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スイカの皿敷き

スイカの皿敷きといってピンとくる方はなかなかのスイカ好きか、スイカ農家かのどちらかと思います。

今回はスイカの皿敷き作業について紹介します。

皿敷きを行う背景

スイカは、交配・摘果後、放っておいても大きくなります。しかしながら、何もしてやらなければ、スイカの地面に面した側は皮の色がつかず、黄色くなってしまいます。

皿敷き前に下に触れてた面は黄色くなっている。

また、地面に直接触れることで、接地面が多湿となり、病気の発生源となる場合があります。そうなってしまうと、商品としての価値が下がってしまいます。

見た目は悪くても美味しいものも沢山あります。というより、味は皮の綺麗さ、少々の傷や色むらの有無とは関係ありません。とはいえ多くの方が、二つ並んだスイカを見たとき、綺麗な方を手にとることと思います。また、綺麗なスイカを家に持ち帰る時の気分は格別です。味はもちろん、見た目の美しさを高めるため、皿敷きという作業を行っていきます。

このようなプラスチック製の皿にスイカを乗せていきます。この皿にスイカをまっすぐ立てることで、皮の裏面まで綺麗に着色させることができ、地面にスイカが直接触れないことにより、傷や病気(特に多いのが菌核病)を予防することが出来ます。

では、さっそくやっていきましょう。

皿敷き実践

このように、寝ているスイカをそっと起き上がらせて、皿の上に乗せます。この際、スイカとつるを同時に動かしてやらないと、スイカの果柄を折ってしまう場合があります。そうすると全てがパーです。

果柄のつるとの付け根の部分が最も折れやすく、果柄の曲がっている方向と反対の力が加わると簡単に折れてしまうので注意が必要です。

折ってしまうとこのようになります。

また、写真のように、皮を傷つけてしまいそうな巻きひげや、切り残しがあれば、予め切り落としてスイカの周辺を綺麗にしておきます。

周囲を綺麗にしたら、つるとスイカの玉を同時に持ち上げ、玉を起こしていきます。その際、つると玉の位置関係(角度や玉とつるの距離)を元あった状態と変わらないように手で支えながら、玉を起こします。玉だけを動かしたり、つるだけを動かすと果柄が折れる原因になってしまいます。

起こした姿がこんな感じです。
こうして、皿敷きは完了です。

今後は、潅水や、脇芽とり、農薬散布、樹勢の調節のためのつる切りやつる踏みなどがありますが、作業としては、大した労力ではないようです。
しかしながらここまで、かなりの労力がかかりました。栽培期間は短くても、なかなかに手間のかかるやつらだと思います(口が悪い)。けれども、手をかけたスイカの育っていく姿は大変可愛らしいものです。あと約1か月、収穫が楽しみです。

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