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のら多言語話者は何が分かる?(9) のらねこ、日本語だって喋れないんだった

この記事を開いてくれてありがとうございます!
皆さんの中に「日本人が英語がしゃべれないのは英語力の問題じゃない」って話、聞いたことある方いませんか?

でもそういう記事って、結局なんの問題なのかズバリとは書いてないケースが多くて、個人的にはモヤっとします。
なので今回は日本人に足りないものを、なるだけズバッと言い切っちゃいたいと思いまっす!

どもどもこんにちは!
僕は個人・企業両用向け目標管理アプリ Project Sylphius の運営しております、TOMCAT HEART の中島と申します。
エンジニア生活25年の中で見てきた生きてて辛そうな人達に、暮らしは楽しくハッピーにできるということを知っていただくため、そしてそのためには目標管理が必要なのだと知ってもらうため、僕がやってきた色んなことをできるだけオモロく読めるように書き連ねております。

現在は “のら多言語話者は何が分かる?” と題し、様々な外国語をずっと勉強してきた僕が掴んだ、長く続けていける学習の進め方を連載しています。

1. 目標設定とセルフバインド
2. 基礎勉強の進め方
3. 当面の目標と勉強スケジュール作成
4. 語彙を増やすコツ
5. 目指すレベルの確認
6. スラッシュリーディングのコツ
7. セクションスタッキングのコツ
8. ヒアリング練習のコツ
9. スピーキング練習のコツ(今回)
10. アウトプットの大切さについて

バックナンバーもありますので、よろしければご覧ください。

外国語の話を上記のように進めてきましたが、本日はスピーキングのポイントについて、自分が知ってることを話したいと思います。

1. あなたがスピーキングができない本当の理由

単語をたくさん覚えて、文法だって理解できるようになって、文章が読めるようになり、次いで聞き取りもできるようになりました。
(まぁ、仮にあなたも なった とします)

ところで、もしこの段階で道端でバッタリ外国人と出会い、"Perdon, I'm lost my way. Where is nearist station? How can I go!?" と突然話しかけられたとしたら、巧く受け答えができるでしょうか。
この人が本当に困っている様子で、少しパニック気味に長めの文書をババババっと話しかけてきたとしたら、です。

多分ですが、日本人の平均的な英語力であれば、まともな受け答えはできないでしょうね。
あるいは、自信満々で絶対できると信じてたのに意外にできなかったとか、練習では完璧だったのにとか、そんな感じになるんじゃないでしょうか。

これ、なんでそうなるのかってぇと、ぶっちゃけ非常に簡単な話で、

外国語が分かる = しゃべれる

と理解してるからなんですね。
日本の都市内にある看板は大部分に英語が含まれており、しかもほとんどの日本人がそれを問題なく理解しています。たとえばフランス人なんかか見ると、これは “英語ができる” の範疇なんですよね。
にもかかわらず、大部分の日本人が「私は英語が分かりません」と自己紹介します。そしてその根拠の大部分は、理解できるけどしゃべれないからだったりするワケです。

でもね?
不思議なことが1つあるんですよ。
筆記テストではそこそこ点数がとれるのにスピーキングだけができない人って、奇妙なことに日本人同士の雑談も苦手なんです。
(もしくは本人は苦手意識がなくても「おまえの話は分かりにくい」と指摘されがちか)

つまり、

・文法が理解できて
・語彙も十分にあって
・ヒアリングもできて

でもトーキングだけができないという人は、ようするに言語能力の問題じゃないんですよね。
雑談にもそれなりに準備がいるという認識が足りないだけのケースが圧倒的に多数なんです。

2. 日本語の雑談練習から始める

日本人同士で日本語で会話をするときでも、雑談の前に何も考えずにとりあえず話し始める人はいません。
少なくとも何をしゃべるか考えてから口が動き始めるはずで、何も考えてないのに口だけが自動的に動き始めたら、それはそれでそういう病気でしょう。

このとき、“日本語では表現できることが外国語で表現できない” なんてことがあると、「自分にもっと言語力があればしゃべれるのに」と思ってしまいます。
でもそれは誤りで、言語力は高ければ高いほどどんな表現でもできるようになるわけじゃありません。
大学の偉い言語学の先生の言語力は相当高いと思いますが、だからってギャル同士の会話にはついていけないでしょ?

だとすると大学の先生よりギャルの方が言語力が高いってことになる?
そうじゃないでしょ?

でも言語学の偉い先生だったら、ギャル語を覚えてギャルが好む話題を準備して万全の準備をすれば、まぁなんとか会話についてはいけるでしょう。
つまりどんなに言語力や表現力が高くても、準備してなきゃしゃべれないのは普通のことなんです。

僕は、英語(とかイタリア語とか)でしゃべる練習をする前に、まず日本人に日本語で話しかける練習をしました。
これはそういう理由です。

このとき、ポイントになるのは3つ。

1. あらかじめ話題を決めて話しかける

通常多くの会話において、文章はとっさに考えるんじゃありません。
とりわけ雑談の場合、通常多くの人はしゃべる数時間以上前からネタを用意して、チャンス到来となったときに満を持して口を開くことが多いです。
ときには、朝から用意した話題を夕方しゃべったり、何年も温めた鉄板ネタをある日突然使うことだってあるでしょう。
話しかけられて初めて頭が回転し始める人で、雑談上手な人というのは個人的には会ったことがありません。

「雑談になったら何をしゃべろうかな」と、頭の中に常にストックしておかないといけないわけです。

2. とりあえず褒める

それから、本質的に会話とは、トークを通じて互いを認め合うことが目的の行為です。
決して情報伝達して終わりではありません。
なので、会話の中で人を褒める気がない人(=そもそも全く褒めない人)は、会話の目的を果たす気がないのと同じことになります。

