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KUZU4

運命の出逢いは一方的な勘違い…


私は夫を愛していた。

初めて夫からデートに誘われた時。

絶対に無理だと諦めていた恋だった。

でも、そうじゃなかった。 

夫の私への気持ちを知った時…

震えて泣いてしまう程、私は嬉しくて幸せだった。

こんなに人を愛し、愛される事が幸せな事だと初めて知った。

なのに…

結婚というのは、恋愛の延長には無いのだろうか?

女にとって「結婚は幸せの象徴」と夢見るもの…

結婚生活はそれは幻だったと嘲笑う。

そんなに乙女な夢を見たつもりはない。

夫にとっていつも可愛い妻で居たい…。

一緒に未来を夢見て頑張りたいと思っていた。

夫を支えるのが私の幸せになると信じていた。

だから、私は必死に頑張った。

そんな時、子供を妊娠した。

長い間頑張ったのに、諦めかけた頃にやっと出来た。

幸せだった…

しかし、その子は生まれることなく天国へ行ってしまった。

私は地獄へ落とされた気持ちになった。


泣いて、泣いて、泣きまくった。

そんな時、隣の家から生まれたばかりの赤ちゃんの泣き声が聞こえて来る。

他人の幸せを憎しみに感じた瞬間だった。

あんなに赤ちゃんや子供が好きだった私が、鬼のように恐ろしい心を持った人間になった。

うるさい!

うるさい!!

私に赤ちゃんなんて見せないで!

見たくも無い!!!

私には赤ちゃんが生まれなかったのよ!

どうして皆は努力もしないで授かっているのに、こんなに努力した私には生まれてくれないの?

何か私に落ち度があったのですか?

私は生まれながらにお母さんになる資格を持ってなかったのですか?

私は泣きながら目に見えない、何かに問いかけていた。

あぁ、神様なんかいないんだ。

努力すれば報われるなんて嘘だった。

信じても救われる事なんかなかったんだ…

私は全てから見捨てられた気持ちになった。

私は子供の弔いの為に三日だけ泣き暮れた。

我が子の為だけの時間を過ごした。

三日後…

ただ、立ち上がるだけだった。

心を空にして…

もう一度頑張ろう…













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