のら小説家に何が書ける?(8) のらねこ、ネタが集まらない
ご覧いただきありがとうございます!
この のらねこに何ができる? では、目標管理スキルを覚えれば毎日いかに楽しくなるのかを皆さんに実感していただくべく、いわゆる“正しい努力のやり方”というものを、具体的に実践形式でなるだけ面白く書いてお送りしています。
そんで執筆者の僕は、目標管理アプリ Project Sylphius の開発・運営を行っている TOMCAT HEART の中島といいます。
ファーストシリーズの現在は“高クオリティ小説の王道な書き方”。
よろしければバックナンバーもご覧ください。
ファーストシリーズ最終回である今回は、今までに作った設定を実際の設計図としてボトムダウンしていきます。
1. 悪役の悪役らしさは一言に集約できない
まず細部を考えるために、悪役の悪役らしい行動について考えます。
なぜなら、今回の物語は主核となるコンセプトが“ブラック上司に仕組みを使って ざまぁ する話”だからです。
このコンセプトに忠実であるためには、悪役がラブリーチャーミーなカタキ役ではダメなんです。
本当に誰が見ても「こいつは罰されるべき」と感じさせるような、殺意を掻き立てる人物に描かなければいけません。
それが ざまぁ 系のストーリーの醍醐味です。
そのために、悪役キャラはどんな人物にすべきでしょうか。
設定をしっかり強火で煮込んでいきましょう。
ぐつぐつぐつぐつぐつぐつ
はい、そういうわけで、30分ほど煮込んだテキストがこちらになります。
、、、ごめん、白紙!!!!!!
ヤバい! なーんも思いつかん!!
マジなんだろう? そもそも悪役ってどんな人のこと?
悪い人ってどんなことするのが普通!?
ゴミを水曜日に出すのが悪い人?
ペットボトルとかポイ捨てすればOK?
捨て猫にヌルくてマズい低脂肪乳とか飲ませるのは悪党!?
分からない!!
あ、そうだ! 過去に出会った嫌な上司のことを思えばいいんだ!
ニヤニヤ笑いながら言いがかり付けてきたアイツだよ、アイツ!
。。。。。。。。ああもう、ムカつくニヤニヤしか記憶にない!!!
はい、えーと、、、、、結論として、悪役らしさというのが何なのかはよく分かりませんでした。
少なくとも僕は自分では自分を悪人だなんて思ってないし、そんなパッと出せって言われたって分からんもんは分からん。
そもそも、人間の行動を簡単に集約しようとするのが無理のある話で、悪役の悪人らしさは、本人の行動にしか現れてきません。
読者は、ストーリー上の行動の1つ1つを見て「こいつ悪い奴だ」と感じるのであって、設定資料に“悪役”と書いておけばいいわけではないのです。
・子供のかわいらしさ
・リーダーのリーダーらしさ
・ひょうきんキャラの面白さ
なんでもだけど、人間のアイデンティティは一言に集約はできないんです。
なぜなら人間の“らしさ”とは、普段の行動1つ1つの合計だからです。
このような一言に集約できない情報は、ネットで調べて30分で一気にリストアップとかはできません。
時間をかけて少しずつ集めるしかどうしようもないのです。
2. ネタ帳を準備する
なのでこういうときは、ネタ帳を準備するとしましょう。
僕の場合、普段こういったネタ集めの類を行う時は Google Keep というアプリを使用します。
スマホのホーム画面にウィジェットとして張り付けておけば、思いついたときにすぐにメモできるからです。
ネタ帳は、思いついたら即座に書ける状態にしておくのが大事。
スマホの方が機能が多いとか、紙の方が味があるとか、そういった感情論は関係ありません。
なぜなら、ネタはいつ思いつくかをコントロールできないことだからです。
集めようと思わなければ自然には集まらないうえ、集めようとしても簡単に集まったりはしないのがネタというものです。
ですから、使いやすいものを何でも好きに使えばいいですし、思いついたら即座に書けることだけが唯一の要点です。
具体的には、思いついてから10秒以内にメモできる状態にしておくのが重要です。
なので、24時間ずっと持っていても邪魔にならず、うっかり忘れたりしないようなものをネタ帳として使います。
通常多くの人は、手帳かスマホのどちらかを使うことになるでしょう。
また、ネタ帳は準備しただけでは翌日にはその存在を忘れてしまう可能性が高いので、思いついたときに書くだけでなく、ネタ集めを行う時間を意識的に確保することも重要です。
僕の場合は、**のらねこに何ができる?**の執筆をしている時間が決まっているので、その作業時間の一部を使うことにします。