別に無理して褒める必要はなくても、チャンスがあれば(=隙あらば)褒めるくらいがちょうどいいのです。

3. 質問しないのは失礼なこと

僕自身もかつてそうでしたが、雑談下手な人はとにかく質問をしません
通常、雑談というのは「質問して」⇒「答えて」の繰り返しですから、なのでこちらからも質問をしないと結果的に自分語りばかりになってしまいます。

そういう人は「だって何も浮かばないんだもん」と思うかもしれませんが、だからといっても質問を全くしないのは相手に失礼です。

だって、質問が浮かばないって、要は相手に興味がないってことでしょ?
どんなにニコニコ笑って愛想よく対応しててもさ。

もちろん、全然質問してこない相手に「こいつ失礼だな」とか思っていいわけじゃないですが、でも自分に対してはそう思っておいた方がいいです。
方がいい っていうか、そういうふうに思った方が “” です。

また、地雷を踏むのが怖ければ無難な質問をすればいいです。
無難な質問であれば、たとえそれがその人にとっては地雷でも「またか、、、」くらいに思ってもらえます。


とまぁ、語彙も文法も人並みで、文章が理解できてヒアリングだってそこそこな僕が、唯一トーキングだけが最後までできなかったのは、上記3つが壊滅的にできていなかったからなのでした。
偉そうに言ってるけど、僕だって最初は初心者だったのよ?

“雑談初心者” って言い方すると笑う人は笑うかもしれないけど、その雑談ができなくて悩んでる人はめっちゃ多いし、“雑談の仕方” ってタイトルの本だってメタクサ山ほど出版されてるんだからね?

3. 同じことを外国語でやるには?

で、話は変わって、今度は日本人同士の日本語による雑談に問題がない人。

そういう人が外国語のときだけスピーキングができない場合、それは結局言いたい結論を意識しないで、思いついたことをとりあえずしゃべる、ということを普段からやっているケースです。
日本人に対してだったら「確定申告は早めにって言ったじゃん! そういうとこだよ!」ってスラっと出てくるものが、あれ、確定申告って英語でなんていうんだっけ? とか、人を強く非難するときの “そういうとこ” って英語でどういうの? とか考え始めると何も浮かばなくなるわけです。

こういうときは、当然ながら、すでに知ってる語彙に置き換えて表現するしかありません。

で、その置き換えるときにポイントとなるのが結論で、雑談において結論は大部分が「私はどう思うか」の感情論のところです。
だから大事なのは自分の感情を文章で表現することなのですが、でもそれが普段からできてない人は多いです。
そんな人は、日本語の “そういうとこ” という単語の固有のニュアンスを正確に外国語に変換しようとして悩むことになります。

上記の「確定申告は早めにって言ったじゃん! そういうとこだよ!」という言い回しの場合、もしこれを正確に英語に訳すなら "You have to make a document for returning tax quickly! It is your that!" などになり、それは時間をかけて調べれば分かるかもしれません。
(この文章を書くために、僕も3~4分ほど調べましたww)

ですがよくよく考えたら、「そういうとこだよ」という言い回し、日本語的にどうなんでしょう?
主語も述語もないし、強い非難の感情があること以外、何が言いたいのかはっきりしない言葉です。
そんな、もともと訳の分からない言葉を、外国語に訳す価値なんてあるんでしょうか。
日本人同士ですら通じない言い回しを、しかも文法論に基づいて正確に外国語に置き換えたところで、伝わらないものは伝わりません。
そんなの無駄な努力の典型です。

なのでこういうときは、

"You're so lazy!" (あなたは怠惰だ!)

これでいいんです。
もし "lazy" という言葉を知らなければ、"It's too slow very much!" なんて言い方もできるかもしれません。

今回の例で結局言いたかった結論(=感情の部分)は、ようするにこの会話相手に怠惰が過ぎると伝えたかっただけですからね。
なので、余計な情報を付け足さなくても、それを直接訳せば非常に簡単な単語だけで感情が表現できてしまうし、何より感情を簡単な単語で表現する方が伝わりやすいのです。

それが証拠に、昨今のギャルの方々におかれましては大変失礼ながら語彙力にかなり問題のある方も多いとお見受けいたしますが、でもギャル同士はちゃんと会話が成立してるよね?
なんでかって、簡単な言葉で感情を伝え合う方が、会話は成立しやすいからです。

4. ようするに外国語での雑談のポイントは

1. 話題は予め考えておく。そして予め訳しておく
 (特に褒め言葉と質問大事!)
2. 言いたいことを正確に訳すんじゃなくて感情を表現する

外国語での雑談ポイントはこの2つであり、なおかつ、トーキングの練習も上記に基づいて行えばいいだけのことなわけです。
ビジネスマンがビジネストークをするにしろ、外国人の友達と外国語で雑談するにしろ、あらかじめ言うことが決まっていれば練習のしようもあるし、逆にそれが決まってなければ練習しようがありませんからね。

あとは、Lang-8 なり、Tandem なり、HalloTalk なり、なんでもいいから相手を探すだけ!

どうしても相手がいなければシャドーイングでもいいし、トーク相手じゃなくてチャット相手ならいるんだけどなって人は、チャット欄に書いた自分の文章を読んでもいいんだし。
シャドーイングや音読は相手が自分の声を聞いていないので、ちゃんとできてるのかは分からないかもしれないけど、だからといって だったらやらない方がマシ なんて理屈にはならないのです。

あとはとにかく数をこなす!
ちょっと遠回りでかなり寄り道も多かったですが、無事にここまでたどり着ければ、そのときはいよいよ「あとは場数をこなすだけ」と、このときに至ってようやく言うことができるわけです。

ではまた。

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ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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