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女性の職場あれこれ

もう、あまり思い出せないけど、数年前までアパレルの販売をしていた。
15年ほど働き、うち10年くらいは店長だった。色んなスタッフに出会えたことは学びになったと思う。

私より年上だけど後輩
私より年下だけど先輩
同じくらいの年代の店長仲間
アルバイトスタッフ
派遣スタッフ
独り暮らしのスタッフ
実家暮らしのスタッフ
子供がいるスタッフ

みんな、色々な立場、色々な価値観を背負って働いていた。
いや、働いてくれていた。
そういうことを加味しながら、一人一人にあわせて接することは、最終的には自分得になるので進んでやっていたと思う。

だからか『異動するならトミー店長の店にいきたいです!』と、言ってくれるこもいた。
基本的に何に関しても、自分に自信がない私は、ちょっと泣きそうになった。

反面、自分が自分を信用していない部分もあり『どうせ私の下なら楽だからでしょ。』という思いもあった。
私が後輩スタッフなら絶対そう思うし。

私は基本的に怒らなかった。
口うるさくないし、褒めるし、感謝しまくるし。
受け止めるし、否定しないし、何故そう思うのかとか、とりあえず聴いたりする。
だから、いつも
優しいトミー店長』『理解がある店長
と、言われていた。
やはり、スタッフ達はさぞ楽だろうなと客観視。


ちなみに、私が副店長だったときは鬼店長の下で働いていた。
数字がとれないと、まじで般若。
店長が休みの日は、私が責任者になるので数字も背負わなければならない。
ある日、全く売れない日があった。
次の日出勤した店長は、あからさまに般若。
売れなかった理由を私にガン詰めする

般若『この店が今売れてないのは、トミーのせいだからね!?』


般若は、ここ最近の不調までもを、私の責任と言って詰めた。

さすがに泣いた。


なんだろう。
単純に数字が取れない悔しさはあった。
けど。

トミー『この店の責任者あんただろ!』

という気持ちでいっぱいだったのだ。
何で、ぬけぬけと副店長の私に責任なすりつけちゃってるんだよと。

しかし、後になって分かることもあった。
店長は総合的な指揮官であり、副店長は売上頭になれと、会社から言われていたらしい。
だから、店が死亡する要因は私の売上次第。


いや、知らんがな!


しかし、般若とは仲が悪かったわけではない。
私はクソ厳しくされようが、あまり引きずらない性格なので。
あとは、普通に般若は売上も利益もあげるので、尊敬する存在ではあった。
上司からも一目置かれていたし。


後に、私が店長になれたときは、般若のおかげだと思ったし、感謝を深々した記憶がある。
そして、般若は私に言った。

『トミーはさ、私の価値観によく耐えたよ。だから精査して、自分なりの店長になってね。私とは逆の良さがあると思うから。』


、、、


さすがに泣いた。


なんだかんだ、厳しいなかに愛情がある人だったのは分かる。分かろうとする私ありきかもだが。※ちなみに後輩達は常に震え上がってた

そんな経験上、
私は『優しいトミー店長』『理解がある店長』になったのだと思う。
後輩だけではなく店長仲間からも、そんな風に言われていた。


私にみんなが協力してくれてるんだ。


アルバイト、社員問わず、いつもそういう気持ちを持って働いていた。
そして、基本的なスタンスがこんなだからこそ

妊婦や子持ちに超絶甘い。


女性が多い職場では、家庭の事情からは逃げられない。
無駄に大手だったので、得られる福利厚生はたっぷりあるし、産後復帰希望するスタッフは多かったように思う。
また、産休が出ると人員補充がされやすい。
残業はするなと言われているし、女性が安心して働ける環境だったと思う。

がしかし。

急なトラブル発生あるある

妊婦ならば、いきなり体調不良があるし。
子持ちならば、発熱からのお迎えコールがある。

シフトがどうしようもなく回らず、業務が詰みまくる事態はよくあった。
しかし、そこに文句は言っていられない。
妊婦だろうが子持ちだろうが、すぐさま帰っていただく。不安なまま店にいても何もならないし。

