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カナダが好き Love Canada

かれこれ20年くらい前にカナダに住んでました。アルバータ州のエドモントンから車で1時間くらい西に行ったところにある人口700人(当時)くらいのSeba Beachというちっちゃな村に住んでました。Beachとは言うものの、めっちゃ内陸なので海はもちろんありません。そのかわりでっかい湖がありました。

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そのSeba Beachに唯一ある学校がSeba Beach Schoolで、そこで日本語を教えてました。K - 12 (幼稚園から高3まで一貫校)で全校生徒は200人くらいだった気がします。当然そんな田舎の小さな学校の子供たちはそれまでに日本人を見た事もなく、小さい子供たちからはハリウッドスターなみの寵愛を受けました(笑)当時はちょうどポケモンが世界でブレイクし始めた頃で、「日本人=ポケモンマスター」と認識され、知っているポケモンはピカチュウだけであるにもかかわらず、毎日ポケモンの質問を受け答えをしていました。

自己紹介にも書きましたが、カナダの他にもオーストラリアとイギリス(イングランド)にも住んだことがあります。帰国後何百回と「住んだ中でどこが一番好き?」と聞かれてきましたが、そのたびに「カナダ!」と即答しています。なぜカナダか?

①英語が聞き取りやすい

生まれて初めて住んだ外国はオーストラリアでした。そしてそこで衝撃を受けました。

「何言ってるかさっぱりわからん😱」

G’day mate. 「グダイ、マイト」のように「エイ」の発音が「アイ」になるというアクセントについては知っていましたが、純ジャパでアメリカ英語にしか触れて来なかった身としては、「これは英語??」ってレベルでした(もちろん話す人にもよりましたが)。数ヶ月経つと結構わかるようになってきましたが、それでもやはり最後まで四苦八苦しました。

そしてオーストラリアからカナダに移り住んでみて、英語が聞き取りやすいことに気づきました。今でこそ、アメリカ人、カナダ人、イギリス人、オーストラリア人、などの多国籍な人たちを部下に抱えているので、いろいろなアクセントに違和感なく接していますが、当時はまだまだ耳がそこまで慣れておらず、カナダの英語に救われた感がありました。

②雄大な自然がすごい

東京で生まれ育ったので、田舎で暮らすことに憧れがありました。オーストラリアで暮らしているときは美しい海沿いで暮らしていたので、それもすごく貴重な経験だったのですが、カナダのロッキー山脈に囲まれた大自然というのもとても魅力的でした。ジャスパーやバンフといった観光地にも何度も行きましたし(下の写真はジャスパー)、ウィスラーにスノボもしに行きました。

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そして思い出深いのが、オーロラを2度も見たことです。オーロラってYellowknife(カナダ)やフィンランドまで行かないと見られないと思ってたんですけど、ある時夜のエドモントンの街を歩いていると、周りのカナダ人が空を指さしていたんで、見てみたら例の緑の帯状のやつがうねうねしていました。まさか街中で普通に見られると思ってなかったので、たまげました。

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③寒い

夏より冬の方が好きです。暑いと外に出る気を無くしますが、寒くてもあまり気になりません。若いころからスノーボードをやっているせいもあるかもしれませんが、寒いのは好きですね。なので、カナダの冬は最高でした。一番寒かったときはなんと-40度まで行きました。毎朝外の温度計を見るのですが、-15度くらいだと「今日はそんな寒くないね~」って感じでした。学校でも確か-20度以下だと昼休みに外で遊んじゃダメってルールだった気がします。根本的に日本とは体感温度がだいぶ異なりますよね。日本は島国で湿度が高いので、カナダの-15度だったら日本の0度の方が寒いと思いました。たださすがに-30度くらいあるとずっと外にいるのは危険ですね。しばらくすると眉毛とか鼻毛とかも凍ってきます(笑)。ちなみに冬には毎週カーリングもやってました。冬になると地域にカーリング場が建てられて、老若男女だれでもできるスポーツとしてみんな楽しんでいました。

カナダ エドモントン 冬

④人がいい

実際上記の①~③はおまけみたいなもので、カナダが好きな理由はカナダ人たちの温かさと懐の深さにあります。もちろんオーストラリアやイギリスでも自分の周りにはいい人ばかりで、本当に人には恵まれたと思っています。しかし、カナダで出会った人たちは何か違いました。それは小さなコミュニティーの中で暮らしていたせいもあると思いますが、とにかく自分という人間を受け入れてもらった気がします。カナダは移民の国なので(オーストラリアもそうですが)、いろいろなバックグラウンドを持った人たちがコミュニティーを作り上げ、カナダ国民として誇りを持って暮らしています。出身がどこの国だろうが、肌の色が何色だろうが、当然のように多様性を受け入れる文化の中で暮らすことで得も言われぬ居心地の良さを感じました。カナダで『人間らしく生きる』というものがどのようなことかを教わった気がしています。

カナダからイギリスに移り住み、日本に帰国して英語教師になったのですが、2017年におよそ15年ぶりに仕事でカナダ・バンクーバーに行きました。バンクーバーは自分が住んでいるときにも何度か行ったことがあったのですが、オリンピックを経てものすごい発展を遂げ、自分が知っているバンクーバーではありませんでした。そのバンクーバーで自分の生徒たちが1年間の留学をしており、また毎年UBCを拠点に修学旅行を行っています。そういうわけで年に2・3回カナダに行き、学校の先生などの教育関係者と触れ合う機会があるのですが、その度に住んでいた当時のことを思い出します。本当にみんないい人。ある学校の校長先生は冗談で「来年日本語教師のポストを空けておくからぜひ来てよ」と言ってくれましたが、少し本気で考えてしまうくらいやっぱりカナダは好きです。