スイカの定植と初期の温度管理
定植当日!琴浦は快晴です!絶好の定植日和ですね。
そして、朝の海岸(鳴り石の浜)では、サーファー達が関西から大勢遊びに来てました。寒くないのか!?
2020/2/24はスイカの定植(一回目)を行いました。
定植の要点と定植初期の温度管理についてまとめていきたいと思います。
1.スイカの定植(準備編)
スイカ苗の引き取り
実は、苗屋さんから引き取る時から、苗との格闘は始まります。
スイカ苗は寒さに弱いので、軽トラなどで運搬する際、冷たい風に当たらないよう、毛布やシートで覆って運搬します。
苗のどぶ漬け
持ち帰った苗を希釈した液肥(PSダッシュ1000倍、PSマリンパワー2000倍、水温は15℃~30℃に調整)
の入ったトロ箱にコンテナごと漬けます。しっかり鉢が液肥に浸かったのを確認して引き上げます。液肥に漬けることで定植後の苗の活着を促進させます。この際、冷たい水を使用すると活着に悪影響を及ぼします。
なんて繊細なんだ...。
2.スイカの定植(実践編)
まずは地温を確認
ビニールハウス内の地温(朝の最低温度)が15℃以上になってから定植を行います。本日はきっちり、20℃ありましたので、定植可能です。
ハウス内の地温は、事前に定植日より20日程度前に全面にマルチングし、ハウスを完全に閉め切って上げておきます。
苗を並べる
定植しやすいよう、苗を定植位置に配っていきます。
定植間隔は、下記の通りです。
ハウス内に二列並べ、株間は90cm、ハウスは100mあります。
一列に103本並べられるので、このハウスには計206本植えます。
ちなみに、1株から2玉のスイカを成らせるので、出来るスイカは最多で
412玉です。
苗を植える
根鉢(鉢から株を出した時の形)を崩さず植えるため、慎重に取り扱います。
根鉢が崩れると、同時に根も切れてしまうため、活着の遅れの原因になります。
親指と人差し指で、苗を挟んで、残りの指で根鉢が崩れないように支えます。
根鉢がすっぽり収まる程度の穴を右手で掘ります。
丁寧に穴に苗を収め、掘って出た土を株元になじませて、軽く押さえます。
最後に、ダイヤキャップという紙で苗を覆い、定植完了です。
ダイヤキャップは、苗周りの温度を安定させ、苗のストレスを減らす役割をもちます。
3.初期の温度管理
そもそもスイカという作物は
アフリカ南部の砂漠原産!
強い光と、高温を好む作物です。
そして、雨とどんよりとした曇りの多いイメージの鳥取ですが、
実は春の日照時間は長く、4~6月の日照時間は
日本最大のスイカ産地の熊本を超えます。
そうしたこともあってか、鳥取ではスイカ栽培が盛んになりました。
温度はこれくらいにしたい!
スイカの生育に最適な温度は28℃~30℃
生育に支障のない高温は35℃程度まで
最低気温は10℃以上にしたい
この条件を出来るだけ満たすために、ハウスのトンネルを開閉して温度をコントロールします。
トンネルを開けたり
閉めたり
定植後すぐ(10時)の温度は27℃でした。
ところが、
ところが、13時ころには38℃、一時的には、40℃まで達していました。
そんな時はビニールハウスの外も開けて、温度を落ち着かせます。
ところが、最適温度の28~30℃まで下げることはしません。
夜温もある程度欲しい!
加温設備を持たないハウスでは、日中蓄えた温度をなるべく保つことで、夜温が下がりすぎないようにします。
そのため、15時過ぎの日差しが若干弱くなるころにトンネルを閉じ、ハウスも密閉します。密閉してすぐの温度は一時的に40℃近くまで上昇しますが、日暮れとともに温度は下がりますので、高温については少し妥協します。
高温の悪影響よりも、夜に低温に当ててしまうことのほうが、根の活動を鈍らせ、活着を遅らせる原因になるため、ハウス内になるべく熱を保ったまま、夜を迎えさせます。
そして翌朝
外の最低気温は4℃でしたが、
朝7:00時点で、ハウス内の温度は13℃を保っていました!
4.まとめ
ここまで、スイカの定植と初期の温度管理についてまとめました。
ハウス内外の温度差が大きい時期で、なおかつ、活着前で苗も繊細な時期です。温度管理一つとっても、こまめな管理が必要です。
初期の生育のムラは、つる引きや受粉などの時期の個体差につながり、管理も煩雑になります。ムラなく生育するよう、環境を整えてあげましょう。
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