3. 集まったネタを あらすじ に組み込む
ある程度ネタが集まってきたら、それをあらかじめ あらすじ に組み込んでおきます。
前回、あらすじ はこんなふうに書いたと思います。
で、このシナリオに、集まったネタを組み込むことによってより細かくします。
このとき気をつけるのは、ネタ帳に集まったネタを適当に面白そうな順番で使うわけではないということです。
ストーリーのクライマックスシーンでの主人公の行動はすでに決定しているので、その決定と矛盾が生じないように組み立てないといけないからです。
今回のストーリーでは、主人公は「見返りを求めない人間関係はおかしい」と気づきます。
ですので、主人公がうまく仕事を抱え込み、無償でどんどん働いてしまうような順番で、悪役が仕事を押しつけてくる必要があります。
ですが悪役の行動がデタラメだと、なぜそんなに主人公が一生懸命なのかが読者に伝わりません。
読者が「自分が同じ立場でも、主人公のように行動するだろう」と感じるような順番で、悪役が悪事を働くことが重要です。
ですので、ネタは悪役の嫌なヤツ感が最大化するような順番で使用されなければいけません。
ラブコメの場合はコメディネタを、ミステリーの場合は謎を、ギャグマンガの場合はジョークを、同じように効果が最大化する順番に並べます。
今回の場合、悪役は主人公に、徐々にエスカレートするような順番で仕事を押しつけてくるように並べるとしましょう。
そのためには、思いついた瞬間には「ぜひ使いたい」と思ったような凄くいいネタを、シナリオと合わないという理由で捨てる必要だってあるかもしれません。
仮にそうなったらそれは残念ですが、でも仕方ありません。
なぜなら今回は読者を楽しませることが最優先なのであって、自分が楽しむのはあくまで2番目の目的に過ぎないからです。
どんなシーンをどんな順番で描くか、今までに考えた様々な設定をどこで使うかなどなどを、ノートやカードなどにまとめましょう。
4. シノプシスを整理して執筆開始!
さて、今度こそ執筆に必要な情報が全て集まりました。
あらすじ を改めて整理し、最終的にシノプシスと呼ばれる台本のようなものを作ります。
まず、起承転結の4行だけだったシナリオを
こんなふうに章だてた一覧に直します。
物語が短編なのか長編なのかはこの段階で決まります。(今回は長編小説ですね)
で、それらがそれぞれどんなシーンなのかをさらに補足するとこうなります。
(長いので全部読まなくていいですよ!)
この一番長い状態のテキストのことを“シノプシス”といい、小説の場合はこれが最終的な設計図となります。
ラノベを書くのが趣味の学生さんなんかは「作品が長くて友達がなかなか読んでくれない」なんて あるある だと思いますが、そういう人はシノプシス(略してシノプ)を見せればいいです。
この段階で面白さが伝わらないようであれば、それは頭の中が十分に整理できていないことを示すので、面白さが伝わるまで修正するといいでしょう。
で、あとはこれを順番通りに物語にしていくだけです。
とまぁ、本来だったらここで何日かお待ちいただく必要があるのですが、実を言うとすでに執筆したものがこちらにございます。
エンジニアたるものネコに手も貸したい
もちろん一瞬でパッと作ったわけじゃなくて、実際には1ヶ月くらいかかっています。
今回お教えしたノウハウは、別に長編小説を書く場合に限らず、短編小説・漫画・ゲームシナリオのほか、企業がブランディングするときのストーリー作りなんかにも応用できます。
やってみたい方は、こちらにも手順をまとめておきましたので、ぜひ使ってみてください。
シルフィウスフレームワーク・小説の書き方
さて、これで小説の書き方のシリーズは完了です!
次回は“のら外国人に何が覚えられる?”と題し、新しい言語を新たに学習するときのやり方を目標管理に沿ってお送りします。
実は私、こう見て読み書きだけなら複数の言語が理解できましてですね。
日本語、英語、イタリア語の文章が読めます。それにスペイン語、フランス語、ドイツ語も少しだけ。
どうやってこんなにたくさん覚えたのか。
次回からそのやり方をシェアしていこうかなと思います!
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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TOMCAT HEART / 目標管理アプリ Project Sylphius
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