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私なりに最近の日本のアイドルソングについて考えてみた

日本のアイドルソングに考える機会があり、私にとって日本の男性アイドルグループと言えば嵐なので、YouTubeで曲を検索したら、2年前にRebornというシリーズを5曲程度アップしていることを知った。さっそく聴いてみたら、現代風にアップデートされた高レベルの楽曲で、ここで言う高レベルとは「世界水準」ということである。高レベルなのは、さすが嵐、さすがジャニーズ、と言えるかも知れないが、ここまでの水準の楽曲を作り直してYouTubeにアップしたのは、嵐ファンへの最大限のファンサービスであり、一切の手抜きなし、妥協なく、自分達の推しは世界に通用するレベルのアイドルグループであることを、実際の楽曲を通じて伝える意図もあったのではないか、と私は思う。
MVの映像センスも素晴らしいし、音色も素晴らしい。

次はアイマリンプロジェクトのMV。この曲をピックアップしたのも、私が「世界基準」だと思ったからで、楽曲と映像が共に攻殻機動隊をオマージュしているのではないだろうか。当然、ブレードランナーの世界観を周到し(床の水溜まりによるネオンの反映など)、「分かっている感」を演出しているのだが、疑問なのは、パチンコの海物語のマリンちゃんのスピンオフ企画のMVでここまでのレベルの高いMVが必要だったのか、ということである。明らかに必要ではない。だから、初見時の私の違和感はMAXだったわけで、違和感がMAXだから、何度も聴いてしまう中毒性を有するに至る。
企画に対して明らかにオーバースペックで、マリンちゃんファンを喜ばせるよりか、日本のサイバーパンク好き、及びに世界のサイバーパンクファンにアピールする出来になってしまっている。

最後は今年(2022年)の夏にアップされたVtuberの宝鐘マリンのオリジナル曲のMVで、私の中で現在、今年の曲ナンバーワンの座に君臨している。友達に勧められて聴いてみたのだが、度肝を抜かされた。明らかに詰め込みすぎで映像と曲の情報量が飽和状態になっており、細かいネタが宝箱の中のお宝のように至る所に散りばめられている。宝鐘マリンの声質の幅により、高音から低音まで変化していき、ネタ声や喘ぎ声が合いの手として挿入されているのだが、問題なのは楽曲そのもので、作曲者があの「アンダーテイル」の人だという噂もあるらしいのだが、なるほど、噂通り「変な曲」である。日本人離れしているというか、癖が強く、アクが強く、個性(変態)的で、作家性溢れるサブカルチャーの伝統芸のような「普通」から飛び抜けつつ、優れたMVに仕上げるギリギリオーバーライドのいけないボーダーラインになっている。
言わずもがな、このMVは海外でも注目されているというか、日本より海外の方で注目されているかも知れない。海外から見た日本のサブカルチャーを表現しているとも言えるし、いや、曲が変態的に優れていてヤバい。この変態感に宝鐘マリンの変態さを重ねてMVとして表現していることが、ファンとしては何よりもヤバいのであり、愛されていることがとてもよく分かった。

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