頭慢

2017年2月埼玉から石垣島に引越しました。 毎月、島のお店でアコギ弾き語りワンマンラ…

頭慢

2017年2月埼玉から石垣島に引越しました。 毎月、島のお店でアコギ弾き語りワンマンライブしてます。 MIOTRON RECORDS からのデビューを目指すシンガーソングライターです。

マガジン

  • シンガーソングライター頭慢の作詞講座

    石垣島在住ミュージシャン頭慢(とーまん)が、今まで400曲以上の作詞作曲をしてきた経験をもとに、今回は作詞についてのあれこれをまとめます。

最近の記事

ROJINと海

ROJINと海 作詞・作曲:頭慢 年を取ったら南の島で カジキなんか釣って暮らしたい そんな事を君に言ったら 全然似合わないと返したね あの頃僕はといえば高層ビルの13階で コンピュータの画面に向かいながら 満たされない気持ちを抱えていた ヘミングウェイが描いたカリブの暮らしは 今の僕の暮らしとは違うけど あの頃より十年以上も経って 南の島で海に沈む夕日を見てる 今から思えばもっと早くに 次の場所を見つければよかった 君をさらって遠い場所で 新しい暮らしを始めれば良か

    • 作詞講座 第七回 「断片とコラージュ」

      今でこそ、忌み嫌われるようなアイテムになってしまった「煙草(たばこ)」だが、一昔前は、重要な歌詞アイテムだった。 煙草の銘柄が出てくる歌詞もある。 ハイライトという銘柄が使われている。たぶん、この歌の情緒を考えると、少し安っぽい、少しありふれた煙草の銘柄(当時)として、歌詞にでてくるのはハイライトでなければならなかっただろう。 他にも、私がざっと思いつくだけで、こんな銘柄が歌詞に登場する歌がある。 ショートピース ジタン ゴロワーズ イブ しんせい 昔は、煙草の

      • Dead December

        Dead December 作詞:ノブさん + 頭慢 作曲:頭慢 垣間見た未来が明日の延長であるとは限らない 思い出した過去の先が昨日であるとは限らない 中国系の若者に道を聞く 目眩のような路地をたどり駅に着く 大声で携帯電話中近東の言葉 黒い肌の男が歌い出す 地下鉄のホームで君を待つ 八千の島からなる君の故郷 人を殺しても許される土地はある 黒いマントのマオイスト ここはアジアの何処だろう チョヌン、イルボンサラミエヨ 私は日本人です 垣間見た未来が明日の延長である

        • 星の彼方へ帰りたい

          星の彼方へ帰りたい 作詞・作曲:頭慢(とーまん) 子供の頃から近視の眼鏡で あんまり夜の星を見ることはなかった でも二階の窓から屋根の上に降りて ずっと月を見るのは好きだった 子供の頃にテレビに映ってた ニール・アームストロング船長の姿 地球は太陽のまわりを回ってる なんて幼い頃から当たり前の知識 生き物の命が繰り返される理由 生き物が大きな力を持つように進化した理由 命は星の彼方からこの星に降ってきた そこから何億年もかけてこの僕が生れた 魂は星の彼方からこの星に降

        ROJINと海

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        • シンガーソングライター頭慢の作詞講座
          7本

        記事

          To What Do I Belong?

          To What do I belong? 作詞・作曲:頭慢 潮風に吹かれながら考える 僕は何処から来て何処へ行くのか 寄せる波の泡がカラカラ砂を転がして 僕たちは何処から来て何処へ向かうのか To what do I belong? Where do I belong? How and to whom do I belong? そして今ここにいる 昔もっと南の方から人がここに流れ着いた そしてすでにここにあった山や海を畏れそして禱った 昔ここにたどり着いた人々が見つけた

          To What Do I Belong?

          作詞講座 第六回 「作者だけが知っている」

          まずは、これを読んでもらおう。さだまさしの「案山子」の一節だ。 この歌詞の中「金頼むの一言でもいい」、このフレーズを正しく理解してる人はどのくらいいるだろう。 これは、さだまさしの実体験だという。お金に困って公衆電話から実家に、仕送りを求めて電話をかけるのだが、当時はテレフォンカードなどない(もちろん、ケータイもない)。 お金がないから10円玉1枚だけで公衆電話を掛ける。10円でかけられる時間はほんの数秒(関東から長崎までだし)。それで、とにかく、電話に出た誰にでもいい「金

          作詞講座 第六回 「作者だけが知っている」

          猫の観察からわかること

          猫の観察からわかること 作詞・作曲:頭慢 猫はアルギニンをつくれない 猫は人間じゃない 猫は幸せなんて知らない そこにあるうれしさしか知らない 死ぬような目にあっても 将来を憂うことなく 今の痛みを受け入れる 神様に祈ることもしないのが猫 猫はアルギニンをつくれない 猫は人間じゃない ところで今年の初詣で 神様にあなたは何を祈りましたか 家内安全、満願成就、健康、厄除け、縁結び 願いはちょっと大雑把ですね 話は戻りますが 僕は猫を三匹飼ってます 猫を観察してわかるこ

          猫の観察からわかること

          いつも心の中にパワー

          いつも心の中にパワー 作詞・作曲:頭慢(とーまん) 君は風邪ひいて少し弱気になって 楽しみな予定もキャンセルしたの それでも明日(あす)になって神風が吹いたなら そんなこと考えて今日は眠れよ 右回りの螺旋に重ね合わせて 右脳と左脳の震えの数が共鳴する今・・チャクラを開け いつも心の中にはパワー 他人(ひと)に負けない気持ちのパワー 誰かと話ができるパワー ずっと笑顔でいるためのパワー きっと大丈夫今の君は大丈夫 自分にたくさんの感謝ありがとう だから今日がなんだかうま