トミー『少し救護室で休んで帰りな。』
妊婦『すみません、、、』

トミー『今なら病院間に合うよね?急いで!』
子持ち『すみません、、、』

そして、数日間は出勤出来ないことを想定し、シフトとにらめっこをする。

よし。私が休み削って10連勤しよう。


正直、休むスタッフの穴を、他のスタッフに出勤するようお願いすればいい話だ。
どの店長もそうするだろうし、私もしたっぱのときは協力してきた。
しかし、私にはそれがどうしても出来なかった。

『もし、子持ちのことなんざ知ったこっちゃねーよ!迷惑なんだよ!って、思っているこがいたら?その子の気持ちってどうなる?』

全員に平等なプライベートがある。
仕事以外に、価値を置きたいものがあって当然だ。

それを、私が壊す権利無くない?


その気持ちでいっぱいだった。
そして、私が背負ってしまえば丸い。
そもそも、みんなより給食貰っているんだから。それくらいせねば。
私が新婚だとか、そんなんどーだっていい。

そんなスタンスでやっていたからか、スタッフ達には不満はなく(たぶん)、真面目に頑張ってくれていたと思う。
ブランドで問題児扱いされていたこすら、全く反発してこなかったし。
数字にも貢献してくれていたと思う。
また、子持ちスタッフは、
『土曜日、旦那に子供預けるんで、私が出勤します!店長休んでください!』と、よく言ってくれていた。気遣いの連鎖だ。

まぁ『混む土曜日に休むとか、店長としてはありえない!』って、上から怒られるんだけどさ。
それくらい許してくれ、普通に。


しかし、こんな私だからこそ、
超絶舐められることが当然ある。

ある日、妊婦と共に仕事をしたとき。
私は妊娠したことがないので、正直どんな風に接したらいいか分からなかった。
とにもかくにも無理はさせないようにしないと。そこだけ気を使い、声かけを頻繁にした。

トミー『○○さん、この業務って出来そうですか?負担かかるなら、無理しなくて大丈夫なんで。』

妊娠『、、、ふふふwwww』

トミー『???』

妊娠『ふふっw』

トミー『、、、』

妊娠『、、、』

トミー『あ、時間無いんで、私やりますね。』

妊娠『ふふっw』

いや、何笑っとるん?

出来るか、出来ないか、まず言え。
出来ないなら、何か言葉はないのか。
やってもらうなら、何かないのか。
あなたに発生している時給とは?
妊娠はあなたの都合ですよね?

ドス黒い気持ちになる。

こんな気持ちを、子なしスタッフや独身スタッフにしてほしくない。絶対。
無駄なストレスをなくし、接客へ全集中してほしい。

あの頃『もしも、この立場ならこうだろう』が、あまりにも頭を支配しすぎて、毎日ヘロヘロになっていた記憶だ。
実際、みんな深くは考えていなかったのかもしれないけど。
また、基本的にヘラヘラして人を油断させつつ、懐に入ることも狙っていたと思う。

全て自分が楽するための先行投資

どんなに辛くても、最終的にはそう思っていたので腹黒いのかもしれない。いや腹黒い。
優しいトミー店長』『理解がある店長
そんなの幻想だと思う。
勝手に周りが言っていただけだ。

仕事とプライベート、女性が上手く渡り歩くことが凄く大変な時代だと思う。
どんな立場であろうが。
だからこそ、みんなズル賢く生きることをオススメしたい。自分が楽出来るよう仕向けようぜ。プライドなんか捨てて。

誰しもが、お互い様であるという優等生価値観に歯を食い縛るなら、『全ては自分得』って考えると楽なのかも。

女性が職場で丸くなる方法を、長々考えてみた。

まぁ、会社員じゃないけどさ。


今日も、ありがとうございました。










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