営業VSマーケの構図ができるワケ【社内マーケターの苦悩】

こんな人にオススメ
 •営業部門とマーケティング部門の折り合いがあわない
 •自社内で内紛してる場合ではない
 •もはや対立構造が当たり前だと思い込んでる

事業会社でマーケティング部門の責任者をしているおかしを愛してやまないマーケターです。

組織に所属している以上、人の問題が必ず絡んでくる。
正直、めんどうくさい。。

合う人合わない人。仕事する人しない人。シンプルに腹立つ人。いろんな人たちが折り重なって会社の組織が成り立ってるワケで。

中でも営業部門とマーケティング部門の内紛は、どこの企業でもあるある。同じ志のもと、同じ組織に所属しているはずなのに、なぜこんなにも部門間の理解が進まないのか?

その原因を実体験を交えつつ、言語化してみた!


営業はマーケが嫌いで、マーケは営業が嫌いなのか?

マーケティング部門が、経営陣の指示により営業部門の課題を分析。目標数値と乖離が発生しているKPIを具体的に数値で示して、対策を立案。パワポやらエクセルで見てくれが立派な資料を作成。
いざ、営業部門に向けてプレゼンしてみると…

「それは季節性の要素が加味されていない」
「新人の教育期間だから一時的に下がるのは仕方がない」
「競合他社が期末で値下げ対応をしてきている」

データ上は正しい指摘をしたはずなのに、データでは拾いきれない変数を盾に批判的な意見がぞくぞくでてくる。

結局意見はまとまらず、営業部門は「マーケはデータばかりで現場のことがわかっていない」マーケティング部門は「データを正しく読み解かずに言い訳ばかりで改善されない」という遺恨だけ残して部門間の溝が広がっていく。

こんなやりとりが多くの企業で大なり小なり発生しているんじゃないだろうか?

「これはお互いが嫌いだから発生してしまうのか?」

いや。別に嫌いだから発生しているわけではない。
お互いを理解する。相手の頭の中を想像する。思考を同期する。

これらのプロセスがすっぽ抜けることで感情が刺激され、結果として対立関係が発生してしまうと私は捉えている。
(理屈よりも感情を優先してしまうのはあるある。。)

特に冒頭で記載した「経営陣の指示により」これが対立関係のトリガーになっている可能性がある。


マーケティング部門は「心臓」で営業部門は「手足」という勘違い

時折、社長や経営陣が公の場で、「企業の心臓であるマーケと手足である営業とが連動して動くことが大事」や「車で例えるならマーケはエンジンで営業はタイヤ。両者が噛み合うことで会社が成長する」みたいな表現をすることがある。

経営者がそう感じるのだからたぶんそうなんでしょう。
さらに、マーケティング部門の人間からするとそんな言われ方をしたら悪い気はしないし、なんなら誇らしくすら感じる。

一方、営業部門の人間からするとどうだろうか?

手足、タイヤと言われて、「自分たちが会社を動かしているんだ!」とポジティブに感じることができるだろうか?この表現を素直に喜べる人がどれだけいるだろうか?

なんとなく、マーケティング部門は「花形」で営業部門は「泥臭い」。こんな構図が経営陣の発言や日々の全社的な雰囲気から形成されてないだろうか?

営業部門が数字をつくっているのは事実だけど、マーケティング部門は上流工程を担当しているから偉いという勘違いをしていないだろうか?

マーケティング部門に優秀を気取ったなんか鼻につくやつがいないだろうか?本人がなにかを成したわけではないのに部門の皮を被って、自分が偉いと勘違いしているやつがいないだろうか?(ちょっとこれは私の偏見がかなり色濃い。。)

マーケティング部門は別に偉くないし、組織に上も下もないと私は感じている。「上流工程」という言葉の理解をはき違えて、「心臓」や「エンジン」と表現されることえ、あたかも自分たちだけが立派な仕事をしているんだという勘違いが日々の仕事や態度に出ることで、営業部門の感情を逆撫でる。上流、下流はあくまで役割の話であって、上下の話ではない。

これが営業VSマーケの入口だと私は捉えている。


営業現場の「変数」を理解していくことが第一歩

鶏が先か卵が先かならぬ、マーケが歩み寄るべきか営業が歩み寄るべきか。

私はマーケティング部門が歩み寄って、正しく状況把握する範囲を、少しずつでもいいから広げていく。これが部門間の紛争を解決する第一歩だと考えている。

では、どのようにして正しく把握を進めていくのか?

把握した内容を言語化して、営業部門はもちろんのこと経営陣も理解しやすい言葉に変換して社内の共通言語にすること。共通言語が常に最新で正しいかをアップデートし続けること。アップデートし続けるためには継続的に営業部門とコミュニケーションを取り続ける必要性が出てくる。

結局コミュニケーションの総量という当たり前の話になってくる。コミュニケーションを自ら繰り返し取り続けることができるか?
お互いの理解を深めるために。考えを同期するために。を粘り強く継続できるか?

冒頭に書いた
「それは季節性の要素が加味されていない」
「新人の教育期間だから仕方がない」
「競合他社が値下げ対応をしてきている」
これは営業部門がなにかしらの実体験から感じている事実である。この事実を一緒に紐解くことこそ、部門間紛争をなくす近道である。

経営陣に分析をしろと言われたからと言って、自分たちが見てる景色だけで分析をするのではなく、分析のスタートから営業部門を巻き込んで一緒に取り組んでいく。取り組んでいく過程で両部門の考え方が同期していく。同期させ続けるためにコミュニケーションを継続的に取り続けて、常にアップデートしていく。

「誰かがやってくれたらいいな」ではなく、「まぁめんどうくさいけど明日から私がやってみるか」を今からできるようになると、面倒な紛争に割く時間が減っていく…はず!


さいごに

いろいろ思い起こしながら言語化してみたけど

「巻き込む」

社内マーケターは、この能力をいろんな場面で問われるなと改めて感じた。

「広告宣伝費を確保するために、管理部門に稟議申請する」「新規のプロジェクトを動かすために経営陣に承認をえる」「広告代理店や制作会社に施策の意図を伝えて自社の優先順位を上げてもらう」

この辺りも少しずつ言語化できたら面白いかもなと思ったり。時間見つけて、言語化練習を継続していくしょぞん!

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