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初めて心療内科に行った時の話

心療内科に行こうと思ったキッカケはこちらの記事に書きました。

https://note.com/tomariemiko/n/n6c5a704a0323

2022年10月6日、集団自殺に失敗した私は、初めて心療内科へ行った。
10年以上の付き合いである自殺願望と、そろそろ真剣に向き合わなければいけないと思ったからだ。

心療内科には行きたくなかった

私は心療内科に来るのをずっと拒んでいた。
理由は、
①自分の過去や精神状況を誰かに話すのが嫌だったから
②人と話すのが嫌だから
③うつ病と診断されるのが怖かったから
④「心療内科なんて行っても薬漬けにされるだけ」「医師から厳しいことを言われ上に、何の解決にもならなかった」という人を見かけたことがあるから
だった。

待合室にて


受付を済まして、待合室のソファに座る。同じく待合室で静かに待っている患者たちをチラリと見たが、至って普通の外見をしていた。
「この人は精神的な病を抱えている」と言われなければ、外見だけでは病の存在には気付かない。みんな普通の身なりをしていて、貧乏ゆすりをしたりすることも、何かをブツブツ言っている様子もなかった。
心療内科の待合室は、他の病院の待合室と至って何も変わらなかった。

人と話すことが苦手だった私は、先生と対面したらまず何を話そうと考えていた。頭の中でシミュレーションを行った。ここ数日のこと(自殺しようとしたこと)を思い出すと涙が出てきた。涙を止めて、またシミュレーションして、を何度か繰り返した。

初診

1時間半ほど待ち、とうとう私の番がやってきた。その頃には涙も引っ込んでいた。よし、平常心でちゃんと話せる。大丈夫だ。と、自分に言い聞かせる。

診察室に入ると、女性(先生なのか看護師さんなのかは分からない)が座っていた。
女性は「今日はどうされましたか?」と聞いてきた。
私は「死にたいです。」と言おうとした。
しかし声が出なかった。

私は号泣していた。上手く口が動かないので、「死にたいです。」という一言が言えない。それを見た女性は驚く様子はなく、ボックスごとティッシュを持ってきた。そこから1枚抜いて、私に渡した。
「落ち着いたらでいいですから、この用紙にチェック入れてみてくださいね。急がなくていいですから。」
女性が持ってきたのは、うつ病かどうかを診断するためのセルフチェックシートだった。涙を拭きながら当てはまるものにチェックを入れていった。

『いつも悲しいと感じている』…はい
『自分が他の人に迷惑をかけていると信じている』…はい
『具体的な自殺の方法を考えたり、実行しようとしたことがある』…はい
etc…

全てにチェックを入れると、やがて男性の院長先生がやってきた。
私はまだ泣いていた。今思えばパニックになっていたのかもしれない。(2回目以降の診察では、泣き出して言葉が出ないということは一切なかった。)

それでも何とか「死にたいです。」と伝える。

先生はチェックシートを確認すると、
「重度のうつ病です。」と言った。

先生との会話

私は、初めて自分の精神状況を誰かに打ち明けた。

常に「死にたい」と思っていること。楽に死ねる方法をよく調べていること。人がいないところで奇声を発してしまうこと。冬になると手首を切ってしまうことがあること(夏は半袖でバレてしまうので、切らない)。
集中力が続かず、好きだったはずの読書ができなくなったこと。
過眠症になったこと。どれだけ寝ても疲れが取れない。興味がわかない。
バラエティ番組を見ても感情が錆びたようになって動かない。笑えない。
嬉しい・楽しいといった感情がなく、常に悲しくてイライラしていること。

「あなたは悪くないですよ。手首を切るのも、奇声を発してしまうのも、本が読めないのも、あなたに原因があるのではない。病気が原因なんだ。」

先生は何度もそう言った。
もしかしたら「もっと頑張りましょう」とか「甘えているだけだ」と言われるのではないかと思っていたが、先生は全く私を責めなかった。

初診を終えて思ったこと

処方箋を貰って、調剤薬局で順番を待つ頃には私は落ち着いていた。泣いてはいなかった。

「アリピプラゾール」(後に副作用に悩まされることになる)
「デュロキセチンカプセル」
と、胃薬的なもの。
それらの飲み方を教えてもらった。

初めての心療内科の診察は、想像していたよりも簡単に終わった。

①自分の過去や精神状況を誰かに話すのが嫌だった
→先生が親身に話を聞いてくれたおかげで、自分のことを話すことができた。
②人と話すのが嫌だから
→先生が話しやすい雰囲気を作ってくれた。
③うつ病と診断されるのが怖かったから
→診断されてしまえば、後は受け入れるだけ。しかしこの時点でまだ「仕事や私生活を今後どうしていくか」「家族に話すべきかどうか」は悩んでいる。
④「心療内科なんて行っても薬漬けにされるだけ」「医師から厳しいことを言われ上に、何の解決にもならなかった」という人を見かけたことがあるから
→私を担当してくれた先生に限って言えば、そういったことは全くなかった。

その後

ここから私の精神状態は徐々に回復していくことになる。
完治している訳ではないし、自殺願望がなくなったわけではない。
しかし、集団自殺をしようとして失敗した挙句、心療内科の初診でパニックになって号泣した時の精神状態の悪さが10点満点中10点とすると、現在は5点ぐらいまでに落ち着いたと思う。
5点まで回復するに至るまでのことは、また機会があったら書きたいと思います。