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箱夢の詩集 第四集

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詩のようなもの
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記事一覧

【詩】喪服

皆は僕に喪服を着せた。 そのまま僕は家を出た。 僕は外で待っていた。 日が暮れても待ってい…

Tome館長
3日前
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【詩】ケーキ

あさ ケーキをたべた   なまクリームのうえにひとつ    やわらかそうなかのじょのみみ…

Tome館長
9日前
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【怪談】呪われた古城

ここは呪われた古城。 忌まわしき運命の吹きだまり。 床も壁も天井も すべて血塗られている。…

Tome館長
11日前
15

【詩】千匹の虫

千匹の虫が這う 僕のカラダ   ケムシ ウジムシ ダンゴムシ    ムカデ ゲジゲジ ゴ…

Tome館長
13日前
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【短歌】うたかた

うたかたの 淡き恋なら 言の葉の 針でつついて 割れてしまえと   Like a Foam If it is a…

Tome館長
2週間前
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【独白】行くところがない

ホント どこへも行くところがない。 森はとんでもないところだし  かと言って、池や沼では …

Tome館長
1か月前
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【語り】だまされている

君たちはだまされている。 こう言われて君は、そうだろうか と思ったのではないかな。 あるいは、そんなことはない と思ったかもしれない。 または、そうかもしれない  なんて思ったり。 いずれにせよ、君は思った。 こう言われたために、君はそう思った。 つまり、反応してしまった。 与えられた刺激に対応してしまった。 そりゃそうだ。 刺激を無視するわけにはいかないものね。 置かれた状況によっては 命にかかわるかもしれないわけだから。 だけど君、それによって 君はだまさ

【詩】ほんの少し前へ

少し 少し   ほんの少し    少しずつ 少しずつ   ほんの少しずつ    ほんの少しで…

Tome館長
2か月前
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【歌】信玄の歌

赤いちょうちん 紺のれん  いらしゃいの声聞けば  ここは地鶏屋 信玄よ  焼き鳥 つくね…

Tome館長
2か月前
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【詩】緋牡丹おしん

桜散る散る 牡丹は落ちる  背中で咲いてる緋牡丹ひとつ  あんた あたいの花弁を見たんか…

Tome館長
2か月前
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【詩】しずくの音

眠れない夜 ポタポタポタと しずくが落ちる。 ふと大切なこと 思い出せそうな気がして 言葉…

Tome館長
3か月前
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【詩】桜吹雪のyaya

桃の節句は過ぎたれど  桜の咲くのはまだまだ先ね  ちょっとそこゆく おあにいさん  こ…

Tome館長
3か月前
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【独白】明日は晴れる

  てるてる坊主 晴れ祈願として 軒先に下げる、あれ。 首吊りにしか見えないんですけど。 …

Tome館長
3か月前
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【独白】ポリ袋

僕は そっちへなんか 行きたく ないんだけど 風小僧が手招きしたり 風娘が背中を押したり あれこれ 翻弄するものだから 仕方なく 突風に 舞い上がったり つむじ風に クルクル回ったり そっちの方へ そっちの方へと 吹き流され 引き寄せられて もう 地に足着かないまま どうにも こうにも 戻れなくなってしまって なんとも かんとも やるせない気持ちに なってしまいながらも なんにもならない なんにもなれない なにをしているのかも よくわかんない