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箱夢の詩集 第四集

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詩のようなもの
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記事一覧

【詩】待つわ

印象のない街角で待っていた 通り過ぎてゆく顔のない人々 誰もかれもさびしそうに見える 手…

Tome館長
1日前
12

【論説】なんでもないです

難しいことを易しく言えない人は 易しいことまで難しく言う。 もし今、恋愛したい気分なら た…

Tome館長
3日前
9

【詩】腐った恋の物語

曲がりくねった地層の夕焼け  断崖に建てる朽ちた十字架  病気の蟹は泡を吹きながら  難破…

Tome館長
5日前
21

【詩】揺れる小舟

霧に煙る湖面に小舟   ゆらりろ ゆらりら    ゆれ ゆれて   おぼろ月ふたつ  櫓ろ…

Tome館長
6日前
8

【詩】乙女の落ちる

落葉よ 落葉   踏まれて つぶれて    土のよう   誰が踏んだ    みんなが踏んだ…

Tome館長
10日前
14

【詩】喪服

皆は僕に喪服を着せた。 そのまま僕は家を出た。 僕は外で待っていた。 日が暮れても待ってい…

Tome館長
2週間前
17

【詩】ケーキ

あさ ケーキをたべた   なまクリームのうえにひとつ    やわらかそうなかのじょのみみたぶ      ちょっとコリコリして       なかなかおいしかった         ナニヲキキタカッタンダロ ひる ケーキをたべた   なまクリームのうえにひとつ    なやましげなかのじょのくちびる      ちょっとヌメヌメして       とてもおいしかった         ナニヲツブヤイテイタンダロ よる ケーキをたべた   なまクリームのうえにひとつ    

【怪談】呪われた古城

ここは呪われた古城。 忌まわしき運命の吹きだまり。 床も壁も天井も すべて血塗られている。…

Tome館長
3週間前
17

【詩】千匹の虫

千匹の虫が這う 僕のカラダ   ケムシ ウジムシ ダンゴムシ    ムカデ ゲジゲジ ゴ…

Tome館長
3週間前
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【短歌】うたかた

うたかたの 淡き恋なら 言の葉の 針でつついて 割れてしまえと   Like a Foam If it is a…

Tome館長
1か月前
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【独白】行くところがない

ホント どこへも行くところがない。 森はとんでもないところだし  かと言って、池や沼では …

Tome館長
1か月前
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【語り】だまされている

君たちはだまされている。 こう言われて君は、そうだろうか と思ったのではないかな。 ある…

Tome館長
2か月前
11

【詩】ほんの少し前へ

少し 少し   ほんの少し    少しずつ 少しずつ   ほんの少しずつ    ほんの少しで…

Tome館長
2か月前
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【歌】信玄の歌

赤いちょうちん 紺のれん  いらしゃいの声聞けば  ここは地鶏屋 信玄よ  焼き鳥 つくね 手羽先 かしら  まずは一杯 栄町  お座敷それとも カウンター  こちらへと誘われりゃ  ここは遊び場 信玄よ  ゴルフコンペ ボウリング  あとで一局 碁も打てる  ねじり鉢巻き 恋もする  裏表 焼き妬かれ  ここは劇場 信玄よ  仕込みの辛さ 笑顔で拭い たまにゃ一曲 生ギター   Song of Shingen Red lanterns, dark blue noren