マガジンのカバー画像

箱夢の詩集 第四集

220
詩のようなもの
運営しているクリエイター

#もぐら

【詩】流木

流木がある。 流木には色があり  形がある。 現在があり  過去があり  おそらく未来はな…

Tome館長
3週間前
9

【詩】真夜中のパッチワーク

いくつもの思い出   切り抜いて     喜び 哀しみ 切なさ      混ぜ合わせ   …

Tome館長
1年前
16

【詩】風まかせ

彼女は女の子で 僕の恋人でもなんでもなくて もちろん片想いの相手でもなくて そのへんにご…

Tome館長
1年前
18

【詩】誰もいない

静かな 静かな  月の砂漠  誰もいない  たまに隕石が落ちて  砂が舞う  でも それだ…

Tome館長
1年前
18

【詩】猫のKiss

ノラ猫とノラ猫の  そっと  くちづけするを見た  買い物の途中  赤き自販機の前にて  …

Tome館長
1年前
26

【詩】氷の音

深夜に飲み水を切らしてしまったので 冷蔵庫の冷凍室から氷を取り出して 陶製の器に山盛りに…

Tome館長
1年前
18

【詩】最後の一葉

病室の窓から大きなイチョウの木が見える。 窓辺に座ってスケッチブックを開き   鉛筆で写生を始める。 太い幹を描く。細い枝を描く。  一枚一枚、葉を描く。 それから水彩絵の具で彩色する。 幹を塗る。枝を塗る。  一枚一枚、葉っぱを塗る。 まだ秋になったばかりなので、葉は緑色。  そのうち秋が深まると、葉は黄色。 やがて冬になり、葉は散る。 最後の一枚を彩色する前に   最後の一葉が散ってしまった。 だから   スケッチブックのイチョウの木は     下の葉は緑

【詩】夜が泣く

いまにも泣きそうな   本当に泣いてしまいそうな     そんな夜がある。 みんなが楽し…

Tome館長
1年前
24

【詩】赤い花

かつて  地の果ての  戦場で見た   その草は   雨水では   育たないのだ  血を  …

Tome館長
2年前
16

【詩】凍った雫

銀色の  ナイフの刃先を  さっと  煌めかせ  切ったばかりの  傷口から  ドク  ドク…

Tome館長
2年前
19

【詩】親愛なる者へ

私はあなたが好きです。 あなたに好かれたい  とも思います。 お互いに好ましく感じている…

Tome館長
3年前
22

【詩】夜の静物画

枝に串刺しの  月明かり  蔓草に縛られた  石像の両腕  それら群像に  首はない   …

Tome館長
3年前
16

【詩】切れそうな糸

糸が見えるというのに  この糸が切れそうなこと    なぜ見えぬ?     夢見ておるのか…

Tome館長
3年前
26

【詩】雨女

ここは  雨女の通り道  傘も持たずに  通しゃせぬ  濡れたくなけりゃ  早くお帰り  途中で会っても  知らんぷり  目を合わせちゃ  いけないよ  めそめそ泣いても  いけないよ  同情なんか  もってのほか  濡れるのは  雨のせい  通り過ぎるのを  静かにお待ち  寂しいだけさ  雨女  一緒に虹を  見たいだけ  Rain Bringer Here is the path of Rain Bringer I can not let y