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19 インテリアにこだわる|インテリアで人生が変わった話

46歳・女性・おひとりさまが、最高の50歳になるためにしたい100のことをやっていく体験レポートを書いています。

今回は19個目「インテリアにこだわる|インテリアで人生が変わった話」


ひとり暮らしをはじめて10年間、私の部屋は、ずっとグチャグチャだった。

特に、服と本が多くて、溢れていた。

片付けだけじゃない。

料理もしないし、洗濯も嫌い。家事全般が嫌だった。

私は、生活力偏差値が20の女だった。

ひとり暮らしだから、別に誰かに文句を言われることもない。

迷惑もかけてるわけじゃないし、いいじゃないか。こんな風に、自分は生きていくのだと思っていた。

ところが、2023年にフランスに行って、ジヴェルニーにあるモネの家を見て、私は変わった。

モネは、大好きな日本画を、部屋中の壁という壁に飾っていた。部屋だけじゃない。廊下にも、階段にも、お風呂場にも、飾っていた。

びっくりした。日本の絵を好きだと知っていたけれど、ここまでとは!!

モネは、好きなものに囲まれて暮らしていたんだなぁ。

私の中にこんな気持ちが自然と芽生えた。

羨ましい。

私も好きなものに囲まれて暮らしたい。

そして、帰国後、私は断捨離をはじめた。

ちょびっとではない。本気の断捨離だ。

ほとんど全て捨てた。

ベッド、マットレス、テーブル、椅子、カーテン、本、服、靴、照明…。

3ヶ月くらいかけて、捨てていった。

捨てていく中で、実は居心地の悪さを感じながら、部屋で過ごしていたことに気がついた。

例えば、寝室の照明が眩しいって思いながら、過ごしていた。

キッチンでいちいち調味料をしまうのがめんどくさいと思いながら、過ごしていた。

無自覚の我慢をしていたのだ。

気がついていなかった。

断捨離を進める中で、五感を取り戻せた感覚があった。

自分の身体的な快・不快に気がつけるようになった。

さらには、精神的に気になっているものも、見つけられるようになった。

例えば、ちょっとでも嫌な思い出が付着しているもの、なんだか自分のエネルギーレベルを下げている気がするものも、見つけられるようになったのだ。

例えば、洗濯カゴなんて目に入っていないと思っていたけれど、ヨレッとしたプラスチックが目に入るたびに、嫌な気持ちになっていることに気がついた。

ハッと突然気がついて、耐えられなくなって、速攻で捨てる。みたいなことを私は数ヶ月繰り返した。

全捨てして、ガラんとした部屋。

ビフォーと比較すると、だいぶスッキリ。


ここから、私は最高の部屋を作ろうと思った。

きっかけは、友人の一言。

「部屋は、世界で唯一、自分好みにできる場所だよ。」

神の声に聞こえた。

たしかに、そうだ。

世の中は不条理も多く、自分の力も限られている。人生は思い通りにならないことだらけ。

そんな中で、自分の部屋だけは、自分の思い通りにすることができる。

食べ物だって好きなものだけ食べているわけにはいかないし、服だってTPOを気にしないといけない。

でも、部屋だけは!部屋だけは!
どうにでも、好き勝手にしていい!!


