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オーストラリアの学校の様子をお伝えします③

本日早朝に無事に東京に戻りました。入国の際に検疫のために羽田空港をぐるっと一周しなければいけなかったのにうんざりしましたが、事前にMYSOSというアプリで「青信号」をもらっていたので、かなりスムーズに入国できました。

10日ぶりの日本はやはり暑いですね・・・。オーストラリアは冬(日本の秋くらいの感じ)だったので、なおさら暑さが身に沁みます・・・。

そして日本は安いですね。空港の販売機で飲み物を買ったのですが、150円で変えるのがありがたかったです。向こうではペットボトルの水も300円から500円くらいしたので、買うのに躊躇するくらいでした。今回は仕事で行きましたが、プライベートで行くのはかなり勇気がいるなぁと思いました。

さて、「オーストラリアの学校の様子をお伝えします」シリーズも今回が最終回となりました。滞在中アデレードとブリスベンの学校を計13校視察させていただきました。他の投稿でも書かせていただきましたが、どの学校でも素敵なおもてなしを受け、本当に有意義な時間を過ごすことができました。一日に何校も回り、そのあと教区省とのミーティングがあるなど、なかなかタフなスケジュールでしたが、行って良かったと思います。(ちなみに今回訪れた学校は来年1月から私の学校の生徒たちが留学に行く予定の学校です)

うちの学校はPBL(Project Based Learning)を取り入れた教育を行っていますが、オーストラリアの学校でも結構取り入れている学校がありました。そもそもオーストラリアは世界的に見てもとても教育水準の高い国です。
保健室と見せかけて、これも教室です。ここでは、生徒がNursing(看護)を学ぶことができます。オーストラリアだけでなく、私の知っている英語圏の学校は選択授業が本当に充実しています。日本では考えられません。結局教育に対する考え方やお金のかけ方が全く異なるということだと思います。
ゴールドコーストになるMiami High Schoolという学校に行きました。オーストラリアだけどマイアミ(笑)。ビーチのすぐそばなので、サーフィンの授業もあります。
Canteen(購買)です。休み時間になると生徒がダッシュで駆け付け、行列をなすのは日本と一緒かな。
私もオーストラリアで日本語を教えていたことがありますが、高校生くらいになるとレベルも高くなるので結構教えるのが大変です。主語につく「は」と「が」なんか、普通の日本人はなかなか違いを説明できませんよね。
私が住んでいた20年くらい前は先住民のことを「Aborigine(アボリジニ)」と言っていた気がしましたが、今はもうその言葉は差別的な意味を含むということで、「indigenous people(土着の人々)」とみんな呼んでましたね。アメリカで先住民のことを「Indian」と呼ばないのと一緒ですね。今でも各学校に数%indigenousの生徒がいます。私が暮らしていた時は彼らを社会にintegrateすることが国の政策の一部でしたが、今は共存共生がうまくいっているのかもしれません。
こんな感じでどの学校でもお茶と軽食がふるまわれ、せっかく出していた物を食べないわけにもいかないので、終始おなかいっぱいでした。
これも「教室」です。
普通の公立の学校でも農学に力を入れている学校もあり、アルパカを含むいろいろな動物を飼育していました。
これは外国語の教室にあった防音ブースです。この中で外の騒音を気にせずに、インタビューの試験などをしているそうです。こんなの初めて見ました。
デザインの授業の様子。
こんなに用意してもらっても、結局おしゃべりをしているので、食べられたのはちょっとだけでした・・・。話しながら食べるのは難しいですよね。
生徒たちは学校に通う前にまず語学研修を受けてもらいます。ブリスベンではここGriffith大学で受けてもらいます。ちなみに卒業生でここに通っている者もおります。
椅子もカラフル。日本の教育機関にもこういう遊び心を。

これまでにアメリカ、カナダ、NZなどの学校を多く視察してきて、そして今回自分が教えていた時以来20年ぶりにオーストラリアの学校を視察してみて思うのは、「国が教育に投資をする国がうらやましい」ということでした。

私立の学校は高い学費(日本の3~5倍くらい)取っているので当然ですが、公立の学校も日本の私立の学校よりもはるかに充実した教育設備を持っており(3Dプリンターが7台もある学校もありました。うち(私立)でも1台しかないのに・・・)、生徒たちに様々な教育の機会を与えています。何度も言っていますが、日本の教育に対する公的支出(対GDP比)はOECD加盟国38国中37位です(2020年)。今回も現地の先生方と話をしている中で、我々の国に圧倒的に足りないのは、政治家やメディアを含めた我々国民の教育に対する理解と希望だと改めて感じました。そしてやはり日本の教育をなんとかしたいなと改めて思いました。

まずは自分の学校から。精進します。