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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(略して「もしドラ」)は2009年に発売され、その後ベストセラーになり、映画化もされました。

私も「もしドラ」は2010年ごろに読み、恥ずかしながらこの本を通して初めてドラッカーのことを知りました。ドラッカーのマネジメント理論がわかりやすく物語に落とし込まれており、マネジメントについて学べたことを覚えています。(ラノベのような表紙なので、買うとき恥ずかしかったのも覚えてます・・・)また、映画も何年か前にAMAZONで見ましたが、思っていたよりも面白かったです。

その「もしドラ」の続編があるとは知らなかったのですが、先日図書館で偶然見つけて、借りて読んでみました。

あらすじは以下の通り。(AMAZONより引用)

私立浅川学園に通う1年生の岡野夢は、ベストセラーとなった『もしドラ』と偶然出合います。野球ともマネージャーとも接点がない夢でしたが、友人の真実に誘われて、野球部のマネージャーになることを決心します。
しかし、浅川学園には野球部がありませんでした。
ゼロから野球部をつくる必要があったのです。
そこで、夢と真実はドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読みながら、競争しなくても勝てる、まったく新しい野球部をつくろうとします。
果たして2人は、最強チームをつくり上げ、甲子園に勝ち進むことができるのでしょうか?
マネージャーたちによるイノベーションは成功するのでしょうか?
過酷な競争社会が激化するなか、「競争しないためのイノベーション」がますます必要になっています。
本書は、ドラッカーのイノベーションの原理を丁寧に読み解きながら、メンバー全員に居場所がつくられ、組織が成長し、競争を勝ち抜いていく様子を描いた青春小説です。
すべての組織で役に立つ1冊です。

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら」(略して「もしイノ」)は、文字通りドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだ野球部マネージャーたちがアントレプレナーシップ(企業家精神)を持ってチームにイノベーションを起こし、甲子園を目指していくストーリーになっています。

そもそも「イノベーション」という言葉はよく耳にしますが、いったいどんな意味なのでしょうか。(以下Wikipediaより抜粋)

イノベーション(英: innovation)とは、物事の「新機軸」「新結合」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。一般には新しい技術の発明を指すという意味に誤認されることが多いが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。つまり、それまでのモノ・仕組みなどに対して全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことを指す。

ちなみにタイトルには「企業家精神」とありますが、「企業家」と「起業家」も混同されがちです。こちらはあるサイトで以下のように定義されています。

「起業家精神」と混同されることも多いが、起業家とは、事業を立ち上げている人全般を指す言葉であり、企業家とは、新しい価値、概念で企業を興し、企業を興すのはもちろんだがその企業の経営に取り組む人のことだ。起業は一人で出来るが、企業家は多くの部下を率いて、組織のリーダーとして経営を担っていく。その意味においてアントレプレナーシップとは「起業家精神」ではなく「企業家精神」を意味する。

そして、起業家の定義として、本書には以下のようにも書かれています。

企業家とは、秩序を破壊し解体するものである。シュンペーターが明らかにしたように、企業家の責務は「創造的破壊」である。

私は企業で働く「企業家」ではありませんが、学校という組織でマネジメントを行うマネージャーです。そして、常に教育にイノベーションを起こしたいと考えています。そしてそのイノベーションは既存の学校の価値観を変えるような「破壊的イノベーション」でありたいと考えています。

実際に今その破壊的イノベーションを起こすために準備をしており、次年度から今まで日本の他のどの学校もやったことをないようなプロジェクトをスタートさせます。このプロジェクトが成功した暁には、間違いなく日本の教育に一石を投じることとなると思っています。まさに「創造的破壊」です。

では、イノベーションを起こす上で何をしなければいけないのでしょうか。ドラッカーは『イノベーションと企業家精神』において、以下の「イノベーションの原理」について言及しています。

1.イノベーションを行うには、機会を分析することから始めなければならない
2.イノベーションとは、理論的な分析であるとともに知覚的な認識である
3.イノベーションに成功するには、焦点を絞り単純なものにしなければならない
4.イノベーションを成功するには、小さくスタートしなければならない
5.イノベーションに成功するには、最初からトップの座を狙わなければならない

逆にイノベーションを起こす上でやってはいけないことは以下の通りです。

1.凝りすぎない
2.多角化しない
3.未来のために行わない

まず、イノベーションは誰でも手の届くようなシンプルなものでなければなりません。そして、イノベーションを起こすためにはエネルギーの集中が必要です。核をしっかりと作り、その核に向けて全集中で取り組むことが肝心です。さらに、イノベーションは未来よりも現在を見つめて、今ニーズがあることに焦点を当てるべきです。

繰り返しになりますが、私は教育界にイノベーションを起こしたいとずっと思っています。といっても日々の業務に忙殺されて、自分のクリエイティビティを発揮する機会などほとんどなく、そこにジレンマを感じていたりもするのですが・・・。

ただ、上記のように日本でも例を見ないような特別なプロジェクトを走らせるなど、今できる最低限のイノベーションは起こしているつもりです。もう少し自分の環境を整えて、自分のマネジメントスキルを上げ、さらなるイノベーションを起こせるように自己研鑽に励んでいきます。

教育にイノベーションを!(この言葉、これから自分のresolution(決意)にしていきます)

最後までお読みいただきありがとうございました。


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