建築士さんとのおしゃべり

昨日、早朝に夫が出かけた後。

あ”ー今日はゴミの日だった。
いつもありがと、と思いつつ、
今日は、私が行かないとね。

ゴミステーションまでの
８０段近い階段を降り、
お天気がいいので、ついでにぐるっとお散歩。

散歩が気持ちいのは分かってる。
でもなかなかね。

しばらく行くと、
ご近所の犬のお散歩の人たちが。
私の前を、ゆっくり歩かれているので、
「おはようございます！」とだけ言って、
抜かしていこうと思っていたら、
あちらから話しかけてくださった。

この豆柴は老犬で、１４才！
毛並みもいいし、
足取りもしっかりしているので、
びっくりしていると、
「ここの環境がいいからですよ」と。

私の家の前まで来ると、
老犬くんが、ピタッと止まって休憩モード。
そのまま私たちもおしゃべり。

その方は、元建築士さんで、
椅子のデザインなども手掛けていたとか。
へぇ！知らなかった。

そして。
「こんなおじいさんが言えるのはね…」
と始まったのは、

みなさんが、
家を建てられるときに
よく相談されるのは、
家の間取りだとか、
デザインだとか、
そういうことが多いんだけれども、
本当に大事なのはそんなことじゃないんですよ。

一番大事なのはね、土地なんですよ。
どんな土地を選ぶか、という
最初の動機がすごく大事なんです。

　ほぉ！
　それ、うちの夫も同じこと言ってます。
　そこからくるお悩みけっこうあるんです。
　それを選べない人はとても多いけれど、
　選び直すという選択はあるかもしれない。
　なんて、そんなことは言わなかったけど。
　私たちが、引っ越し先にここを選んだ
　理由のひとつに、
　地盤が安定していて、
　災害が少ないことをお話しした。

そう。
便利がいいとかじゃないんです。
ここなんか、不便極まりないでしょう。
でも、ここはいいですよ。
古墳がたくさんあるでしょう。

　そう。
　その方の家の隣にも、
　わが家の真裏にも、
　この山には、見飽きて忘れちゃうくらい、
　小さな古墳がいーっぱいありすぎるほどある。

昔の人は、
自然環境しかない中で、
何かを感じてここに古墳を立ててるんです。
古墳のある場所に災害は少ないですよ。
それに、古墳があるから、
そこには建物が立たなくて景観が守られるでしょ。

　そうそう、そうです。同感です。

そして水。
海を見て機嫌が悪くなる人はいませんよね。
海、川、湖、水は人を穏やかにしてくれますよ。
私は今、物書きをしてるんですが、
この場所は創作活動には最高の場所ですよ。
自分の持っているもの、
人生の中で培ってきたものを、
ありのまま出してくれるんです。

　わおー、このおじさん、カッコいー。

そこまで話し終えると、
また別の犬の散歩の方がやってきた。

老犬くんは、休憩モードが終わり、
元気なワンちゃんの後を追いかけるように
動き出したので、おしゃべりも終わり。

　ありがとうございました！　
　お話、気持ちよかったです！

と挨拶すると、
笑顔で歩いて行かれました。

このお宅は犬好きで、
うちのお客様が連れて来られた
ワンちゃんがいなくなってしまって、
みんなで探したとき、
ここのお家に保護され、
美味しいご飯まで
ごちそうになっていたことがあった。

でもこんな方だとは知らなかった。

ここに家を建てて暮らしている人たちは、
この土地と景色を、
心から、こよなく愛しているというのが
強く共通している。

うちは、
ご縁あって家をお借りしているだけで、
他の面では、みなさんにはとても及びませんが、
この景色への愛だけは、
いっちょ前に皆さんと同じくらいだと思う。

だから、
ピュアな土地愛の話を聞くのは好きです。

今朝も、
私がゴミ出しを買って出て、
ついでにお散歩したけれど、
今日は誰にも会いませんでした。
だけど、秋の風と、鳥のさえずりと、
朝日が気持ちが良かったー。

夫は今朝また、
幸せの師匠に会えて、
幸せな気持ちになったようです。
師匠、今日は金色のオーラに包まれていたとか。
いいですねぇ。