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こうしてとまちゃんになったよ。

こんにちは!
お昼にユメカタの麵半分を汁完して、少し成長したとまちゃんです。

今日は、以前の続き。
とまちゃんがとまちゃんたる所以についてお話します。「山﨑瑶樹がとまちゃんになったきっかけ」とでも言いましょうか。

とまちゃんの現在に至るまでの前半はこちらからご覧ください。私ももう一回読も。


そんなこんなでトマトを作る農業法人ベジ・アビオに配属された私。2020年3月のことでした。人事のお母さん的存在のYさんから、「寒さだけは本当に気を付けてね!」という謎の言葉を貰って、期待と不安を持ちながら事務所に…

その意味は実際に働いてからわかりました。
入って1週間で38℃の発熱。
まって熱出るの何年振り?コロナが流行り出した頃だったので念のため病院に行きましたが、たぶん大丈夫でしょということで1週間自宅療養してました。

というのも、事務所はプレハブ、床はコンクリなんです。3月でも事務所が激寒。極寒。日中はみんな暖房を焚いているあったかい温室で作業、あんまり事務所の暖房設備は充実していない。私の業務内容は営業・企画・総務etc…だったので、事務所に長くいてみて初めて、さっむ!!!!!と気づくのです。今まで8階建てのビルの中、恵まれた環境でぬくぬくとリーマンをやっていた私は、早速「農業」の洗礼を受けたのでした。笑 ウルトラライトダウンとレッグウォーマーには大変助けられました。

画像1雪の降る新潟の寒い冬もトマトを作る我が社。だからこその洗礼。

と、そんな洗礼を受けている体を余所に、気持ちの方はウズウズしていました。配属されてから熱を出すまでの5日間、このたった5日間で私は「こっ、、この会社おもしれーーっ!早くいろいろやりてーーっ!!」となっていたのです。

前の職場と全然違う。その主な理由はこちら。

①トマトが信じられないほどおいしすぎる
②裁量権を99%くれる社長
③人が人に対して理不尽じゃない。トマト中心に回る世界

順番に熱弁していきますね。


①トマトが信じられないほどおいしすぎる

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ベジ・アビオのメインブランドのトマト、「とマとマとマと」。
会社に入って早々、栽培しているそのトマトを食べさせていただきました。

うめーーっ!うめすぎるーーっ!(CV:ハライチ岩井)

とにかく甘いんです。その時の糖度は10度くらい。一般的なトマトは3~5度、フルーツトマトは7度以上と言われていますが、優に超えていました。どんな甘さかと言うと、イチゴやスイカと同じくらい。うん、もうフルーツじゃん。

それだけじゃなくて、味が濃い。分かった。これが「うまみ」ですか先生!

一口食べた瞬間、ぷちっとはじける果汁。口の中に広がる甘い香りと味。噛めば噛むほど味わい深くなる。こんなにおいしいトマトは初めてでした。

私は好き嫌いは多くない方ですが、トマトは特に好きでも嫌いでもない野菜。ですがこの瞬間、ランキングがスパンスパンと入れ替わりました。ネギを追い抜き、パプリカを追いぬき、チンゲン菜を追い抜き…。しいたけまで来たところで我に返ります。おいしすぎる。これでは一時の感情に流されてランキングの整合性が取れない。また今度改めてV-1(Vegetable-1)を開催しよう。

(このあと、5月くらいになって糖度13度のトマトを食べ、主催者特権で臨時V-1を開催し、とマとマとマとはV-1史上初の殿堂入りを果たしています。)

おいしさに感動した私は、このトマトをいろんな人に食べてもらいたい!自慢したい!と思い、営業のモチベがぐぐっと上がりました。自社商品に誇りを持ったんですね。


また、この時、栽培トラブルで収量がかなり少なかったのです。たくさん食べてもらいたいのに、需要はあるのに、出荷できない悔しさ。問題はどこなんだろう。何をすれば寒い冬にもっと収量を上げられるんだろう。私にできることは何だろう。ここから、栽培についてもかなり興味が湧きました。

とマとマとマとがなんでこんなに甘いのかは、また今度お話ししますね!


②裁量権を99%くれる社長

ベジ・アビオの社員は私含め3人、パートさん10人。ほとんどみんなが農作業に従事していて、私がこれからやる営業や広報などの仕事は、当時の社長から引き継ぎました。

入ってすぐに
「山崎さん、6次産業化って知ってる?うちのトマトだったらどんなことができるか、ちょっと考えてもらっていい?ちなみに、今はドライトマトの方向でちょっと考えてた」
と社長から言われました。参加している6次産業化セミナーの課題だったようで、すぐに実現はしなくても、企画を考えてみよう!という感触だったと思います。

割と自由に考えてもいいのか!と企画をペライチで紙に書き出し、半日後くらいに社長に提案。

「うんいいね!そしたら資材で必要なもの百均とかで買って、ドライトマトは○○で試作できるから…サンプル作ってみよう!」

…ん?早くない?

