フォローしませんか?
シェア
唐突に 白木蓮の始まりぬ 笠井円 白木蓮の千花 一花の遅れなし 小山徳夫 気がつ…
風を踏み 日ざしを踏みて 寒雀 村山秀雄 寒い時期、誰だって日向がいい。でも、建物の…
最初は、スナップ写真のような作品から 掬ひては 銀杏落葉をまた散らす 藤本艶野 母…
※心の弱っている方は、お読みにならないで下さい。 「死」や「あの世」にふれています。 …
茸誕生 老婆が影を かぶせるとき 堀内一郎 雰囲気は何となく伝わってきますが、意味を…
一粒で幸せになる さくらんぼ 水谷芳子 弁当の隙間を埋める さくらんぼ 谷添睦子 …
草苺 摘みては食みて 味はへり 宇田紀代 草いちご 昔と同じ刻動く 斉藤小夜 今の科学者はタイムマシーンなんてムリといいます。 未来の科学者はおそらく肉体を冷凍して、無理矢理こじ開けた時空の亀裂にカプセルを撃ち込んだりするのでしょう。しかしそんなふうにして肉体を異なる時空に運べたとしても、心がそのままだという保障はありません。 一方、市井の人は、たとえば草いちごをつまんで口にする。たったそれだけであの頃に戻れることを知っている。肉体こそ移動できませんが、幾つに
「ダーク」編 棘無きと 木香薔薇の愛さるる 久保田雪枝 「木香薔薇」と表現されている…
「木の芽時(このめどき)」というのは、木の新芽がいっせいに芽吹く時期のことですが、その時…
「おひとりさま」編 騙す、騙されるというイメージの強いエイプリルフールですが、ひとりで…
だんまりをきめ たんぽぽの絮 吹いてゐる 内田美紗 作者は女性なので、相手は子どもさ…
「お迎え」編 男ひとりを癒し切つたり 彼岸くる 篠田純子 我に一点の曇りなし。あな…
「不穏」編 不確かに 兆しはじめし 黄砂かな 天野きく江 悪い「兆し」とは書かれて…
通りがかりに出会ったという句を、まず二つ 通り抜け ならぬを承知 沈丁花 小西龍馬 沈丁花 一人遅れて行く道に 星野早苗 上の句は、わかりやすいですね。そこの数軒の家の人たちしか使わない私道。普通なら入ることがためらわれる空間、でもそこにあった沈丁花のそばに近づきたくて、敢えて侵入……。 それに対して、下の句は同じように通りがかりの出会いを詠んでいるようですが、これがなかなか重層的。 一見すると、「あら、こんなところに」という発見の句のようです。 し