために朝浴びる光は10000ルクス程度が必要だとされていますが,夜は数100ルクス程度の明るさでも目を覚ましてしまう可能性があります。

一般的な室内照明でもこの程度の明るさはあります。眠る前には,なるべく色温度の低い,電球色の照明のみを点けるようにできるとよく,間接照明などを活用できると明るさを抑えられます。

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寝室環境を,温度,音,光という観点で考えてみました。この寝具を変えばぐっすり眠れるという話よりも,もっと柔軟にみなさんの好みに合わせてカスタマイズできるのではないでしょうか。

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