          いつも心の中にパワー

          作詞講座 第五回 「リピート」

          作詞講座を連載しているが、巷に「あなたも作詞ができる」みたいなテキストはたくさんある。 そんな、作詞テキストでよくある作詞の方法。 『作詞はサビのリピートからキャッチーなキメフレーズから作ろう! サビはその繰り返しでオッケーよ。』 そんなのが多いような気がする。 でも結構日本の歌って、サビが全くの繰り返しのリピートって少ないんじゃないかな。 あっても一単語ぐらいの繰り返し。 一番と二番はサビでも歌詞が違うこと多くない? 洋楽、アメリカンな歌だと、同じフレーズをしつこく繰り返

          作詞講座 第五回 「リピート」

          プリズムプリズン

          プリズムプリズン 作詞・作曲:頭慢 テーブルの上の水を入れたコップに 窓から光がさしこんで 君と僕の間に小さな虹ができて 少し二人を和ませる 僕が投げかけた光は屈折して 君のところまで届かない 多面体のような世界に囲まれて まるでとらわれ人のよう プリズムプリズン 僕の想いが 真っ直ぐ君に 届くといいのに プリズムプリズン 僕の声が 真っ直ぐ君に 聴こえてほしいのに ファインダーの中見えていた風景も 波長を間違えた思い出だね どこから懐かしい歌が聞こえて来たら 少し笑

          プリズムプリズン

          作詞講座 第四回 「五感」

          小学校で作文指導をするとき「五感を意識して書きなさい」。これはよくやる指導方法。 たとえば運動会の作文。 そのとき、どんな音が聞こえた?だれかの声がきこえた? 地面を踏んだかんじはどんなだった? 温度はどうだった?体は熱かった?風は吹いてた? 匂いはしなかった? 終った後の水の味は? 五感の表現は、簡単にリアリティを出すいい方法だ。視覚は、まあ普通に表現されるけど、聴覚、嗅覚、触覚、そのあたりを歌詞に表現することで、よりいっそうリアリティが出る。 聴覚 嗅覚 味覚

          作詞講座 第四回 「五感」

          この海をあなたに

          この海をあなたに 作詞・作曲:頭慢 最近仕事帰りには少し遠回りして 海に行くんだ 海辺を歩くたび新しい何か発見があって 毎日が新鮮な暮らしだよ 新しい友だちもたくさん出来てわたし きっと顔つきだって変わったと思うんだ ふるさとに残してきたひとたち そしてあなたのこと・・思い出すけど 今透き通ったコバルトブルーの海を見ても 大きな雲がゆっくり空に動くのを見ても 珊瑚の海に色とりどりの魚が泳ぐのを見ても 幾重にも重なり響く波の音を聴いても 風の中に微かな潮の香りを感じても

          この海をあなたに

          狩猟者(ハンター)

          狩猟者(ハンター) 作詞・作曲:頭慢 あの森に隠れているのは 獲物かそれとも恐ろしい敵か そんな時代の想いは 今でも俺たちの記憶の中に刻まれてる だから俺たちは想像の中 未来予測の中に生きてしまう 今が恙なく続くはずと 自分勝手に安全と安心を塗り替えて 知らない場所に地図もGPSもなしに 足を踏み入れてみよう そこにある自然に目を奪われよう それが自分を含めた現実だったと気が付こう 俺たちはハンター 本当はハンター 一歩先に何があるか 俺たちはハンター 本当はハンター

          狩猟者(ハンター)

          作詞講座 第三回 「人称」

          人称を考える。 一人称、二人称、三人称などという人称のことだ。 まずは吉田拓郎の歌の例から。 「わたしは・・」という明快な一人称。 続いて、井上陽水の歌の例。 先の吉田拓郎同様、自分からの視点の歌だが、一人称というよりもモノローグ。一人語りで、人称代名詞は出てこない。よりいっそう、話者(歌い手)の心情が強調されて感じられる。 二人称、語りかける歌詞も、世の中には多い。 「君がすき」「I Love You」恋の歌はおおむねそんな二人称だ。 小田和正のラブソングは君と僕

          作詞講座 第三回 「人称」

          葉音 - Sound of Leaf -

          葉音 - Sound of Leaf - 作詞・作曲:頭慢 君の欲しいものは本当に望むものなの その欲望は誰かの手でつくられたものじゃない? だけどひとはひとの模倣の中でしか生きられない はるかはるかの昔から繰り返してきた営み 南からの風が海を集めて 北の街で降る雨が去った後で 街の木立の梢に残った一枚の枯葉が 風に震えるその音を聴け心を研ぎ澄まして だけど君の欲しいものはきっと誰にもわからない まだ見えないものは可能性の中でしか語れない 君の愛するひとが明日笑顔でい

          葉音 - Sound of Leaf -

          作詞講座 第二回 「遠近法」

          遠近法ということについて。 近くのものはハッキリ見えて、遠くのモノはぼんやり見える。 歌詞で、その近景と遠景の組み合わせを考える。 近景と遠景、すなわち具体と抽象。 第一回に引き続きユーミンの歌詞を見てみよう。 コンセプトということでは、文語調の歌詞で和を表現しようとするコンセプトが明快だが、今回は具体と抽象について視点をあてよう。 沈丁花と固有名詞が出てきて、具体度が上がっている。 「沈丁花」のところ、例えば「白い花」などとするのが抽象。 固有名詞を入れて、具体度を高

          作詞講座 第二回 「遠近法」