なんかすごいスピードで進んでいく。さっきまで企画考えてたのにもう買い物来てる。明日は早速試作するし。私はつい聞いてしまいました。

と「い、いいんですか?これで進めても…」

社「いいよ!根拠もちゃんとあるし、トマトのブランドもしっかり伝えられると思うし。何よりこういうのはね、実際に作ってみたり、お客さんに届けてみないと、需要があるかどうか最終的に分からないもんなんだよ。だから、費用がそんなにかからないんだったら、まずはやってみるのが一番!」

社「あと、私が考えるよりセンスも情報も若いでしょ。笑 私が畑を管理している間、山﨑さんが企画をやったりしてどんどん先に進めてもらう。その方が効率いいと思うんだよね。」

ぱあぁ…と前が明るくなった気がしました。なんか、こういうのをやりたかった気がする!それぞれで役割を決めて、自分の持ち場に責任を持ちながら、何がいいか考えて、とにかくやってみる。だめだったら次。ポジティブでスピード感が早くて、いいじゃん、ベンチャーっぽい!ってすごくわくわくしました。

そして、何より私が求められている。
前の職場では、やることなすこと、ほとんどが否定から入られていた気がします。それもそのはず、前職は40年も続く企業、一端の新入社員の考えることはとうの昔に実行されて、それが難しいことも、その理由も、当たり前のことになっているからです。先輩も上司もプロの営業マン。理詰めされて答えられなくて終了でした。そこまでたどり着けなかった私の努力不足でもありましたが…。

なので、私が考えることが実際にできる楽しさや、私に任されている、頼られている感。これがすごくよかったのです。
極端に言うと、私、いてもいいんだなって安心して仕事ができたんですね。

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③人が人に対して理不尽じゃない。トマト中心に回る世界

さらにさらに驚いたこと。

ベジ・アビオでは毎日の作業決めの打ち合わせや週一回の週会議をします。

まあ、私が経験してきた「会議」というのは…
提案する人が一方的に議題をプレゼン・意見を求めるも、それに対して悪目立ちしたくないがために、または言っても意味がないと思い、意見を言う人があまりいなくて、新入社員はもちろん意見できそうな雰囲気ではなくて、言った意見も多方面を気にした内容になって、表面的で、結果、形式的に会終了となって、あとで水面下で主要人物同士が話し合った内容に決定する、的な、そんな感じ。笑

すみません。経験も少ないもので。笑 ほんと、実態はどうだったか分かりませんが、感じたままです。笑 大人の事情とかあったのかな…おこちゃまだったからわかんないな…あぁ、もう何も怖くないな…

一方ベジ・アビオの会議は、本当の意味でトマト中心

「数値的に日射が出てるからなるべく取り込むためにカーテンを開けた方がいいんじゃないか」
「だけどカーテンを長時間開けすぎると温度が下がる」
「日射と温度、どっちを優先した方が早くトマトが赤くなるか」
「どっちを優先するかで給液濃度も変えないと」
「天気を見て給液の秒数も増やした方が」
「急に環境を変えてトマトの負担にならないか」

全てを実質的かつ合理的に考えて、今トマトの生長促進のために何をするのがベストか、現場サイドと分析サイドで、議論が止まらず。会議時間区切りましょう、と提案した程です。じゃあ私たち人間はどう動くか、準備するのに何が大変か、を考えるのは最後の最後でした。

「○○と△△は関係が悪いからこの進め方は…」
「××に承認をもらうにはその言い方じゃだめだよ」
「この企画は○○が好まないからやめた方がいい」

みたいな、今考えると本当にくだらないことを全く一切考えていないことが一番の驚きでした。

新潟出身の経営者、DeNAの会長 南場智子さんの有名なお言葉「人に向かわずに、コトに向かう」と表現された、まさにこれだなぁと実感したんです。私が今まで漠然と感じていた「理不尽さの正体」は、純粋にコトに向かわずに、人を経由して歪んでしまった結果なんだな、と。