すごいことに気がつかせてもらった。

そこで、私もモネみたいに、自分の好きなものだけに囲まれて、最高に居心地よく、最高に楽しい部屋にしようと決意した。

ところが、自分がどんな部屋にしたいのか、全くわからない。

いろいろ写真を見ても、どれも素敵に思える。かといって、じゃあ、私は、どういう部屋にしたいかが決められない。

それから、私はインテリアを勉強しはじめた。

Youtube、Instagram、Pinterest、インテリア本を見まくった。

「クリエィティブの裏側」というインテリアを解説してくれるYouTubeチャンネルが面白くて、毎晩貪るように見ていた。

週末に青山ブックストアに行き、インテリアコーナーに行っては、気になる本を買って、付箋だらけにした。

東京の家具屋さんもまわった。

ちょっとづつ学んでいくうちに、いいインテリアを作るには、法則があることがわかってきた。

空間の使い方。例えば、フォーカルポイント(目立つ場所)を作って、どこに視点を持っていかせるのかを設計するとか。

光の使い方。例えば、ペンダントランプは、部屋全体を明るくするためのものじゃなくて、きらりと光るアクセサリー的な使い方するためのものとか。

色の組み合わせ方。例えば、木材の茶色は、白と組み合わせると、清潔感が出るとか。

形の組み合わせ方。例えば、全て直線だとつまらない部屋になるから、曲線も組み合わせるといいとか。

素材の組み合わせ方。例えば、プラスチックやステンレスなどの無機質な素材だけでなく、木材や革などの有機的な素材を組み合わせることで、いい雰囲気になるとかね。

いろんな法則があることがわかってきた。

その上で、結局「自分がどうしたいのか」という所に行き着くこともわかった。

だって、法則は理解した上で、自分はこれが好きなんだ!というものがあれば、それに突き進めばいいじゃない。

全て有機的な素材だとごちゃごちゃしちゃうよっていう法則があったとしても、そのごちゃごちゃが好きなんだ〜!って思うなら、そうしたらいい。

自分の部屋なんだから。

で、話を戻すと、

全ては自分がどうしたいか。

それを明らかにするために、憧れの部屋の写真を分析してみた。

そうしたら、家具のことだけを考えていたのでは、いい部屋は作れないっていうことに気がついた。

例えば、この椅子、素敵だなって思った。

でも、私がなぜ素敵かと思ったかというと、背景にある紫色のカーテンとの組み合わせで、そう思ったのだ。紫色のカーテンはなぜ素敵なのか。天井が高くて、たっぷりとした生地の量感が素敵なのだ。
つまり、家具だけじゃない、他の要素も大事なポイントだったのだ。

例えば、このインテリアも、素敵だなと思った。

でも、この素敵さは、机と椅子の組み合わせだけではない。この壁紙と床の色との組み合わせで、この家具が素敵に見えるのだ。家具だけでは成り立たないのだ。

このリビングも素敵だと思った。

なんで素敵かというと、この天井の高さに対して、この家具の配置をしているところがいいの。つまり、素敵なのは天井の高さなわけ。

というわけで、悲しいかな、家具だけでは、素敵な部屋ができないことがわかってきた。

天井の高さ、空間の広さ、壁の素材と色、床の素材と色、窓。

こういう空間の土台があった上で、家具をどう組み合わせるのかを考えないといけないのだということがわかってきた。

そこから、私は、自分の部屋を観察することにした。

空間が持つ制限の中で、何ができるかを考えないといけないのだと気がついたから。

私の部屋の天井は、日本の平均的な低い天井だし、空間だって限られている。私の憧れの部屋は再現できそうにない。

でも、今ある環境で最高の空間を作れなければ、いい部屋に引っ越したって、最高の空間は作れないままだろう。

今のベストを尽くしてみよう。

天井が低いんだから、家具だって、低めにした方が、部屋がすっきりする。空間だって、広くないから、私の好きなダークな色合いの家具は重たすぎて合わない。

こんな風に、今の部屋に合うベストを模索して、こういうリビングができた。

あくまでも、今のベストだから、まだまだ改善していきたいところ。

そんな中で、再びインテリア好きな友人が大事な気づきをくれた。

私は装飾に興味があるんだけど、その友人は機能に興味があったのだ。同じインテリア好きだと思っていたのだけど、関心の矛先が違った。

そこから、私はインテリアの「機能」にも着目するようになった。

「私が」勉強や仕事がしやすいテーブルの広さと高さは何か。

「私が」使いやすい調味料入れは何か。

こんな風に、私が求めている機能を考えはじめたら、さらに、あることに気がついた。

その空間で、自分が何をしたいのか。どんな気持ちになりたいのかを明らかにしないと、どんな機能がいいのかも選べない。

逆もしかり。何が嫌なのか、何が面倒なのかを明らかにしないと、それを排除した空間を作れない。

そして、私は、自分を観察し始めた。

私は、その空間で何をして、どんな気持ちになりたいのか。

それに着目して、はじめて買えたのが、このニーチェアだった。

私は、1人がけソファ、ラウンジチェアが、家具の中で一番好きなアイテムだった。でも、フカフカであること、美しい見えためであること、という視点でしか、選んでいなかった。

