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のら努力家は日本語わかる?(4)のらねこ、やる気の高さを数値化したい
突発的に「ちょっとやってみたい」って思うこと、ありますよね。
サッカー、キャンプ、プログラミング教室、楽器などなどなど。
街にはテレビ中継・広告・ハウツー本などの誘惑であふれています。
でも通常多くの人は、それを実際にやることはありません。
だって自分自身にやる気があるかなんて分からないし、続くかどうかも分からないからです。
やってみたら意外と楽しくなかった、なんてこともしばしば。
そんなとき やる気の大きさ を数値化できたらいいと思いません?
それができるんです。
今回はそれを紹介します。
はい、皆さんこんにちは。
もしくは初めて見つけてくださった方、ありがとうございます。
僕は TOMCAT HEART の中島と申します。
目標管理アプリ Project Sylphius の開発・運営を行っております。
このコラム のらねこに何ができる? では、自分で自分をハッピーにしていくのに最も重要なスキルである “目標管理スキル” をより多くの人にお届けするため、僕自身が自分で計画して自分で達成してきたことを実践形式で、かつなるだけ楽しい文章でお届けしております。
現在は “のら努力家は日本語わかる?” と題し、努力が続かない人達が勘違いしがちな言葉・概念について、正しい認識の仕方を紹介する内容となっています。
今週は、やる気の大きさを計測することはできない、という認識は間違いだ、という内容。
全体の執筆計画はこちら:
1. “正しい”ってどういうこと?
2. “責任を果たす”って何をすること?
3. “特技”を聞かれたら何を答えればいいの?
4. “やる気”や“愛”の大きさを数値で計る方法(今回)
5. “ちゃんとやる”って、何を?
6. “ちょっと考えれば分かる”って本当?
7. “最優先の業務”よりも大切な仕事
8. “休む”って何をやること?
9. “努力”という言葉が嫌いだなんて絶対おかしい
10. PDCAとかOODAとか、考えすぎじゃない?
バックナンバーもありますので読んでみてください!
1. 定性情報は数字化できない?
一般に、やる気の大きさは数値化できない、とされています。
それから “愛” なんてのもそうですね。
このような、数値化できない情報のことを “定性情報” といいます。
(逆に テストの点・ジャンプ力 などの数値で示せるものは “定量情報”)
世の中的に、定性情報は数値計測できないことになっています。
なので企業が自社製品に対する好感度なんてものを調べるときも、ユーザーの感想文をとにかく数集め、それを担当者が1つ1つ読んで製品の好感度を主観的に判断する方法がよく用いられます。
ですが実際には、定性情報の中にも実は数値化できるものが結構あります。
たとえば視力――。
かつて中世・近世時代には目の良しあしは他人が知りえないことでしたが、19世紀末の眼科医エドムンド・ランドルトが基準を作り、数値での計測ができるようになりました。
この逸話のポイントは、ランドルト先生は視力の良しあしを C マークの向きで計測する、という方法論を考えただけである点です。
彼は別に装置とか発明したわけではありません。
ただルールを整備しただけです。
つまり世の中で定性情報とされていても、基準があれば数値計測は可能なのです。
にもかかわらず、一般には やる気・愛 は計測できないとされています。
その理由としては、数値計測されたら困るからなんて事情もありそうではありますが(笑)、最たる理由は無理やり作られた基準では、誰もを納得させることはできないからでしょう。
だったら、誰もが納得する、無理やりじゃない絶対基準を用意してあげればいいだけのこと。
人類全員に対して平等で、誰にも覆しようがない やる気・愛 の基準。
それは “時間” です。
2. やる気の大きさ = 時間の長さ
人類全体に対して真に平等な絶対基準といったら、“その物事(または人)のことをどれだけ長く考えているか” です。
この基準では客観的な機械計測はできませんが、自分自身のことについて思い起こすだけなら十分に可能です。
本当にサッカーが好きなら、空いた時間の多くをサッカーに関する思考に費やしたり、または別の物事を全てサッカーとどれだけ関係しているか、という基準で考えたりするでしょう。
そのような思考がなく、本当に練習中しかサッカーのことを考えていないのなら、そのような人に やる気がある とは言えないでしょう。
また、彼氏がどれだけ彼女のことを愛しているかも、時間を基準にすると(理論上かつ主観的にであれば)計測することができます。
この計測方法のポイントは、彼女のことを考えている時間だけではなく、その関連事項のことを考えている時間も全て加算することです。
彼女を喜ばすためのアイデアを考えている時間だけではなく、もし彼氏が労働する理由が彼女のためであるなら、労働の時間は全て加算できます。
かつてピカソは「30秒で描いた絵に1万ドルは高すぎる!」とクレームを受けた際、「この絵は私の芸術の集大成。だから制作時間は30秒ではなく、30年と30秒だ」と答えたとの逸話があります。
この話自体は事実ではなく、一説にはエルンスト・ゴンブリッチがジェームス・ホイッスラーの逸話として紹介したものが湾曲されたのだそうですが、たしかにプロの芸術家が技術の粋を結集して作った作品を、単純制作時間だけで評価するのは無理がありますよね。
その前後の思考時間も計算に入れないと。
僕だって、人工知能を使った感情解析システムを2週間で作りましたが、ソフトウェアエンジニアとしての下積みなしにそんなことできたかってぇと、絶対に不可能でしょう。
(Project Sylphiusに搭載している心見透かしエンジンのことです。無料だから試してみてね)
そのように、思考時間の全てを含めて考えれば、やる気・愛 の大きさと時間の長さはほぼ正比例する、と言えるようになるのです。
3. やる気の大きさを客観的に計測するには?
