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ルッキズムから抜け出したい②


大学2年生の夏休み、失恋を経て一念発起した私はセルフプロデュースを始めた。「とりあえず良さそうなものは色々試す」と手あたり次第。

前髪を伸ばして、メイクを研究して、ダイエットして、服の系統を変え、まつエクをしてという風に色々な手を尽くした結果、当社比でアップデートできた。(本当は比較写真を見せたいくらい)

夏休み明けに友達に会ったとき、「可愛くなった」「なんか違う」って女の子たちに言われて、心なしか男の子たちからの対応も変わった。優しくなったっていうよりも、話しかけられたり、輪の中心になることが多くなった。合コンに行っても今までよりも手応えを感じたし、大学一年生の頃から何回か合コンの幹事として会ってた男の子にも「本当に可愛くなったね!」と言われて、前よりも頻繁に誘われるようになった。
今までは他の女の子がいじられたりしている横で愛想笑いをしていた私にとっては、見える世界が違いすぎて、驚いて嬉しくなってワクワクした。こんな感じで、少し外見を磨くだけで中身は何も変わってないのに周りからの反応が変わった気がした。

そんな中、見た目で態度を変える男の子たちに対してはやや複雑な感情を抱いていた。これはうまく言語化できないんだけど、「見た目で態度を変えるなんて女性のことをなんだと思ってるんだろう。でも確かに私自身自分のタイプの見た目の相手だと緊張したりもするし、気持ちはわかる。でもなんかモヤモヤ、、」みたいな感じ。
見た目を磨くことで、この世の中は可愛くないと幸せになれないと確信した。そして世界はルッキズムに溢れていると知った。

ただ今から思い返すと、「外見が変わっただけ」と言っているけど、そらだけではなかった。外見の変化というよりも、容姿を磨くことで自分に自信がついたから積極的にコミュニケーションをとれるようになったり、周囲からの態度をポジティブに捉えることができるようになったという側面も大きい。

となると、私が一番容姿に執着しているのかもしれない。「ルッキズムに捉われた世界はよくない」と思いつつ、一番ルッキズムに捉われているのは自分自身なのかと新たなモヤモヤを抱くようになった。


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