母のゴミ箱
私は母のゴミ箱。
小さな頃から母の愚痴を聞かされて生きてきた。
どれだけ苦労したか、自分が悲劇のヒロインか、悪いのはいつも周りだと…
そのような事をずっと聞かされて来た私は、それが当たり前だった。
いつも愚痴を聞かされていた。
会社、友達、家族、親族…
子供の頃から大人の事情や深刻な話を全て聞かされていたので、私は母が悪く言う大人達を嫌な目で見ていた。
しかし、母はその人達の前で普通に笑って楽しそうに振る舞っていた。
私はそんな風に行かない。
母が悪く言う人は嫌な気待ちになるだけだった。
小さな頃、母が私に話した事をつい従姉妹に話してしまった事があり、それを従姉妹が祖母に話してしまい、要するに姑に母はかなり叩かれたそうだ。※勿論言葉攻めで。
そして、私もかなり叱られた。
今でもその事を言われるが…
小さな子供の私にそんな大人の事情が分かるわけもなく…
良し悪しも分からない子供に話してはいけない事をわざわざ話す自分に落ち度は無かったかを母は考えてないのだ。
だから「余計なこと言って!」と怒られた。
当時の私には何故その事を言って悪かったか全く分かりませんでした。
そんなことがあっても、母は私にゴミ箱のように私に吐き出し続けた。
私はずっとそんな環境下に居たので、それが普通だと思い、自分もいつしか愚痴ばかりの人間になっていた。
母と違う所は、母は自分がいつも正しくて他人は皆悪者だってこと。
愚痴を聞かされてる私も時には「お前のせいだ」と言われて責められる。
だから、いつも母が不幸なのは私のせいだったり、家族や周りのせいなのだ。
私はいつも精神的に不安定だったし、生きてるのが辛かった。
だって、嫌な事しか見えないから。
母の思考だと「嫌なこと探し」しかならないからだった。
それを変える努力をするようになり、やっと楽しいと思えるようになったのは「自分を許す」事だった。
母はいつも私に決めつけた言葉を投げつけたし、いつも私が悪いと言われた。
絶対に悪いのは他人だと言う人間の側に居たのに、私はこの人の愛を欲しかった。
不幸にしないように、私は常に母の喜ぶ事を考えていた。
でも、いつも「こんなのいらない!」と撥ね付けられた。
何度も心を折られて、周りのお母さん達の優しさに憧れた。
私は母と離れてやっと母が私の毒親だと気づいた。
例えば…、私が愚痴だらけの人間になったことを母のせいにしても私が良くならない事はよく知ってる。
だから、「母のせいかもしれないけど、自分を変えるのは自分の責任」と思っている。
努力しなきゃいけないのは自分なのだとわかる。
だから、愚痴を他人に言わないように、他人のせいにして自分の責任から逃げないようにと努力している。
しかし、先日母と数日一緒に過ごしたけど、ほとんどが愚痴だった。
せっかく私が努力して直そうと思っても母に「そういうの辞めない?いつまでも続くよね?」「それを言ったからと言って、何も解決しないけど?」と伝えるものの…
「良いでしょ!言いたいんだから!!」と、私に噛み付いてくる。
その上、「あんたがこの話を持ち出したからだよ」と…驚くほど必ず他人のせいにしたがる。
このような欠点はどんなに私から伝えても仕方ないのです。
それは「あんたのせいだ」と言われるから。
他人の前では「私は明るくてとても人気者の私なの!」と振る舞う母。
味方が沢山いると思ってるだけに、ゴミ箱の私が言う言葉に耳は貸さない。
どうせ私ゴミ箱なんだと…
単なる愚痴を聞かせるだけの生き物なのだと思われてるかもと…
今回とても痛感してしまい、母がやはり人として嫌いになりかけてきた。
母は外では私なんかより人気者だろう。
皆に好かれて楽しいでしょ。
でも、私は母にはゴミ箱。
また母の愚痴癖がついてしまっている。
今なら「そんな事言ってるだけなら解決策を講じろ!」と自分に思う。
何か嫌なことあったら、自分の落ち度はどこにあったかを常に考える。
それだけで、愚痴の質は変わる。
単に嫌な事を言ってても、自分の身にはならない。
幸せに程遠い考え方で生きるようになる。
私は母にとってゴミ箱。
単なるそういう存在なのなら、もう暫く母とは距離を取らないとダメだと思った。
自分をダメにする人間が、一番近い存在なのはとても不幸な事。
それに巻き込まれないように生きるのは自分の責任。
流されないように生きようと…
やっと分かった。
憧れの母と私の母は違うから…
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