ただし やる気の大きさ = 時間の長さ という理屈だと、あくまでも主観的に本人の頭の中でしか数えることができません。
だとすると、「自分にはやる気がある」ことや「僕がどんなに君を愛しているか」を、客観的に証明することはやっぱりできないのでしょうか。
いいえ。
(一部の人にとっては残念なことに)やる気を客観的に証明する方法は、実はとっくの昔に発明されています。
発明されてるってぇか、いつ発明されたんだか分からないくらい古い時代から、方法論としては存在しているのです。
まぁ、答えを言ってしまうと当たり前のことですが、統計学を使えばいいんです。
なぜなら統計学とは、本質的に “人間の感情を数字で表す” ために発達した学問だからです。
たとえば以下の質問は、いずれも一見すると数値化はできないように見えます。
このレストランが美味しいかどうか
当社のサービスをまた利用したいと思うかどうか
のらねこに何ができる? の記事が役立つかどうか
ですが、統計学によくある手法を使って質問文を書き換えると、
このレストランは五段階評価で何点?
当社のサービスをまた利用したいと答えた人の割合は?
のらねこに何ができる? の記事が役立つと答えた人の割合は?
ほらね?
本来だったら数値化なんか絶対できないはずの、感情論の数値化ができるようになりました。
この理屈を利用すると、たとえばやる気がある人ほど “はい” と答える割合が高くなる質問をたくさん用意することで、やる気の客観計測ができるようになります。
その質問に はい と答えた数を数えればいいんです。
(もちろん嘘をつけばごまかしはできてしまいますが、でもそれは計測をごまかす方法も同時に存在するだけで、今回の方法が計測法として無意味なわけではありませんよね)
4. 自分のやる気を証明しよう!
たとえば、いますよね――。
新しい挑戦をしようとするとどこからともなく現れて、「おまえなんかできっこない」とか知ったふうな口を聞いて、そのくせ余計なお世話的なこと言って去っていくウザいヤツ。
そういう人を回避できないのも、自分のやる気を客観計測できないからこそです。
だったら、やる気を客観計測する方法がここにこうしてあるんだから、やる気を証明してあげればいいだけのこと。
ここに1つ、本屋で新しいハウツー本に興味を持って、その本を買うべきかどうか悩んだときに使えるチェックリストを用意してみました。
自信を持って「はい」と言えるなら2点、「多分はい」なら1点、それ以外は0点とし、その合計があなたのやる気の高さです。
学習時間(練習時間)が1日5分でよいとしたら、その学習(練習)を3ヶ月以上かつ土日祝日も含めて毎日継続できると思うか
本を買う前の段階で、学習方法(練習方法)のイメージが少しでもあるか
くだらないものでよいとしたら、他人を喜ばす成果が得られると思うか
くだらないものでよいとしたら、目標が思い浮かぶか
この物事に対する賛同者が身の回りに現れると思うか
この物事を続けていったら、称賛の声が得られると思うか
この物事を継続するために必要なお金を、出し続けることができるか
3日後にこのチェックをしても、数値は(少ししか)変化していないと思うか
2年後に取り組み続けている自分を想像できるか
機会があれば、やってみてくださいね。
とりわけ「こんなことして僕は本当に楽しいのかな、、、」とか悩んだときとか、頭の中でやってみるだけでも精神的に楽になりますよ。
今回のこのやり方で、自分の楽しみを自分で増やしていける人が1人でも増えればいいなと思います。
ではまた次回。
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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TOMCAT HEART / 目標管理アプリ Project Sylphius
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