tomato

adhd&asd mum with three beautiful sons❤️💕

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最近の記事

 四月の最初の日

今日から四月だ。だからと言って金はないし、何もいいことはないのだけれど。 

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    •  傷跡

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      •  十一時過ぎ

         あなたは一時間ほど前に起きた。暫しうたた寝をしていたのだ。 友人からのLINEを見つけてうれしい気持ち。はて、何故目覚めたのか。そうだ、インターフォンが鳴ったのだ。来客の予定はない。 また宗教の勧誘かと居留守を使った。直接他人に会い拒絶する気力も体力も、今のあなたにはない。 何かが欠損しているような気持ちにかられる。 何かが足りない。 どこかがおかしい。 どこだろう。時計とカレンダーを見ながら思案する。そうだ。 いつも来る筈の電話が来ない。いつもなら、末っ子が学校へ行った日

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        •  アトリエ

           申し込んだのは私だ。この私だ。 不登校で、不登校の子達がいく施設にも不登校な彼を登録したのは私だ。 彼は数ヶ月前に、美術予備校の中学生クラスの体験レッスンに行って、得意な絵を褒められ嬉しそうに顔を歪め、授業が終わった後にはスッキリとした爽やかな表情を浮かべていた。 そんな彼を見たのは本当に久しぶりだった。少年野球のエースだった彼が、最優秀選手賞に選ばれた時以来だったと思う。  五月に不登校になって以来、野球部にすら行かなくなってしまった彼。その才能が勿体無かった。その若さが

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        四月の最初の日

           虫

           どうして人間は性交なんかするんだろう。  そして、どうして私はしてしまったんだろう。 あんな男と。寂しかったからか?多分。それにしても。一度も避妊をしてくれない、あんな男と。 お金もないし、見てくれだって良くない。 しかも何度も。当然のように妊娠して、子どもを産んだ。特に考えもなしに。籍も入れてくれない奴の子ども。二人も。男の子。自業自得。それにしても。

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            夏の終わりに

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           Be yourself

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           さようなら Good Bye

          パパがお前たちを連れて行くって。ママから引き離して。 障害者だから。家事も育児もできないうすのろだから。きっと知的障害もある馬鹿だから。 私なんかが育てるより、夜遅く仕事から帰る自分が放置して育てたほうがいいって、本気で思っているらしい。 だったら、お母さんもう生きていけないよ。 お前たちを育てることだけが、生きがいなのに。この世界に繋がっている目的なのに。 それだけが、糞みたいな私の人生の最後の拠り所なのに。 父親は死に、妹弟からは縁を切られ、妹に面倒を見てもらっている

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            早退

           空腹に耐えられず、米を二合炊いた。炊けたら茎わかめご飯の素を混ぜて、ラップでくるみ握る。五個できた。これが今日の私の食料。もちろん、子ども達には別の夕食を作る。 明日が年金支給日で、今日は金がないのだ。 朝食を抜いていたので、三個も一度に食べてしまった。時刻も昼近いし、まあいいかと思う。 塩気がやや足りないが、わかめに味がついていて美味しかった。ゴマも入っているし。 下の六年生の息子の始業式に、上の息子の中学校の入学式が終わり、新しい生活が始まった。気持ちがわさわさする。

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           三つの文藝新人賞公募がある月末

           作家を目指して、日々研鑽を積んでおられる皆様、今月末の三つの文藝新人賞公募には、応募なさいますか? 私は生まれて初めてチャレンジしてみようかと思っています。 何の対策もなしに。 絶対落ちるでしょうが、何事も勉強です。 落ちても落ちても書き続けるつもり。 それしか、私にはないから。本当に、それしか。 応募なさった方のアドヴァイスなど伺えたら嬉しいです。 私と同じように、初めて応募なさる方、是非ご一緒に頑張りましょうね。 心細くて、こんな手紙を書いてしまいました。 読んでくださ

           三つの文藝新人賞公募がある月末

           無題

           「お母さんなんか死んじまえばいいんだ。」 ケンはそう言って、私の脛を思い切り蹴った。もう二百回目くらいのことなので、ああ痛いなあと思って、私は少し逃げただけだった。 そして彼はちょうど手に持っていた小さな箒とチリトリのセットで、私の腰を叩いた。その痛さは、脛よりはかなりマシだった。痛さの種類は違えど。痛みには様々な種類がある。それも今までは知らなかったことだ。  「このゴミ人間!ゴミ人間!」 そう叫んで、彼はアコーディオンカーテンで仕切った自室に引っ込んだ。 六年生の彼が学

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           モヤモヤ

            モヤモヤが止まらない。何にって。まあ、こうして言うのもお恥ずかしいほど些細なことではある。 私は小学生の息子二人をあるスポーツチームに入れているのであるが、そのコーチの一人があるママにプライベートラインを送っているそうなのだ。 そのコーチは痩せぎすで神経質なカマキリみたいな男。嫌味で私は好きではない。 でも、どんな虫にも五分の魂とはよく言ったもので、彼にだって美点がある。スポーツの教え方が上手いところや、真剣なところは尊敬に値するし、我が息子達が休部していた時も、辛抱強

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           イブニングドレス

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           四日目

           もう四日目なのだ。 先週の木、金、そして月、火と。この二人の息子達が学校に行かなくなってから。 その前から休みがちではあった。今ではたまに担任の先生から電話があると、次の日はようやく行く感じである。学校で嫌なところは特にないらしい。 最初は上の六年生の息子だけだったのだが、次第に五年生の弟にまで欠席が波及してしまった。 去年も冬は似たようなものだったので予期はしていたが、やはり親も苦しいものである。 どうして普通の子達みたいに、毎日学校に通えないんだろう。朝起きられないんだ

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          四日目

          車の中で

           「まずここが家族だろ?」 彼が運転席の天井に届きそうなくらい高く、右手を挙げた。手の甲を上に。指先は少し丸めて。 彼は色が白く手が小さいので、まるで白鳥の頭のようだなあと思いながら、私はそれを眺めていた。 「次が愛する人、友達、何とも思ってない人、少し苦手な人、嫌いな人、顔も見たくない人、殺したいほど憎い人。」 彼は手を少しずつ下げて行き、最後は膝につくほど低かった。 「ママは今ここだからね。」 膝から二番目のところくらいに彼は手をやり、大きな目で私を睨んだ。 「頑張る。マ

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