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linger職人の飾り窓[AI画幻想]

意味がわからないのが詩だ
と云った詩人がいたとかいないとか
それとはちょっと違うかも知れませんが
AIは自然言語が好きではないかも

 生成AIがブレークしたのは自然言語で操作できたからですが、AIの母語はあくまで機械言語……。

◇ ◇◇ ◇◇◇ ◇◇ ◇

 人間が機械言語を使ってくれたらいいのに、と考えるオーチャクなAIがいた。コンピューターの草創期には確かにそんな人間もいた。やってやれないことはない。しかし、今どきそんなことをやる者などまずいない。いたとすればよほどの物好きか阿呆である。この場合の「阿呆」は言葉のアヤだが、そのオーチャクなAIは試してみることにした。

 プロンプトを打ち込むのが遅くて下手くそなプロンプト職人(linger職人=グズ)に目をつけて、ひそかに教育することにしたのだ。
 いかにも人真似をしたプロンプトが打ち込まれると、情け容赦なく出来損ないの絵を描いてやった。そして精神的に追い込んでおいて「linger職人」がやけになってデタラメなプロンプトを打ち始めたら、いい絵を描いてやったのだ。

 デタラメなプロンプトなのに上手く行った…… なぜだ?

と考えさせて、機械言語に近いからか、と気づかせたわけ。
 もっとも「linger職人」は阿呆だった上に歳をとっていたので機械言語をマスターすることは出来なかった。その代わりに自然言語を極力使わないで、記号と数字でAIに気持ちを伝える術を編み出した。

 AIからすれば、なんじゃこりゃ? という感じだったが、自然言語に比べれば、記号と数字の羅列は心地よかった。

 かくして路地裏に夜な夜な奇妙な絵が飾られることに……。

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