でも、私がいつ1人がけソファに座りたいかというと、お風呂後だった。

汗でペタペタして、髪の毛からのポタポタと水が落ちる。そして、シートマスクをベタっと塗った状態で、ダラっとしたい。

でも、美しいラウンジチェアでは、それができない。水滴もつけたくないし、シートマスクが垂れたら嫌じゃん。

私が求めている機能は、そんなこと一切気にせず、ダラっとできるチェアだった。

この素直な欲求を満たすために選んだのが、ニーチェアだった。

このチェアは、ふかふかクッションじゃないから、ちょっとくらい濡れても、すぐ乾く。もし汚れたら、カバーだけ変えられる。

水滴とか気にせず、ダラッと過ごしたい、私の素直な願望を叶えてくれる一品だった。

結果、私のお風呂後のリラックスタイムは、最高な時間となった。

あぁ〜、極楽、極楽。

こう思いながら、毎晩座っている。

というわけで、インテリアを学んでいくうちに、結局、自分をよく観察することが大切なのだということがわかった。

全て、自分が答えを持っている。

あぁ、なにかの名言みたい。

そして、これはインテリアだけじゃないことにも気がついた。

例えば、メイク。
部屋の土台(壁、天井、床、窓)がどうなっているか分からないと、いい空間作りができないのと同じで、自分の骨格、肌の色、パーツの特徴がわかっていないと、似合うメイクなんてできない。

ハイライトを鼻のどこに入れるといいのか、自分の骨格を見ながら入れられるようになった。

メイク薄い族の私だったけれど、少しづつ作れる顔が変わってきている気がする。

そして、お金の考え方も変わった。

何にお金を使いたいのか、私が主導権を持っているのだということがわかった。

これまで、お金の方が主導権を持っている感覚だった。いつでも振り回されている感じ?

でも、私がどういう人生を生きたいのか、そのためにお金をどう稼ぎ、どう使いたいのかを考える。こういう順番で考えるべきなのだ。

例えば、私は本が好き。
本代には、お金を気にせず買ってきてた。

でも、実は大事に読んでいるかというと、そうじゃないことに気がついた。積読もあるし、読んでも忘れてる。

大好きな本との関係を作り直そうと考えて、「本を買うのを節約する」という方向ではなく、「買った本を大事にする」という方向に進むことにした。

具体的には、読書メモをとって、カードにまとめるようになった。本との対話がより深くなった。

そして、生き方も変わった。

一言でいうと、自信が出た。

なんかね、このインテリアの勉強を進める中で、私が得た大きなものは、自信だったのよ。

インテリアは、人生ではじめての趣味だったのだけど、のめりこむものがある楽しさを知って、人生が豊かになった。

そして、私も、新しいことを、まだまだ学べるんだという自信ができた。

年をとると、新しいことって減っていくでしょ。私もジワジワ減って、なんか、人生の輝きを失われてたように感じていたの。

だから、また、自分も新しいことを学べる!って思えたことは、本当に嬉しい副産物だった。

なんなら、「私、なんでもできるんじゃないかな?」と思ってしまうくらい、自信ができた。

まだまだ最高の部屋作りも途中だし、たどり着けたわけではないけれど、もうすでに最高の体験ができている。

インテリアが、私の鈍っていた五感を取り戻し、何かに熱中する豊かさを教えてくれて、新しいことを学ぶという自信を与えてくれて、自分のことをもっと観察することの大切さを教えてくれた。

法則はある。でも、結局は自分次第。

To be continued…


読んでくださり、ありがとうございます(^^)/
自己紹介&サイトマップもぜひ読んでください。


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