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成冨ミヲリさんのマンガの翻訳について 「目指していきたいもの」

①日本人が英訳する意義のある翻訳を
②無駄なくスリムな翻訳を ③英語に興味をもつきっかけを


①日本人が英訳する意義のある翻訳を

 成冨ミヲリさんのマンガがもつ世界観を、日本語としての言葉の感覚も大切に伝えるような形で、英語翻訳をしていきたいと考えています。
 今回アメリカ人であるShōn Senseiにネイティブチェックをお願いしていて、意見が食い違うこともあります。日本語における主語のない文章や、読者の想像力に任せることのできる余白部分に対して、全てを明快に示し、文章で表す傾向のある英語(だからこそ、英語では比較的誤解が生じにくいのですが)を、行ったり来たりしながら訳していくのは、面白い作業でもあり、難しい作業でもあります。常に、読者の方に分かりやすいと感じていただけるような、読み手を意識した翻訳を目指したいと考えています。
(Shōn Senseiは、私がアメリカの大学に留学していた時代に、同じ学生寮に住んでいて、その時から英語レポートの添削等してもらっていました。お返しに、日本語のレポート添削をしていました。Shōn Senseiは、言葉と映像、演劇のプロです。)

②無駄なくスリムな翻訳を

 マンガは絵で伝わる情報も多く、書きすぎても良くないと思いますが、情報が十分に伝わらないのも困ります。
 私が日頃から仕事をするうえで大切に思っている言葉に、

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」

井上ひさし, The座.(14), こまつ座, 東京, 1989, pp16-17

があります。このような翻訳を目指したいと言うのは、大変おこがましいのですが、いつもこの言葉を思い出しながら、翻訳に取り組んでいきたいと考えています。

③英語や言葉に興味をもつきっかけを

 小さなお子様や小学生のお子様も、絵本や本を読むのが好きだったら、マンガも読めるかもしれません。アルファベットを眺めることで、「何だか違う文字があるのね。」と感じてもらえたら嬉しいです。
 大人の方で、「マンガ読んでたら、英語の訳も素敵だなと思って、もう一回英語を勉強したいと思った。」という感想をくださった方がいます。「英語なんか忘れちゃったよー。」「英語って何か難しくて好きじゃなかったんだよね。」という方にも、「もしかしたら英語って面白いかも?」と感じていただけたら、とても嬉しいです。
 私の英語レッスンの生徒さん達やキッズレッスンの保護者の方も、こちらのnoteを読んでくださっていますが、休憩時間などにふと思い出して読んでいただけたら嬉しいです。あとは、モチベーションが上がらないなと思った時に、エンジンをかけるためのウォーミングアップのような形で使っていただけたらと思っています。

私見:
マンガ翻訳って、一見すると簡単そうに見えるかもしれないけれど、とても難しく、奥が深いです。絵による状況説明のサポートと、読者の皆さんの想像の余白があるからこそ、英語に翻訳できる面白さがあると感じています。

ミヲリさんのイラストつきの、分かりやすい説明はこちらです。↓


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