これは、いずれ企業年数を積んでいく我が社ベジ・アビオでも、起こらないように徹底したいポイントだと、勝手に思っています。

画像3この子たち中心に動く我々ベジ・アビオ従業員。

こんな3点で、トマト生産をするベジ・アビオにかなり魅力をもち、どんどん裁量権が増えていく私は、まだまだ知識不足のまま、いろんなところに出没するようになります。

手当たり次第にTwitterの農家さんをフォローしてみたり、
他県で開催されてるオンラインのスマート農業会議に参加してみたり、
学生時代の恩師に頼み込んで県内ベンチャー協会に行ってみたり、
呼ばれてもない農業IT談議なるものに手を挙げて参加させてもらったり、
起業するわけでもないのに起業家セミナーに申し込んでみたり、etc…

とにかく怖がらずにいろんなところに出没しました。

一番刺激的だったのは、「新潟ベンチャー協会設立記念セミナー」にオフラインで参加させていただいたこと。右を向いても左を向いても、新潟の著名な社長陣がせしめく異空間。名刺を渡す時、手がガッタガタ震えていたのを思い出します。笑 いや怖がってんじゃん。

会が終了したあと、このすごい方々と今後も継続して繋がるにはどうしたら…と考えた結果、みなさんが集まっていたコミュニティがあったのです。
それは「Twitter」。

私はすぐさま今まで使っていたTwitterアカウントのプロフィールを変え、過去の愚痴ツイートを消し、鍵を外しました。そしてそのすごい方々を次々にフォロー。フォロバをもらえなくったっていいんです。連絡を取れる、絡める、という状態であれば。

その他に出たところでも、とにかくベジ・アビオの事業の説明と、私がこれからやりたいことを話しました。

すると、優しい大人のみなさんがいろんなアドバイスをくれるのです。

「こんな方法どう?」
「○○さんと会ってみたらいいんじゃない?紹介するよ」
「この本おすすめ!読んでみな~」

とにかく手当たり次第手を付けてみて、考えました。
ベジ・アビオをもっと盛り上げるにはどうしたらいいのか。
溺愛するとマとマとマとをもっといろんな人に知ってもらうには。
トマトの栽培方法を知ってもらうには。
引いてはお客さんやその周りの方に「農業」を伝えるには。
興味関心をもってもらうには。


いろいろ考えた結果、私は2021年4月1日、

「とまちゃん」になったのです。

画像3やほーーー!

具体的には、

・Twitterのアカウント名を「やまざきたまき」から「とまちゃん」にし、プロフィールを誰が見ても分かるように変えました。プロフィールは難しかったので、ユニークワンさんの社員さんのアカウントを参考にさせていただきました。ありがとうございまーす!!

・Twitterでつぶやく内容を決めました。トマトのこと、農業のこと、食のこと。
目的としては、ベジ・アビオという農業法人で働く生身の人間がいるということをお客さんや、県内のいろんな人に知ってもらうことです。こんな人が、こんな思いで働いて、おいしいトマトを作っているんだ、と知ってもらいたいのです。そしてベジ・アビオのアカウントに移動してもらって、トマトおいしそ~!買ってみようかな?と思ってもらうことです。

トマトの帽子をかぶっていろんなところに出没すること。
まず出向くイベントを増やしました。そこに、トマトの帽子をかぶって出陣。実は、トマトの帽子をかぶろうとした時、買おうとしたのですが、なかなか思ったものが無かったのです。だから、自分で作りました。笑 でも逆に言うとそれくらい、トマ帽をかぶってる人が少ないということ。早いとこ、やったもん勝ちということです。
トマ帽をかぶろうと思ったきっかけとしては、さつまいもをかぶっている方や、イチゴをかぶっている方、イカをかぶっている方を見て、私もマネしよ!と思ったのがきっかけです。トマ帽をかぶれば、一発で「トマトの人だ!」とわかる。これで、たくさんのトマト好きの方とお話しすることができました。
そして、子供たちが寄ってきてくれる。とまちゃんじゃない私、ことごとく子供たちに怪訝な目で見られがちなんですが(かなり悲しい)、とまちゃんになった瞬間、びっくりするほど人気者。本当に効果てきめんです。ありがとうございます。


そんなこんなで新潟市の北区でとまちゃんが必然的に発生しました。
しかしまだとまちゃんは完成系ではありません。
これからどんどん進化していきます。
このnoteを見ていただいている皆さんは、今後のとまちゃんの大躍進を見届けることができる。とても貴重な機会を手にしていらっしゃいます。ただでさえ目立ちたがりな私とまちゃん。そこにロジックがつけば言うことなしでしょう。

とまぁそんな大きなことを言った手前、達成しない未来はありません。こうやって自分にプレッシャーをかけていくのが私とまちゃんです。

つまるところ、

これからも、応援お願いします!!


とまちゃん

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