日本一カレーを愛する町、鳥取ではなぜらっきょうが売れないか?
今や日本人の国民食とまで言われるカレー。大人も子どももみんな大好きな定番メニュー。もちろん私も大好きです。家族も親戚も見渡す限り大体、カレー好き。
なにしろ、総務省が毎年行っている家計支出調査(対象は県庁所在地と政令指定都市)の2016~2018年におけるカレールウの購入金額と購入数量で……
鳥取市民はカレー消費量日本一!
に輝いているぐらいですから。一位以外の年も常に上位にランクインしています。
数多の個性派カレー屋さんがひしめく東京や、庶民派カレーの王道である大阪、スープカレー誕生の地でもある札幌ではなく、我らが鳥取市。そう、私たち鳥取の民は、日本でも屈指のカレーを愛する民と言っても過言ではないのです!!
どうして鳥取でこれほどカレーが食べられるのか。その理由は、米どころであるとか、女性の就業率が高いがゆえに手軽なカレーが好まれた、など諸説ありますが、らっきょう屋としてはもちろん「らっきょうの産地だから!」説を強く推します。
世間では「カレーといえば福神漬け」層が大手を振っておりますが、シャキシャキとした心地よい歯ごたえ、辛味に絶妙なアクセントを加えるほんのりとした甘み、そして濃厚なルウの中で真っ白に輝くらっきょうの映えること……。
やはり、カレーにはらっきょうですね。
ところで、カレーのおともにらっきょうが添えられ始めたのには諸説あるようでして。有名なのは、戦前日本の某有名ホテルが列車食堂で出していたカレーライスにらっきょうを添えたのがはじまりだとか。外国ではカレーの付け合せにピクルスを出していましたが、当時日本にピクルスは浸透していなかったため、らっきょうのお漬物を代わりとして出したようです。一度食べたらハマりますよね。わかります。
加えて、カレーとらっきょうは成分的にも素晴らしい組み合わせなんですよ。らっきょうの辛味成分である『硫化アリル』は、消化液の分泌を助ける働きがあります。カレーは油分が多いので消化の面でも相性抜群。さらに硫化アリルにはビタミンB1の吸収を助ける働きもあると言われています。
また、硫化アリルが持つ代謝を高めてくれる働きは、カレーに含まれる香辛料と相まってより高い効果が期待されるわけです。
美味しくて、相性バツグンで、健康にもうれしく、しかも地元の名産品。
もう鳥取市民がらっきょうを食べない理由がありませんね!(断言)
と、言い切ったあとではありますが、私たちらっきょう屋にとってはたいへん残念な話をしなければいけません。
鳥取では、らっきょうが売れません。
ウソでしょ? と思われる方、本当なのです。私どもは全国にさまざまなつけものを販売しておりますが、鳥取県内におけるらっきょうの売れなさといったら驚くほどです。
みんなカレー食べるし、らっきょうとの組み合わせ好きだし、地元の名産品なのに、らっきょうを買わない。いや正確にいえば、らっきょうの漬物を買わないのです。
理由はわかっています。
これです。
らっきょう漬けの瓶です。売り物ではありません。でも、これが鳥取県内のご家庭にはひとつはある(はず)。
そして毎年、生らっきょうの季節になると、スーパーで土付きのらっきょうを買ってきて、根を切り落とし、きれいに洗ってご家庭の味付けで漬けるわけです。
もう謎は解けましたね。そう、鳥取人にとっては、らっきょうは買うものではなく、家で漬けるものなんです。もしくはご近所さんからお裾分けしてもらうもの。
かくゆう私の実家でも、自家製のらっきょう漬けがありますからね。おばあちゃんの味を、代々守っております。
らっきょう屋としては、地元で売れないことに複雑な気持ちがありますが、らっきょう漬けは鳥取が誇る食文化。致し方ないな、と思うわけです。個人的には、たまにはプロの味も試してほしい気はするんですけどね!
今年もカレーの日がやってきます。
さて、カレーの話を続けていたらカレーが食べたくなってきましたね。そしてこの記事が公開した日、1月22日は「カレーの日」です。なんと都合のいい偶然でしょう(笑)。
せっかくですから、みなさん、カレーを食べましょう。添え物も取り揃えてありますよ。
とまりのつけもののイチオシは、その名も「カレーの相棒セット」。
3種類のらっきょう(甘酢、はちみつレモン、スパイス)に加えて、福神漬を入れました。そして意外な一品が「割干しはりはり」でしょうか。割干しはりはりの醤油とみりんの風味が食欲をかきたて、思わずおかわり!という声が食卓に響くこと間違いなしですよ。
もちろん、他にもさまざまならっきょう・おつけもの商品をご用意しました。しかも、カレーの日に合わせてキャンペーンも始まりました!
その名も「カレーの日はらっきょう食べようキャンペーン」です。実に分かりやすいですね。
1月22日から1月29日まで、たいへんお買い求めやすくなっておりますので、この機にぜひ、あなたにとってカレーとの相性最高の一品を探してみてください!
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